- 第4回夏季オリンピック⇒ロンドンオリンピック(1908年)
- 第13回夏季オリンピック⇒ロンドンオリンピック(1944年)
- 第14回夏季オリンピック⇒ロンドンオリンピック(1948年)
- 第30回夏季オリンピック⇒当項目で解説
ロンドンオリンピック(London Olympic)とは、2012年に開催された第30回夏季オリンピック(Games of the XXX Olympiad)である。
※日本との時差は-8時間(サマータイム)。なお日付は全て現地時間記載とする。
日本メダル獲得数 金:7個 銀:14個 銅:17個 計:38個
概要
夏季オリンピック | |
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ロンドンオリンピック | |
正式名称 | |
第30回オリンピック競技大会 | |
Games of the XXX Olympiad | |
基本情報 | |
開催国 | イギリス |
開催都市 | ロンドン |
開会式 | 2012年7月27日 |
閉会式 | 2012年8月12日 |
競技種目数 | 26競技302種目 |
参加国・地域 | 204 |
新採用/追加競技 | |
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オリンピックテンプレートボックス |
ロンドンでのオリンピック開催は1908年の第4回、1948年の第14回に続き3回目となる。1944年の大会は中止となっているため、回数としては4回目である。同一都市での近代オリンピックの3回開催は史上初。
2012年夏季ロンドンオリンピック大会は204の国と地域から選手が参加し、2012年7月27日から8月12日までの間、26競技、302種目が行われた。また、史上初めて全ての国と地域から女子選手が参加した大会ともなった。マスコットは一つ目が特徴的な「ウェンロック」で、近代オリンピック発祥の村「マッチ・ウェンロック」がその名の由来となっている。
Inspire a generation
ロ ンドン五輪のスローガンは、「Inspire a generation」(世代を超えたインスピレーション)。このスローガンを表すかのように、開会式の聖火リレーの最終ランナーには7人の10代のアスリートが選ばれ、かつての金メダリストたちから託された聖火トーチをもって聖火台への点火を行った。
テーマは「エコ」
ロンドンオリンピックは「史上最もエコなオリンピック」を目指し、準備段階からCO2排出量やごみ削減などの目標値を明示するなど、環境に配慮した大会作りが行われている。会場用地として土壌汚染地域の浄化・再生、花や緑あふれる公園の配置、建造物へのリサイクル資材の活用、再生エネルギーの利用、公共交通機関・徒歩・自転車での移動の推奨など、環境に配慮した様々な取り組みが行われた。既存施設の活用や、会場全体がコンパクトな地域に収まっているといった特徴も。
ソーシャルメディア時代のオリンピック
ロンドンオリンピックは、本格的なソーシャルメディア時代を迎えて以降初のオリンピック であり、TwitterやSNSを通しての情報発信が運営側、選手本人、協賛企業など各所で活発に行われ、またソーシャルメディアを利用して観戦を共有する場も多く用意された。それを意識して開会式では、TwitterやFaceBookを匂わせるCGが多用されSNSサービスを意識した演出が使われた。
一方でIOCはチケット保有者や関係者に対して「ソーシャルメディア等のインターネットのサイト上での画像・動画・音声を配信・公開の禁止」「第三者に画像・動画・音声を利用させることの禁止」「発言範囲の限定」等の厳しい規制も設けている。オリンピック関連の写真や動画の利用や転載には注意した方が良いかもしれない。
ロンドンオリンピックでの主な規制
- ソーシャルメディア規制(上述)
- スポンサーに関する規制。ロンドン五輪委員会委員長がペプシのロゴ入りTシャツでは会場に入れないといった発言をする程(この発言はその後「服装は個人の自由」として打ち消されている)
- 会場への入場は空港並みのセキュリティーチェック
- ロンドン周辺の道路のうち48kmで五輪専用レーン設置
日本代表選手団
日本代表選手団は選手293人、役員225人の合計518人。選手内訳は男子が137人、女子が156人であり、過去二番目の規模である。団長は全日本柔道連盟会長でモントリオール五輪金メダリストの上村春樹、主将はやり投げ代表の村上幸史、副主将はレスリング代表の吉田沙保里。開会式での選手入場では、日本代表団は95番目に登場し、旗手はレスリング代表の吉田沙保里選手が務めた。
