ロングソードとは、ヨーロッパで使われた刀剣の一種である。ここでは原型になったアーミングソードも記述する。
概要
原型
ロングソードはアーミングソードの発展形である。このアーミングソードというのは中世の騎士が腰のベルトに差していた一般的な刀剣の総称であり、比較的軽量で片手で扱いもう片方の手に盾を持つ。主に槍を失った場合だけでなく、乱戦や閉所などで使用し、補助的な武器であったが槍や馬とともに重要視されていたようである。
なお、当時このアーミングソード以外、刀剣とみなされてなかったのか、ただ単に刀剣(英:sword)とも呼ばれた。
形状は、低い冶金技術のため六角形または扁平の断面の幅広な剣身を持ち、シンプルな十字鍔を備えている。更に剣の平部分には重量軽減などを目的とした溝が掘ってある場合も少なくない。源流はノルマン人やヴァイキングなどが用いていた長剣であるといわれる。普及したのは11世紀~12世紀だが非常に高価であったため騎士以外には普及せず身分証明書的な側面も強かった(一般的な歩兵はスカラマサクスと呼ばれる大型の鉈や斧、こん棒などをつかった。)。
ロングソードの出現と使用法の変化
ロングソードが出現したのは13世紀ごろである。
これまで騎士の身に着ける最上の鎧は鎖帷子だったが弩や長弓、フレイルと呼ばれる殻竿武器に対して、従来の鎖帷子はぜい弱であり、その対策のため徐々に板金で覆うようになっていき15世紀前までにはおおよその部分は板金で覆われた鎧、プレートメイルに変化したといわれる(これは騎士の中でも富裕層だった場合であり、実際の多くの騎士達は鎖帷子の上に鉄片を縫いつけた防護服をつけるのが主流だったし、騎士でないほとんどの兵士はこれよりも軽装だったりする)。
このような鎧に対応するために生まれたのがロングソードであり、冶金技術の向上も手伝ってかアーミングソードと比べ長く鋭くなり、やや重くなったが、重心が手元よりになったことで汎用性は変わらず、さらに用法も鎖帷子を力任せに断ち切るような単純なものから、板金鎧の脆弱部を突くため、複雑で精密な刺突を中心とする、剣術と呼べるような技術に変わり発展していった。また鎧が発達したことにより盾が形骸化したことで片手だけでなく両手でも使うようになった。刃長は85~110cm、全長は100cm~120cm。平均的な重量は14世紀後半のもので約1.4kg前後である。
分類と定義
ちなみに、英語圏でのロングソードは主にバスタードソードやハーフアンドアハーフなどの片手でも両手でも扱うことができる片手半剣に分類(とう言うより同義)とされる事が多い。
しかし、書籍によっては先述のアーミングソードをロングソード前期型、その発展形をロングソード後期型とし片手半剣とは別物とされる場合や、片手半剣はロングソード後期型のバリエーションの一つとして分類されることもあり、それだけでなく、どのような文脈で使われるかで意味が大きく変わるなど、ロングソードの定義は曖昧でややこしい。さらに、この武器に限ったことではないが、実用されていた当時はロングソードという名称はなく後世の学者が区分わけしやすいように後付された名称という指摘もある。
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