ローゼット(rosette)とはroseの指小辞で薔薇に似た形状のもの、またそうした形を持つことに因んで付けられた物品などを指す。人名にも用いられる。
電気製品におけるローゼット
特に薔薇に似た形状をしている訳ではないため何故ローゼットの名が付いたかは今一つ不明だが、以下の器具がローゼットという名で知られる(ロゼットの項目参照)。
通信機器関連
電話機やモデムなどの配線を電話回線に接続するための装置(telephone rosette box)をいう。多くの場合、ローゼットは壁に取り付けられた箱のような格好をしている。屋外から引かれた電話回線は、ローゼットの内部でねじ止めによって電話機などと接続できるようになっている。ローゼットを扱うには工事担任者の資格を持っているか、有資格者の監督を伴う必要がある。
また壁面が端子になっているのではなく、そこから電話回線が直に伸びる形になっているものをローゼット式という。これに対してモジュラージャックを用いて壁面端子と電話機を繋ぐタイプをモジュラー式(コネクター式)と呼んでいる。ローゼット式ではY型やR型の裸圧着端子を用いて本体に回線を取付けるため、ワンタッチで行えるモジュラー式に比べると脱着が不便なことから現在はほぼモジュラー式に取って代わっており、市販されている電話機も基本的には全製品がモジュラー式で統一されている。
照明器具関連
家屋の天井にある照明器具の取付口の共通規格をローゼット(引掛シーリング、シーリングローゼット)と呼んでおり、ローゼットに対応した照明器具は差込まれた接続口を軽く回すだけで簡単に付外しが行える。
シーリングローゼットには幾つかの種類があり、代表的なものが角型引掛シーリングと丸型引掛シーリングである。これら埋込式にしたタイプも存在し、いずれも取付口は共通になっている。
引掛ローゼットは日本独自の規格(JIS C 8310)であり、海外にも類似の規格は存在するが互換性等はない。
シーリングとローゼットを区別している場合もあり、特にシーリングファン等重量物を取付ける際に天井に穴を空けて木ネジで固定が必要なタイプをシーリングと呼び、外側に突出た金具(耳、ハンガー等と呼ばれる)に固定出来るため天井に穿孔する必要がないタイプをローゼットとしている。
美術様式におけるローゼット
円花文様といい、唐草文様の一つに属する。放射状に広がった花弁を象ったシンボルマーク全般を指し、ロゼットと表記される事が多い。Unicodeでは🏵および🏶という記号で表され、また✾❁🌼✿といった記号もこれに相当する。
ローゼットは特に古代オリエントや古代ギリシアでシンボルとして頻用されており、建築や墓所などの壁面に装飾として数多く施されている(こちらを参照)。また上記の引掛ローゼットの由来はこうした円花文様がその上に被せるカバーにデザインされている事が度々見受けられることから来ているものと思われる。
関連商品
関連項目
- 0
- 0pt