今回のオリンピックでは初の試みとしてマルチサポート・ハウスがメイン会場近くに設けられた。トレーニング室やミーティング室、さらには日本食レストラン、サウナ、畳敷きの部屋、ウォッシュレットなど日本選手をサポートするための様々な施設が備えられている。
競技
競技結果(日本)
- 金メダル
- 松本薫 - 柔道女子57kg級 ※この階級での金メダル獲得は日本初
- 内村航平 - 体操男子個人総合 ※個人総合での金メダルはロサンゼルス大会以来28年ぶり
- 小原日登美 - レスリング女子フリースタイル48kg級 ※この階級での金メダル獲得は日本初
- 伊調馨 - レスリング女子フリースタイル63kg級 ※日本女子選手として全競技通じて史上初の大会3連覇
- 吉田沙保里- レスリング女子フリースタイル55kg級 ※伊調に続き日本女子選手史上2人目の大会3連覇
- 村田諒太 - ボクシング男子ミドル級 ※ボクシングでの金は48年ぶり、この階級でのメダルは史上初
- 米満達弘 - レスリング男子フリースタイル66kg級 ※レスリング男子での金はソウル大会以来24年ぶり
- 銀メダル
- 平岡拓晃 - 柔道男子60kg級
- 三宅宏実 - 重量挙げ女子48kg級 ※日本女子の重量挙げでのメダル獲得は初
- 中矢力 - 柔道男子73kg級
- 内村航平・加藤凌平・田中和仁・田中佑典・山室光史 - 体操男子団体
- 鈴木聡美 - 競泳女子200m平泳ぎ
- 入江陵介 - 競泳男子200m背泳ぎ
- 古川高晴 - アーチェリー男子個人
- 杉本美香 - 柔道女子78kg超級
- 藤井瑞希・垣岩令佳- バドミントン女子ダブルス ※日本人選手としてバドミントンでのメダル獲得は初
- 入江陵介・北島康介・松田丈志・藤井拓郎 - 競泳男子400mメドレーリレー ※日本選手団としては史上最高位
- 内村航平 - 体操男子種目別ゆか
太田雄貴・千田健太・淡路卓・三宅諒 - フェンシング男子フルーレ団体 ※団体でのメダル獲得は初 - 福原愛・石川佳純・平野早矢香 - 卓球女子団体 ※日本として卓球でのメダル獲得は初
- サッカー女子(なでしこJAPAN) ※女子サッカーでのメダル獲得は初
- 銅メダル
- 萩野公介 - 競泳男子400m個人メドレー ※日本男子の個人メドレーでのメダル獲得は初。競泳で高校生のメダル獲得は56年ぶり
- 海老沼匡 - 柔道男子66kg級
- 早川漣・蟹江美貴・川中香緒里 - アーチェリー女子団体 ※団体でのメダル獲得は男女通じて初
- 寺川綾 - 競泳女子100m背泳ぎ ※27歳でのメダル獲得は日本競泳女子の史上最年長
- 入江陵介 - 競泳男子100m背泳ぎ
- 鈴木聡美 - 競泳女子100m平泳ぎ
- 上野順恵 - 柔道女子63kg級
- 松田丈志 - 競泳男子200mバタフライ ※2大会連続
- 西山将士 - 柔道男子90kg級
- 立石諒 - 競泳男子200m平泳ぎ
- 星奈津美 - 競泳女子200mバタフライ
- 寺川綾・鈴木聡美・加藤ゆか・上田春佳 - 競泳女子400mメドレーリレー
室伏広治 - 男子ハンマー投げ - 松本隆太郎 - レスリング グレコローマン60kg級
- 湯本進一 - レスリング男子フリースタイル55kg級
- 清水聡 - ボクシング男子バンダム級 ※男子ボクシングでは44年ぶりの日本勢メダル獲得
- バレーボール女子 ※28年ぶりの銅メダル獲得
今大会の目標金メダル数は当初"15~18個"(最多は1964年東京・2004年アテネの17個)としていたが、8月4日の会見では金メダル獲得数の不振を反映して、北京五輪の9個を越えることを目標とした。
結果、金メダルは7個と振るわなかったものの、銀・銅は14・17個と過去最多の個数を獲得。メダルの合計も38個と2004年アテネ大会を超えこちらも過去最多のメダル総数となった。
入賞選手全一覧はこちら → ロンドンオリンピック2012 日本代表選手団入賞者一覧 - JOC
日本代表選手団関連のトピックス
- 米満達弘 : 日本の五輪夏季大会通算400個目のメダルを獲得。
- 伊調馨・吉田沙保里 : それぞれ、レスリングで同一階級で3連覇を達成。この快挙は、ロシアのアレクサンドル・カレリンに続き史上2・3人目の快挙となった。
- 石川佳純 - 卓球女子シングルス(4位) : 日本人選手として初のベスト4進出
- 錦織圭 - テニス男子シングルス(5位) : 1924年パリ大会以来、88年ぶりの男子シングルスベスト8進出
