ワイオミング事件( - じけん、英: Wyoming Incident)とは、電波ジャック事例の一つとされていた事件である。
概要
英語での名称に従ってワイオミング・インシデントとも称され、名前の通りアメリカのワイオミング州にて発生したとされる。具体的な発生時刻や実行者、ジャックされた局などについては不明であり、インターネット上で"発生時の映像"とされる映像のみが流布している。
ニュース映像と思われる映像がホワイトノイズに消え、代わりに「333-333-333 We Present A SPECIAL PRESENTATION」と書かれたモノクロの映像が出現する。しばし後に意味不明なメッセージが大映しになり、男性の頭部や顔面の映像が(比較的短い時間)映って、再び「333-333-333~」に戻る、という内容が約6分間に渡って続いている。
電波ジャックという異常状態に加え、全編がモノクロ映像であることや、映し出されるメッセージの意図が不明であること、何より生物感のないアニメーション映像から、映像は前衛的であり、強い不気味さを感じさせられる。
内容の概略
便宜上、タイムラインは最初の「333-333-333~」から切り替わった瞬間を0秒として扱っている。
時間 | 種別 | 内容 |
---|---|---|
- | - | ニュース映像がホワイトノイズに消える |
- | 333-333-333 | 333-333-333 We Present A SPECIAL PRESENTATION 「特別なプレゼンテーションをお送りします」 (以降、333-333-333…は全て同じ内容) |
0:00 | 文字列 | YOU WILL SEE SUCH PRETTY THINGS 「これからとても見事なものをお見せしましょう」 |
0:21 | アニメーション | 男性の顔面左半分の映像 |
0:24 | アニメーション | 男性の頭部の正面像 |
0:27 | 333-333-333 | |
0:48 | 文字列 | WHY DO YOU HATE? 「なぜ嫌うのですか」 |
1:07 | アニメーション | 男性の顔面の映像 |
1:07 | アニメーション | 男性の頭部の正面像、周囲に同じ絵が縮小されて次々と表示される |
1:09 | 文字列 | YOU ARE ILL 「あなたは病気です」 |
1:11 | 文字列 | WE JUST WANT TO FIX YOU 「私達はただあなたを治したいのです」 |
1:12 | 333-333-333 | |
1:33 | 文字列 | WHAT HIDES IN YOUR MIND? 「あなたの心の中に隠れているものは何ですか」 |
1:42 | アニメーション | 男性の頭部、後頭部から回転して正面を向く |
1:45 | アニメーション | 男性の顔面の映像 |
1:47 | 文字列 | WE HAVE ALREADY SEEN IT 「我々には既にそれが分かります」 |
2:02 | 333-333-333 | |
2:23 | 文字列 | YOU CAN LOSE EVERYTHING 「あなたは全てを失うかもしれません」 |
2:33 | - | (映像はそのままだが、一瞬ノイズが乗る) |
2:42 | アニメーション | 画面左右に男性の頭部、右側だけがフェードアウトする |
2:45 | アニメーション | 男性の顔面の映像 |
2:45 | 文字列 | NOTHING IS PRICELESS 「何も貴重ではありません」 |
2:50 | 333-333-333 | |
3:09 | 文字列 | YOU CANNOT HIDE FOREVER 「永遠に隠れることはできません」 |
3:29 | アニメーション | 男性の顔面の映像、口が動いた後ズームアウトして男性の頭部の映像になり、再度アップになる |
3:36 | 文字列 | WE STAND AT THE DOOR 「私達はそのドアの前に立っています」 |
3:41 | 333-333-333 | |
3:52 | 文字列 | YOU ARE LOST ON THE PATH 「あなたは道に迷っているのです」 |
4:21 | アニメーション | 男性の顔面の映像、アングルが時折変わる |
4:28 | 文字列 | YOU ARE LOST ON THE PATH(再度) |
4:31 | 333-333-333 | これ以降、文字列は最後までこれまでのものとアスペクト比が異なる |
4:52 | 文字列 | THERE IS TRUTH IN FICTION 「真実は虚構の中にあるのです」 |
5:13 | アニメーション | 男性の頭部の映像、ゆっくりと左に回転する |
5:18 | アニメーション | 男性の顔面の映像、ゆっくりとズームアウトする |
5:21 | 文字列 | ALL GOOD THINGS 「すべての良いものが」 |
5:26 | - | (映像はそのままだが、一瞬ノイズが乗る) |
5:27 | - | 映像がノイズに消え、元のニュース映像に戻る |
映像の意図
実行者や犯行声明が不明であるため、映像についての意義、意図は全くの不明である。
しかしながら、上記タイムラインを追っていくと、この映像の、少なくとも文字列については、視聴者に何らかの心理的覚醒を促そうとしているように読み取れる内容になっている。映像制作者は何らかの衝撃的な事実を見聞きしており、それらを婉曲的に知らしめることが目的であるように見える。
映像の真偽
このようにインターネット上では有名であるワイオミング事件であるが、その一方で映像"以外"の部分には謎が多い。特に以下の部分は、本映像についての異議としてよく唱えられるものである。
- インターネット上で流布している映像の画質が高すぎる。
- 本来の放送から切り替わる際の切り替わり方が綺麗すぎるという指摘がある。電波障害による画面の乱れが全くなく、編集ソフトで映像を挿入しただけのような演出になっている。
- この2点については、同様に意図の不明、かつ映像がよく残っているマックス・ヘッドルーム事件の映像などと比較するとわかりやすい。
- いつ、どこの局の、何という番組がジャックされたのかという、実在を証明するための情報がまったく存在しない。映像の知名度から鑑みて、これらの情報が皆無であることはあり得ない。
これらの指摘もあり、現在ではこれはフェイクであり、事件そのものが存在しない、とする説が有力になっている(作者がネタバレしました)。
関連動画
人によっては心理的に影響の強い映像となるため、閲覧の際には注意が必要となる可能性がある。
関連項目
- 電波ジャック
- 正岡子規 - アニメーションで映し出される男性が似ているとよく言われる。
- 久々にワロタ(ハイドリッヒ・ラング) - アニメーションで映し出される男性が似ているとよく言われる。
- マックス・ヘッドルーム事件 - 実際にあった事件。かつ未解決。
- 事件・事故の一覧
- This Man - 「不気味な実話として流布された話だが、実はフェイク」という別の例。
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