第16代WBAミニマム級王者、第29代WBAライトフライ級王者(スーパー王者認定)、第41代WBCフライ級王者、第27代WBCスーパーフライ級王者。アマチュア戦績87戦全勝、プロ戦績48戦46勝2敗38KO。帝拳ジムがK2プロモーションと共同マネジメントをしており、日本のリングでも「ロマゴン」としておなじみ。愛称は「チョコラティート」
2015-2016年には、最も権威あるボクシング雑誌とされる「リング・マガジン」のパウンド・フォー・パウンド一位にもなっており、現役最高のボクサーの一人である。
概要
2007年11月3日、東京・後楽園ホールにて日本のリングでの初試合。WBA世界ミニマム級王者であった新井田豊に二度挑戦し苦戦させた、エルベルト・ゲボンをわずか1R、1分9秒でKOし、日本のファンに衝撃を与える。
2008年9月15日、パシフィコ横浜にて、七度防衛中のWBA世界ミニマム級王者、新井田豊に挑戦。ドクターストップによる4RTKOにてWBA世界ミニマム級王座を奪取する。約二年で三度防衛し、ライトフライ級の王座挑戦に伴い、2010年10月7日WBA世界ミニマム級王座を返上。
2010年10月24日、両国国技館にてWBA世界ライトフライ級暫定王座戦で、同級2位フランシスコ・ロサスと対戦。2R1分38秒でKO勝ち。2011年1月、正規王者であったファン・カルロス・レベコの王座返上に伴い、WBA世界ライトフライ級王座に認定され、暫定王者を認めないJBCの基準でも二階級制覇を達成したことになる。
2011年10月1日、アメリカ・ラスベガス、西岡利晃 vs ラファエル・マルケス戦の前座でWBA世界ライトフライ級12位のオマール・ソトと対戦。2回KO勝ちで3度目の防衛に成功。テレビアステカの解説を務めたフリオ・セサール・チャベスには「これぞリトル・アルゲリョ」と絶賛された。これでデビューから30連勝(25KO)となった。
2012年11月17日、カリフォルニア州ロサンゼルスのロサンゼルス・スポーツ・アリーナで、WBA世界ライトフライ級5位で後のWBA・WBO世界フライ級統一王者ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)と対戦し、12回3-0(118-110、116-112、116-112)の判定勝ちで5度目の防衛に成功。その後、11月下旬にWBAからスーパー王座認定される。
また、ミニマムからLフライの間は、王座挑戦や統一戦どころか、あまりの強さに防衛戦も組めない事態になっているとも言われ、王座を保持しながらノンタイトル戦も何戦か挟んでいる。
ゴンサレスとの対戦拒否で最も有名なのは井岡一翔とのWBA王座統一戦で、2012年12月31日に同級2位であった井岡が同級5位ホセ・ロドリゲスと闘ったLフライ級王座決定戦は、ゴンサレスのスーパー王座格上げに伴い起き、試合前からこの決定戦の勝者が90日以内にゴンサレスと対戦することが義務付けられていたにも関わらず、五位との決定戦に勝利し表面上の二階級制覇を達成した井岡一翔との対戦は実現しなかった。これは井岡陣営とゴンサレス陣営が「当面、対戦しない合意」をしたからであると海外ボクシングマスコミに報じられており、井岡陣営が対戦延期に支払った代金は12万5千ドルであったと報じられている。
フライ級時代
2014年9月5日、国立代々木体育館にて、WBC世界フライ級王者八重樫東(大橋)と指名挑戦者として対戦。王者として元WBCライトフライ級王座十度防衛のエドガル・ソーサやオスカル・ブランケットなどの実力者を退けていた八重樫東を完膚無きまでに粉砕し、9R2分24秒TKOでWBC世界フライ級王座を獲得。三階級制覇を達成。
2014年11月22日、同級6位のロッキー・フェンテスと対戦し、6R2分21秒KOで初防衛に成功。
2015年5月16日、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムにて元WBC世界ライトフライ級王者で2位のエドガル・ソーサと対戦。ゲンナジー・ゴロフキンの前座という形ではあるが、三年振りのアメリカでの試合で、HBOでのデビュー戦にも関わらず、会場に湧くニカラグア人への歓声は凄まじいものがあった。試合はソーサを三度倒し、2回2分37秒TKO勝ちで2度目の防衛に成功する。試合後のリング上で「日本のモンスター、井上との対戦は視野に入っているか?」と聞かれ、「帝拳プロモーションの判断に任せる、HBOもオファーしてくれ」と語った。尚、軽量級の人気が低いと言われるアメリカ、HBOがフライ級の試合を放送したのは1995年4月22日のダニー・ロメロvsフランシスコ・テヘドール以来20年ぶりであり、試合を中継したHBOの平均視聴者数は96万人だった。