- 岸川聖也 - 卓球男子シングルス(5位) : 日本人男子選手として初のベスト8進出
- 佐々木翔 - バドミントン男子シングルス(5位) : シングルスでは日本人選手として初のベスト8進出
- 羽根田卓也 - カヌー男子スラローム(7位) : スラロームでは日本男子初の決勝進出
- 競泳
- U-23サッカー日本代表 - 男子サッカー(4位) :
- 陸上 女子400mリレー : 1964年東京大会以来48年ぶり出場。メンバーの土井杏南(16歳11ヶ月)は陸上では戦後最年少選手となる。
- ★ギネス認定 ★ 法華津寛 - 馬場馬術 : 71歳で出場。日本史上最年長の五輪選手であり、今大会の出場選手中でも最年長。オリンピック史上全競技を通じて2位。”じいさんの星”。初出場の東京五輪から今回のロンドン五輪までの期間(48年間)が、五輪出場選手としては史上最長となり、ギネス世界記録に認定された。
- ★ギネス認定 ★ 加藤明美 - ホッケー女子 : ホッケー女子での五輪史上最年長出場記録(41歳)として、ギネス認定!
- 柔道男子60kg級 : 準々決勝、海老沼匡選手[白]VSチョ・ジュンホ選手(韓国)[青]の試合で旗判定の結果青が3本揚がったが、ジュリーの異議による再協議の末白3本に覆るという異例の判定(最終結果は両者銅メダル)
また男子柔道は柔道が近代五輪種目に採用されて以来、初めて金メダルの数がゼロとなった。 - 男子ボクシングバンダム級:2回戦、清水聡選手VSマゴメド・アブドゥルハミドフ選手(アゼルバイジャン)の試合で、清水選手がダウンを奪ったにもかかわらず、トルクメニスタン人の審判がカウントを取ろうとせず、清水選手が判定負けとなったが、試合後の異議の結果清水選手のRSC勝ちとなった(なお、当該審判は大会から追放・最終結果は銅メダル)
国別メダル獲得数
※順位は獲得金メダルの多い順(同一なら銀・銅メダルの個数の順)に表記。
国名 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | 国名 | 金 | 銀 | 銅 | 計 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | アメリカ合衆国 | 46 | 29 | 29 | 104 | 9 | ハンガリー | 8 | 4 | 5 | 17 | |
2 | 中華人民共和国 | 38 | 27 | 22 | 87 | 10 | オーストラリア | 7 | 16 | 12 | 35 | |
3 | イギリス | 29 | 17 | 19 | 65 | 11 | 日本 | 7 | 14 | 17 | 38 | |
4 | ロシア | 24 | 25 | 33 | 82 | 12 | カザフスタン | 7 | 1 | 5 | 13 | |
5 | 韓国 | 13 | 8 | 7 | 28 | 13 | オランダ | 6 | 6 | 8 | 20 | |
6 | ドイツ | 11 | 19 | 14 | 44 | 14 | ウクライナ | 6 | 5 | 9 | 20 | |
7 | フランス | 11 | 11 | 12 | 34 | 15 | キューバ | 5 | 3 | 6 | 14 | |
8 | イタリア | 8 | 9 | 11 | 28 | 16 | ニュージーランド | 5 | 3 | 5 | 13 |
獲得数合計
大百科に記事がある出場選手
- テニス:錦織圭 / ロジャー・フェデラー / マリア・シャラポワ /
- 陸上競技:福島千里 / 藤原新 / 室伏広治 / ウサイン・ボルト /
- 体操競技:内村航平 /
- サッカー:U-23サッカー日本代表 / なでしこJAPAN / 吉田麻也 / 清武弘嗣 / ライアン・ギグス / ルイス・アルベルト・スアレス / 鮫島彩 / 澤穂希 /
- 卓球:福原愛 / 石川佳純 /
- バスケットボール:コービー・ブライアント /
大会期間中の出来事
開会式
映像、編集技術の進歩により、開会式はよりショー性の高いものになっている。中継映像ではビジョンの映像が会場と連動しているような演出が多く見られた。YouTube公式チャンネルで配信されている開会式アーカイブには今大会より現地実況も同時収録されている。
- 始まりは、この日のために作られた「オリンピック・ベル」の鐘の音から・・・
- 中世イギリスから産業革命、そして現代へとイギリスの歴史を再現
- エリザベス女王とジェームズ・ボンドの共演。そしてパラシュートでロンドン上空から降り立つ女王陛下!
