ローマとは次のような意味を指す。
- 1. ローマ:イタリアの首都。本記事にて記述
- 2. ローマ:イタリア・セリエAのサッカーチーム。→ASローマを参照
- 3. ローマ:旧イタリア海軍の戦艦でヴィットリオ・ヴェネト級4番艦。
- 4. ローマ:3を元にした艦これの艦娘。→ローマ(艦これ)を参照
ローマとは、現在のイタリアの首都であり、イタリアのローマ県の県都である。またヴァチカン市国の所在地でもある。
概要
世界史、宗教、サッカー、その他ヨーロッパ関連を少しでもかじった者であれば、必ずその名を知ることになるであろう世界的に有名な都市。コロッセオやトレヴィの泉など、そのたぐいまれなる美しさから、「永遠の都」と称される。世界遺産の圧倒的な多さは有名で、場所によっては歴史のテーマパークと称されるほど。
スポーツはサッカーが大変人気のようで、1960年にはオリンピックが開催された。ラグビーも人気があるみたいだが、その成績はあまり芳しくない。
経済的にみると、都市のGDPは1440億ドル(世界第43位)。イタリア内の金融においてはミラノに次ぐ第2位であり、世界規模でみると第48位。内、大半は観光による収益で成り立っている。
北西部にはキリスト教カトリック教会の総本山、ヴァチカン市国が存在する。このためローマには毎年10万人ほどの巡礼者が訪れるので、ヴァチカン周辺は夏になるとひたすらに蒸し暑い。
ローマはヴァチカンとは宗教的にも歴史的にも深い関係にあり、現在は互いの存在を認め合っている。
歴史
古くは、古代ギリシャと並ぶヨーロッパ文化の源泉である、ローマ帝国の都であった。「ローマの平和」とされる1世紀から2世紀ごろには、人口が100万人に達し、都市開発も進展した。この点においては、よく暴君といわれるネロ帝が尽力し、火災の後に区画の整備を行い、今日まで残るローマの世界遺産の礎を築いた。
- 395年、ローマ帝国が東西に二分。ローマは西ローマ帝国の側に。
- 5世紀、ゴート人やヴァンダル人の侵入。
- 476年、西ローマ帝国滅亡。ローマは帝国を滅ぼしたオドアケル、次いで東ゴートの傘下に。
- 6世紀中ごろ、東ローマ帝国の領土に。再びローマ帝国の領土となる。
このように諸々の国家の奪い合いの後、 カール大帝の援助により、ローマはローマ教皇領となり繁栄を取り戻す。そして独自のローマカトリック文化を徐々に開花させ、飛んで15世紀半ばから、ローマはルネサンス文化の中心となる。15世紀末にはフィレンツェを超える一大文化都市となり、ミケランジェロやラファエロらがローマ教皇の為に傑作を輩出。そして16世紀の末には、あのサン・ピエトロ大聖堂の丸屋根が完成した。
それからも多くの芸術的財産を生み、18世紀には緩やかな平安を享受していたが、19世紀初頭に台頭したナポレオンにより占領。貴重な美術品を多く盗まれたが、後にウィーン会議にて再びローマ教皇領となる。
- 19世紀中ごろ、第2帝政に入ったフランスにより占領。
- 1861年にイタリアの大部分が統一。
- 1871年、イタリア王国がローマを含むローマ教皇領を吸収・統合。
- 1929年2月11日、教皇の代理とムッソリーニ首相の下、ヴァチカン市国が成立。
また、ローマはローマ帝国の首都という経歴上、多くの国家に欲され、あるいは理想とされた。
東ローマ帝国は都コンスタンティノープル(現トルコのイスタンブル)を「第二のローマ」とした。神聖ローマ帝国は初期においてはローマを領土とし、手放した後もしばしば奪還のためにイタリアへ南下した(イタリア政策)。
その他、東ローマ帝国の後継と自称するロシア帝国においては、首都モスクワを「第三のローマ」と称した。この標語は現在になっても残り続けている。
余談
- ローマという名前の由来は明らかではない。語源については一般的に以下のような諸説がある。
- 「ロマン(roman)」という言葉の由来。ロマンとは、本来「ローマに関する~」を意味する俗ラテン語推定形ローマニケー(*romanice)から生まれた古フランス語ロマンツ(romanz)に由来し、「(正式な古典ラテン語ではない)俗語(で書かれた書籍)→通俗的な冒険小説」と意味が転じたもの。
- 東京都をはじめとした各国の首都や主要観光都市と姉妹都市関係にある。
- ルーマニアは「ローマ市民の国」という意味。ルーマニア人は血統的・文化的には現地トラキア系ダキア人とラテン系・ギリシア系ローマ人とスラブ人の混血だが、東欧諸国の中にあってロマンス系(ラテン語の子孫)のルーマニア語を話し、東方進出を進めた軍人皇帝・カラカラ帝より与えられたローマ市民権を誇りとしてきた。
- 嘘つきの手を切り落とすことで有名な「真実の口」は、古代ローマの下水溝のマンホールだった。映画『ローマの休日』でジョーが手が切られた振りでアン王女をからかう場面は、ジョー役のグレゴリー・ペックと監督ウィリアム・ワイラーによる仕込みで、当時新人であったアン役のオードリー・ヘップバーンから本気の驚きの演技を引き出した。
- その「ローマの休日」という言葉は「パンと見世物を要求」したとされる古代ローマ末期の市民たちの享楽的な様子から「暴力・差別・苦痛などの要素をもつ、衆目にさらされた見世物」というのが一般的な意味。映画の題名は文字通りの意味とのダブル・ミーニングになっており、観客たちは始めは王女のスキャンダルを期待させられて観ることになるのだが実は・・・・・・というミスリーディングを伴う仕掛けになっている。
- 「恋のキューピッド」の元ネタであるクピードー(Cupido)はローマ神話から。ギリシャ神話のエロース(エロス、エロティックの語源)に対応し、いずれも「愛欲」を意味する。
- 第二次世界大戦直前には柱の男たちが2000年の眠りから目覚めた。
- 2001年にはマフィアのスタンド使いが内部抗争を繰り広げた。
関連動画
関連項目
- イタリア
- ラツィオ
- ヴァチカン市国
- セリエA
- 古代ローマ
- カエサル
- ローマ帝国
- ムッソリーニ
- ロマン
- ローマの休日
- ローマオリンピック
- ジョジョの奇妙な冒険
- ロムルス(Fate/Grand Order)
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