ローマの松(伊: I pini di Roma)は、オットリーノ・レスピーギ(Ottorino Respighi)が作曲した交響詩である。
概要
「ローマの噴水」「ローマの祭り」と共に、レスピーギの “ローマ三部作” (La Trilogia Romana)と呼ばれる作品群の一つで、1924年に作曲された。
ローマ三部作のみならず、レスピーギの最高傑作との呼び声が高く、したがって演奏される機会も非常に多い。他2曲と同じく、4部構成から成り立っており、途切れることなく通して演奏される。楽章のタイトルは以下の通り。
- ボルゲーゼ荘の松 (I pini di Villa Borghese)
- カタコンベ付近の松 (I pini presso una catacomba)
- ジャニコロの松 (I pini del Gianicolo)
- アッピア街道の松 (I pini della Via Appia)
この中でも、特に最終楽章の「アッピア街道の松」は特に人気・知名度が高い。オーケストラの舞台のみならず、客席や舞台裏でトランペット奏者がファンファーレを鳴らして古代ローマ軍の行進を表すこの部分は、もっとも盛り上がるこの曲のクライマックスに相応しい内容となっている。指揮者や演奏団体によって、テンポが大きく異なるため、各CDで聞き比べるのも面白いかもしれない。また、その前の「ジャニコロの松」では、終盤にナイチンゲールの鳴き声が入る演出が施されている(もちろん、テープやCDなどの内部音源を使用している)。
ディズニー映画『ファンタジア2000』では、クジラの群れが空を飛ぶという全く新しいストーリーによって、IMAXシアターの巨大なスクリーンとサウンドに合わせて壮大なスケールで描かれた。これに伴い、東京ディズニーランドのアトラクション「ミッキーのフィルハーマジック」のQライン(待合室)では、タイミングが合えば「ボルゲーゼ荘の松」を聞くことが出来る(ファンタジア2000の音源を使用している)。
また、テレビ東京系列で大晦日のカウントダウンに行われる東急ジルベスターコンサート(年が明けた瞬間に演奏を終える)では、これまで「アッピア街道の松」が二度演奏されている。一方、吹奏楽コンクールでは知名度と人気の高さに反して、ローマ三部作の中でもっとも演奏される機会が少ないのが残念な限りである(レスピーギの作品で吹奏楽コンクールで人気なのは、もっぱら「ローマの祭り」とバレエ組曲「シバの女王ベルキス」である)。
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