どれほどのスプリンターが世界の壁に阻まれたことか。
そんな過去を一蹴する圧勝劇だった。
電光石火の末脚は海を渡り、香港を突き抜けた。
竜王の目覚め。それは、新たな伝説の始まりだった。
スプリントレースと呼ばれる芝1200mのレースにおいて抜群の成績を収め、サクラバクシンオーと並び中央競馬史上屈指のスプリンターと称される名馬である。
主な勝ち鞍
2011年:京阪杯(GIII)
2012年:スプリンターズステークス(GI)、香港スプリント(G1)、シルクロードステークス(GIII)
2013年:高松宮記念(GI)、安田記念(GI)、スプリンターズステークス(GI)、香港スプリント(G1)、阪急杯(GIII)
栄光への疾走と挫折
父キングカメハメハ、母レディブラッサム、母父Storm Catという血統。母と同じく一口馬主クラブのロードホースクラブに購買され、安田隆行厩舎に入厩。
2歳暮れにデビューし1200mの新馬戦を快勝。次走はNHKマイルカップや皐月賞を見据えてマイルのオープンに出走するが末が甘くなり2着、1400m戦でもやっぱり末が甘くなり2着。
この結果を受け、陣営は1200m戦専念を決める。 そこそこの良血であったため、早くからのクラシック断念は勇気がいる決断といえる。
しかし、短距離馬育成のスペシャリストになりつつある安田師の判断に間違いはなく、1200m戦に戻った500万下を完勝。3歳OPも快勝。秋まで休んで古馬オープン馬相手でも完勝。重賞初挑戦の京阪杯も壁を感じさせないスピードで一番人気に応え快勝。翌年、高松宮記念へ向けて出走したGⅢシルクロードSも、トップハンデを物ともせず勝利。怒涛の勢いで連勝街道を突き進む。
なんか勝ったことばっかり書いてないか?と思われるかもしれないが、別に苦もなくさらっと一番人気に応えて勝っているのでこれ以上装飾しようがないというかなんというか。
1200m戦6戦6勝、さしたる苦戦もなしとあれば、スプリント界の新星として大いに人気を背負うのは必然。新装開店中京競馬場一発目のGⅠ高松宮記念でも一番人気を背負うが、同じ厩舎の先輩で前年のスプリンターズSの勝ち馬であるカレンチャンの前に屈し3着。ついに1200mで初めての敗北を喫してしまう。
龍王への道
この最初の挫折とも言える敗北でリズムが狂ってしまったのか、函館スプリントSではいい手応えだったのに、11頭立てでなぜか前づまりを起こし2着に敗れる。
…これは彼の責任ではなく、鞍上の責任であろう事象である。高松宮記念でも若干そういう傾向があったからか、主戦が福永祐一から岩田康誠にスイッチとなった。
新コンビで迎えたセントウルステークスでは、サマースプリントシリーズ優勝狙いの牝馬が強いという流れが最近できているからか、一度は先頭に立つものの、夏に頑張ったエピセアロームの鋭い差し脚に屈し2着に終わった。
とはいえ、タイム差なしの2着は3ヶ月ぶりの一叩きとしては上々であり、本番のスプリンターズSでは早め先頭に立ったカレンチャンを外から豪快に差し切りレコード勝ち。一度は王の座をつかみそこねたが、二回目のチャンスはきっちり掴んでみせた。
そして、これが引退レースとなる先輩・カレンチャンとともに、年末恒例・香港国際競走DayのGⅠのひとつ、香港スプリントへ遠征を敢行した。
過去、日本馬がことごとく惨敗を重ね、アグネスデジタルやステイゴールド、エイシンプレストンが次々と勝利し日本馬がシャティン競馬場を支配した2001年もダイタクヤマトとメジロダーリングが失意の中帰国する羽目になった(メンバーがアレとか言うな)、香港国際競走の中で唯一、間違い無く毎年世界最高レベルのレースが繰り広げられていると断言できるレースである。最近は香港ヴァーズも欧州の強豪とかが来て割とメンバー揃うようになったけどね。
一応、前年にカレンチャンは5着に入ったが、人によっては5着でもカレンチャンすごい、強すぎって言うくらいの好結果である。 ビリーヴやショウナンカンプ、サニングデール、カルストンライトオすら勝負にならんレベルでボコボコにされ通しであった。
2012年は圧倒的強さの地元勢がおとなしめではあったが、それでもLucky NineやCerise Cherryといった地元の今を代表するスプリンターは出走していたし、連勝記録で有名な女傑Black Caviar以外にも多数の名スプリンターがいるオーストラリアからもSea Sirenが遠征してきていた。
今までの常識で考えれば、いくらカレンチャンやカナロアを持ってしても、掲示板が精々で勝つのは難しいであろうと大方の競馬ファンは思ったであろう。