- イギリス生まれの数々のファンタジー作品の登場、ヴォルデモートVSメリーポピンズ
- サイモン・ラトル指揮によるロンドン交響楽団の「炎のランナー」演奏と、ミスター・ビーンのパフォーマンス
- 現代イギリスの音楽・ダンスカルチャーのパフォーマンス
- IDカードを着用していない謎の女性がインド選手団と一緒に行進→開会式の演技者の一人と発覚
- サッカーのベッカム選手がボートの操縦者として聖火と走者を会場に運ぶサプライズ
- 若手アスリートによる聖火点火
- 入場行進時に登場した各国・地域の名前を記した204枚の花びら、これらが一つに集まり聖火台に。
- ポール・マッカートニー(70)が生歌熱唱、会場全体でのHey Jude大合唱で感動のフィナーレ。いい閉会式だったね。
競技関連
- 競泳男子200m個人メドレーで、マイケル・フェルプス(米国)が五輪の競泳男子では史上初の個人種目3連覇を果たす。さらに、男子100mバタフライでも3連覇を達成した。
- ウサイン・ボルト(ジャマイカ)が史上初めて100m&200mの2種目2連覇を達成。
閉会式
- テーマは「A Symphony of British Music」。新旧問わず多数のミュージシャンが出演する豪華な式となった。というかこれ夏フェスじゃね?
- ユニオン・フラッグ型のステージデザインは芸術家、ダミアン・ハーストの作品
- 新聞にラッピングされたロンドンの街と人々によるイギリスの日常風景
- 男子マラソンの表彰式は閉会式で行われている。多分一番お得
- デヴィッド・ボウイの「Fashion」に合わせてイギリス人モデルたちのファッションショー
- スパイス・ガールズ再結成。ロンドンタクシーの屋根に乗りステージを動きまわる
- ビーディ・アイがオアシスの「Wonderwall」を歌唱。予想通りギャラガー兄弟の喧嘩の火種となる
- イギリスといえば、のモンティ・パイソンからエリック・アイドルが登場
- 公式テーマソング「Survival」を歌うミューズ
- 次回開催地リオ・デ・ジャネイロのパフォーマンス。サンバに様々な民族のダンスにラテンな香り
- メンバーの一人が子供を亡くした直後の出演となったテイク・ザット
- ラストはザ・フーが3曲メドレー&出演者全員でステージに上がっての歌唱
- 日本での放送は、楽曲演奏中に選手のコメントを読み上げて音楽を聞かせない+カメラは日本人選手たちを追い続けてステージを映さないという生放送を待ち侘びていた各ミュージシャンのファンたちを絶望の底へと突き落とし、twitterはNHKへの恨み言でトレンドが埋まっていった。更にトリのザ・フーは途中でカットされた。現在YouTube公式チャンネルでは閉会式のアーカイブが上がっており何時でも視聴出来るので、今から観たい人でも安心。
関連動画
関連項目
関連WEBサイト
- London 2012 Olympics(ロンドンオリンピック公式サイト、in English)
- London2012(オリンピック公式サイト、in English)
- ロンドンオリンピック2012(JOC:日本オリンピック委員会)
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