ワタリガラス(Raven; Corvus corax)とは、スズメ目カラス科に分類される鳥類である。
概要
全長60-65cmとカラス科最大種(スズメ目ではコトドリに次いで大きい)で、ユーラシア中部・北部のほぼ全域と北米大陸の南西部を除く全域、および北アフリカの一部に亙って分布する。渡り鳥として日本でも北海道に飛来し、近年エゾシカの捕獲数増加と共に観察記録数が増えてきている。
他のカラス科動物同様知能に優れ、社会性も高い。狩りを集団で行い、メンバー間の序列関係に従った行動をとる事で知られる。鳴き声は他のカラスよりも多様である。
元々森林性の動物であったが近代化と共に都市部に生息域を広げたハシブトガラス等とは違い、山間の地域や郊外での居住を好む。
神話・伝説におけるワタリガラス
・クリンギットインディアンの言伝えではワタリガラスが森を創ったという伝説がある。
・北欧神話ではアース神族の盟主オーディンに付添うフギン(Huginn)とムニン(Muninn)という二羽のワタリガラスがいる。
・ケルト神話ではバズヴ、ヴァハ、ネヴァンの三位一体の女神であるモリガンの化身とされる。
・いつかイギリスを救いに舞い戻るアーサー王の化身とされ、「ロンドン塔からワタリガラスがいなくなるとイギリスは滅びる」という伝説が遺されている。そのためロンドン塔内では6羽のワタリガラスが飼育されている。ロンドン塔衛兵にはカラス飼育係「レイヴンマスター」という役職がある。
関連動画
関連静画
関連項目
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