しかし、海神・「カナロア」からとった名前から連想したであろう中国名「龍王」というすんげえかっこいい名を背負った彼は一味違った。カレンチャンが後手を踏んでゴタゴタに巻き込まれる中、スタートを決めると好位につけ、直線向いて仕掛けるとぐんぐん加速し、後続に2馬身半差つけて堂々と押し切り勝利。差がつきにくいスプリント戦で2馬身半差は圧勝だとか粉砕といっていいくらいの差である。断じて玉砕ではないですよ吉本アナ。
この勝利で、ついに香港国際競走Dayの日本馬による完全制覇が達成された。
伝説への挑戦
2013年、世界の龍王様となったロードカナロアは春の目標を去年一番人気を背負いながら愛しのカレンチャンに抑え込まれ、惜敗してしまった高松宮記念と定め、その試練として得意距離の1200mではなく、1400mとなる阪急杯から始動、三歳時に負けてる距離なので不安説もあったが危なげなく楽勝。
そして春スプリント戦の大一番、高松宮記念。
前哨戦からの過程も好調、枠は6枠11番と内過ぎず外過ぎずの絶好枠、ライバルも勝負付けが済んでいる相手ばかり。負ける要素を探す方が難しいほど盤石の態勢だった。
そしてレース当日、スタートで出負けして中団後方からの競馬になってしまい、番狂わせがあるかと思わせたがそんなことはなかった。
絶対的なスピードが違うのか持ったまま徐々に進出、直線で外に持ち出し鞍上の岩田騎手がゴーサインを出すと末脚を爆発させ、粘り込みを図るハクサンムーンを一気に強襲。大外からドリームバレンチノが鋭く追い込んできたが余裕で抑え込み、コースレコードを叩き出して圧倒的な強さで優勝した。
やっぱり世界の龍王様は強かった・・・>世界の龍王様は強かったんや・・・。
これで伝説のスプリンター、サクラバクシンオーもなし得なかった日本馬史上初のスプリントGI三連勝を達成する。(当時は高松宮記念がなかったんだけど)
もう国内では無敵なので海外挑戦もファンから期待される存在となったが、ファンが一番見たかった対決相手であるスプリント戦無敗、ゼニヤッタのグレード制導入後の無敗記録を更新し、生ける伝説として驀進する2010年台前半の世界最強スプリンター・豪州史上屈指の女傑Black Caviarがデビューから25連勝を記録した後、もうやるべきことはないと引退してしまった。
それを受けてか、あるいは既定路線だったか距離延長となる安田記念に向かう。マイルに絶対王者がいないこともあり、やや押し出された感は強かったが一番人気に推された。
今回はスタートを決めて中団でバッチリ折り合い、シルポートの逃げたよどみない流れに乗る。隣でマイル路線の筆頭格のグランプリボスが大きく口を割るのとは対照的であった。
直線では外から力強く抜け出してダノンシャークをねじ伏せ、飛んできたショウナンマイティの鬼脚を封じ切る強い勝ち方を見せ、短距離統一王者となった。
香港スプリントを勝った時点で日本の歴史上屈指の短距離馬となったのだが、この勝利で伝説級の名馬とくらべても遜色のないレベルになったといっても過言ではあるまい。
まあ、その、岩田がなんか色々やらかしたけど、それあったって並のスプリンターじゃバテて勝てなかったからね…
史上最強の龍王
サクラバクシンオー以来のスプリンターズS連覇を狙った現役最後の秋。しかし前哨戦のセントウルSでは、高松宮記念惜敗後、夏に本格化した快速馬ハクサンムーンの逃げ切りを許し2着に敗れてしまう。とは言え三着以下はぶっちぎっており実力の違いは見せていた。
そして迎えた本番。ハクサンムーンがこの日も元気に飛び出し前半32.9という暴走気味のペースで逃げ、鈴を付けに早めに動いたサクラゴスペルが逆に潰れる中で逃げ切るくらいの粘りを見せていたのだが、中団に控えていたロードカナロアが外から豪快に伸び、残り100mあたりできっちり差し切ってそのままゴール。これで史上初の国内スプリントGⅠ三連覇、さらにGⅠになった後としてはサクラバクシンオー以来となる連覇を達成した。
さすが世界のルォォォォォォォォォォォォォォォドカナロァァァァァァァァァァァァァァ↑である。長いですよ小林アナ。
ついに国内での比較対象がいなくなったと言える程の実績である。 我々は伝説の目撃者なのかもしれない。
そして世界のロードカナロアの引退レースとなった香港スプリント、外枠から好スタートを決めると中段やや前の外側をスムーズに走る。そして最後の直線残り300メートルから仕掛けると、そこから矢のような末脚を繰り出し、先頭を交わしてグングン差を広げていく。