2015年8月、フロイド・メイウェザーが正式に引退を発表したことにより、リングマガジンPFPランクの1位にランクされる。
2015年10月17日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにてゲンナジー・ゴロフキンVSデイビッド・レミューの前座で、元世界2階級制覇王者で前WBA・WBO世界フライ級王者のブライアン・ビロリア(アメリカ)と対戦し、調子万全のビロリアを寄せ付けず、9回2分43秒TKO勝ちを収め3度目の防衛に成功した。
2016年4月23日、ザ・フォーラムにてマックウィリアムス・アローヨ(プエルトリコ)と対戦。後頭部に円形脱毛症があり、顔に疲労感が浮かび本調子には見えなかったが、アマチュア世界王者に対し技術の差を見せつけ3-0(120-108、119-109、119-109)のユナニマスデシジョンでアローヨを下し、4度目の防衛に成功。試合後にSフライ級への転向を問われ「まだフライ級に留まるつもりだ」と返答していた。
Sフライ級時代
その後、WBC世界Sフライ級王者であるカルロス・クアドラスへの挑戦が電撃的に決定。王座を6度防衛中の無敗王者にPFP1位が挑む軽量級のビッグマッチは2016年9月10日にアメリカのザ・フォーラムで行われ、体格差とアウトボクシングに苦しめられるも3-0(116-112、115-113、117-111)のユナニマスデシジョンでクアドラスを下し王座を奪取、四階級制覇を達成した。
初防衛戦の相手はクアドラスとのダイレクトリマッチが有力と言われたが、最終的にはWBCの指名試合として同級2位で元WBC同級王者のシーサケット・ソー・ルヴィンサイとの対戦がニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンにてゲンナジー・ゴロフキンVSダニエル・ジェイコブスのアンダーカードとして2017年3月18日に行われ、前戦同様に体格差に加えバッティングを受けるなど終始苦しみ0-2(112-114、112-114、113-113)の判定負けを喫し初防衛に失敗、プロ初黒星を喫した。なおこの試合の勝者は同級1位のクアドラスとの指名戦を受ける形となっている。
2017年9月9日、スタブハブ・センターのメインにて自身から王座を奪ったWBC世界Sフライ級王者のシーサケット・ソー・ルヴィンサイとのダイレクトリマッチを行ったが、より攻撃的に出たシーサケットのパワーの前になすすべなく、4Rに強烈な左フックを浴びてそのまま失神、キャリア初のKO負けという惨敗を喫した。この試合の勝者となったシーサケットはアンダーカードで行われた指名挑戦者決定戦で激戦の末に元王者のクアドラスを退け、指名挑戦権を得たことでフライ級に続く2階級制覇を狙うエストラーダの挑戦を受ける形となる。
今後のキャリアは……?
誰からも対戦を忌避される存在から、PFP1位になり、強豪であるほど対戦を望まれる存在になったゴンサレス。
ファンの間では、2012年にゴンサレスに負けたが、その後にWBA・WBOのフライ級の統一王者であったビロリアを下して王座を奪取したファン・フランシスコ・エストラーダとの再戦が期待されていたり、また2017年中には現WBOのSフライ級の世界王者である井上尚弥との対戦を望む声もあった。
しかし皮肉にもビッグマッチを求めてSフライ級に転向したことで適正階級を完全に超えてしまい、フライ級時代までは圧倒的な強さを誇ったロマゴンも、体格が合わないことによるパワー不足が露呈し始めたことで、完璧だったボクシングスタイルも崩れてしまう。
転級初戦こそ何とか勝利して四階級制覇は達成したものの、初防衛戦・ダイレクトリマッチとシーサケットに連敗を喫したことでPFPのランキングからも陥落、築き上げてきた軽量級最強という称号も手放すことになってしまった。
ロマゴン自身は既に対戦して勝利しているクアドラスやエストラーダとの再戦よりは井上との対戦のほうに関心があるとも伝えられていたが、上述どおりシーサケットに連敗を喫したことで強豪との対戦プランは完全に消滅。それでも明らかに適正階級でないSフライから階級を下げずに現役を続ける意向を示しており、今後はWBA世界Sフライ級王者であるカリド・ヤファイに挑むのではないかと噂されている。
関連動画
関連項目
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