結局、ゴール版を通過したときには2着に5馬身の差をつける、「これが本当に引退する馬のレースか」と言いたくなるほどの大楽勝劇で日本競馬史上最強のスプリンターは自らの引退の花道を飾った。
香港スプリント連覇を達成したのは史上三頭目。香港史上最強馬とも名高いサイレントウィットネス以来の快挙を遠征馬の身で成し遂げた。
サイレントウィットネスやSacred Kingdomのような香港総大将格といえる馬は今年も不在であったが、逆にその総大将格の地位に遠征馬でありながら就いた絶対的な”龍王”の強さを称えるしかないと言い換えることもできよう。
通算成績19戦13勝。最も負けたのが初GⅠの高松宮記念の3着、1400m以下は17戦12勝2着4回3着1回とサクラバクシンオーすら凌駕する安定感を誇り、1年どころか半年でピークが過ぎることもある短距離界において2年以上最前線で最強を競い続け、マイルGⅠすら獲得してみせるなど、比較対象が前述のサクラバクシンオーでも物足りなく感じるレベルである。香港スプリント2勝を引かずとも、伝説のスプリンターと断言していい。
短距離専業の馬としてはマイラーのタイキシャトル以来、スプリンターとしては史上初のJRA年度代表馬獲得(最優秀短距離馬も受賞)という偉業も、彼が現役で積み上げたものの前では霞む。
最優秀4歳以上牡馬を譲ったのはまあ、同期の三冠馬への餞みたいなもんだ。
龍王の棲むところ
この場所は誰にも
奪われたくないと思った。
頂上からの眺めが
こんなにも美しいものだとは。
明け渡せと迫る声は
すべて撃ち払ってやる。
海の向こうにそびえる山も
いっそ征服してやろう。
聴け、わが咆哮を。
ここは龍王の棲み家なのだ!
引退後
2014年からは種牡馬として、その圧倒的な強さを伝えていく役目を担う。体調不良のキングカメハメハの後継候補として、毎年250頭以上の繁殖牝馬を集める人気ぶり。しかも出生率7割という打率の高さである。初年度産駒は2017年にデビューし、同期の三冠馬オルフェーヴルや既に米国時代の産駒が日本で実績を残しているヘニーヒューズらの産駒を全く相手にしないスピードで勝ち星を量産。ぶっちぎりでファーストシーズンリーディングサイアーを獲得、全体の2歳リーディングでもディープインパクトに次ぐ2位と文句なしの滑り出しを見せた。
自身は典型的なスプリンターであったが、アーモンドアイ、サートゥルナーリア、パンサラッサなどといった父系のスピードと母系のスタミナを併せ持つ中距離を得意とする馬も少なからず輩出しており、その中でもアーモンドアイが2018年に牝馬三冠達成に加え、圧倒的ワールドレコードでジャパンカップを制するなど際立った活躍を見せ、2020年遂に前人未到のGⅠ9勝をあげ、正に伝説になった。翌2021年より繁殖入りしており彼の系譜は確実に次代に受け継がれていくだろう。地方でも重賞11勝をマークしている兵庫総大将のジンギを出している。
2018年にはJRA顕彰馬に選出。産駒のアーモンドアイも2023年に顕彰馬入りし、ディープインパクト・ジェンティルドンナに続く親子での殿堂入りを果たした。
ああ、つくづくBlack Caviarとの対決が見たかった……
血統表
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo 1990 鹿毛 |
Mr.Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
マンファス 1991 黒鹿毛 |
*ラストタイクーン | *トライマイベスト | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
レディブラッサム 1996 鹿毛 FNo.2-s |
Storm Cat 1983 黒鹿毛 |
Storm Bird | Northern Dancer |
South Ocean | |||
Terlingua | Secretariat | ||
Crimson Saint | |||
*サラトガデュー 1989 鹿毛 |
Cormorant | His Majesty | |
Song Sparrow | |||
Super Luna | In Reality | ||
Alada |
クロス:Northern Dancer 4×5×5(12.5%)
主な産駒
2015年産
- アーモンドアイ (牝 母 フサイチパンドラ 母父 *サンデーサイレンス)
- アールスター (牡 母 ウェーブクイーン 母父 サッカーボーイ)
- ジョーカナチャン (牝 母 ラッキーダイス 母父 ネオユニヴァース)
- 主な勝ち鞍 '20アイビスサマーダッシュ(GIII)
- ステルヴィオ (牡 母 ラルケット 母父 *ファルブラヴ)
- 主な勝ち鞍 '18マイルチャンピオンシップ(GI)、'18スプリングステークス(GII)
- ダイアトニック (牡 母 トゥハーモニー 母父 *サンデーサイレンス)
- ダノンスマッシュ (牡 母 *スピニングワイルドキャット 母父 *ハードスパン)
- 主な勝ち鞍 '20香港スプリント(香港GI)、'21高松宮記念(GI)、'20京王杯スプリングカップ(GII)、'20セントウルステークス(GII)、'18京阪杯(GIII)、'19シルクロードステークス(GIII)、'19キーンランドカップ(GIII)、'20オーシャンステークス(GIII)
- トロワゼトワル (牝 母 セコンドピアット 母父 ハーツクライ)
- レッドガラン (牡 母 ダンスオンザルーフ 母父 *シンボリクリスエス)
2016年産
- イベリス (牝 母 セレブラール 母父 *ボストンハーバー)
- ヴァルディゼール (牡 母 ファーゴ 母父 ハーツクライ)
- キングオブコージ (牡 母 *ファイノメナ 母父 Galileo)
- グルーヴィット (牡 母 スペシャルグルーヴ 母父 スペシャルウィーク)
- ケイデンスコール (牡 母 インダクティ 母父 ハーツクライ)
- サートゥルナーリア (母 シーザリオ 母父 スペシャルウィーク)
- ジンギ (母 ロイヤルインパクト 母父 ディープインパクト)
- ファストフォース (牡 母 ラッシュライフ 母父 サクラバクシンオー)
- ファンタジスト (牡 母 ディープインアスク 母父 ディープインパクト)
- レッドルゼル (牡 母 フレンチノワール 母父 *フレンチデピュティ)
2017年産
- バーナードループ (牡 母 ステラマリス 母父 *サンデーサイレンス)
- 主な勝ち鞍 '20兵庫チャンピオンシップ(JpnII)
- パンサラッサ (牡 母 ミスペンバリー 母父 Montjeu)
- ホウオウエミーズ (牝 母 エミーズスマイル 母父 アグネスタキオン)
- ボンボヤージ (牝 母 ディープインアスク 母父 ディープインパクト)
- Know It All (牝 母 *コモンノウレッジ 母父 Rainbow Quest) ※イギリス生産・アイルランド調教馬
- Tagaloa (牡 母 ヴァシリーサ 母父 ハーツクライ) ※オーストラリア生産・調教馬
2018年産
- ジューンベロシティ (牡 母 アドマイヤサブリナ 母父 *シンボリクリスエス)
- 主な勝ち鞍 '23東京ジャンプステークス(J・GIII)、'23阪神ジャンプステークス(J・GIII)
- タイムトゥヘヴン (牡 母 キストゥヘヴン 母父 アドマイヤベガ)
- 主な勝ち鞍 '22ダービー卿チャレンジトロフィー(GIII)
- レイハリア (牝 母 ライトリーチューン 母父 マンハッタンカフェ)
2019年産
- キミワクイーン (牝 母 チェリーペトルズ 母父 ダイワメジャー)
- 主な勝ち鞍 '23函館スプリントステークス(GIII)
- キングエルメス (牡 母 ステラリード 母父 スペシャルウィーク)
- 主な勝ち鞍 '21京王杯2歳ステークス(GII)
- サブライムアンセム (牝 母 パストフォリア 母父 *シンボリクリスエス)
- ダノンスコーピオン (牡 母 *レキシールー 母父 Sligo Bay)
- レッドモンレーヴ (牡 母 ラストグルーヴ 母父 ディープインパクト)
- 主な勝ち鞍 '23京王杯スプリングカップ(GII)
2020年産
2021年産
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関連項目
- 競馬
- キングカメハメハ
- ストームキャット
- アーモンドアイ
- カレンチャン
- サイレントウィットネス(二頭目の香港スプリント連覇達成馬)
- サクラバクシンオー(並び称される名スプリンター)
- タイキシャトル(短距離馬として初のJRA年度代表馬)
- モーリス(競走馬)(短距離馬として3頭目のJRA年度代表馬)
- ブラックキャビア(同時期にオーストラリアで活躍した短距離の女王)
- 競走馬の一覧
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