ワンナイト人狼とは、カードゲームの一種である。『汝は人狼なりや?』を手軽にプレイ出来る内容になっている。
概要
オオカミさん制作。オオカミさんは実はニコニコ運営のメガネ(奥井晶久)だということが2013年3月7日に行われたニコニコ超会議2発表会で明かされた。
あの人狼をたった3人から、短時間で遊べて、それでいてちゃんと人狼できちゃうゲームにリニューアル。人狼初心者はもちろん、人狼大好きな人まで、幅広く遊べます!
アナログゲームの祭典である、ゲームマーケット2012秋にて初出。アナログゲームの実況シリーズ「あなろぐ部」でプレイされたことで知名度が上がり、更にニコニコ生放送でも使えるシステムが作られた。公式のオンラインアプリも発表されていた(後述、現在はサービス終了)。
ルール
プレイヤー人数は3人から7人まで。
プレイヤーは村人・占い師・怪盗・人狼の4種類のカードを引く。プレイヤーが5人以下の場合は、カードは人数より2枚多く用意される。6人以上の場合は8枚すべて使用。誰にも引かれず残ったカード(通常は2枚)は中央に伏せられる。
夜のターンで全員顔を伏せ、占い師→人狼→怪盗の順に、後述の特殊能力を実行する。
自分以外のカードは特殊能力持ちしかわからないため、昼のターンでは相手のカードが何かを推理しながら発言し、各カードの勝利条件に基づいて行動する。
プレイヤーの討論時間が終わったら、各自が指をさして処刑したい人を指名し、最多得票者が処刑される。2人以上が最多票で並んだ場合は、すべての最多得票者を処刑。また、全員の指名がバラバラの場合は処刑無しとなり、後述の「平和な村」の判定を仰ぐ。
1匹でも人狼を処刑できれば村人チームの勝利。人狼を処刑できなければ人狼チームの勝利となる。
他の人狼ゲームと違いワンナイト(1ターン)で終わるのが特徴。
詳細なルールは、ニコニ・コモンズに登録されているので、そちらを参照のこと。
基本の役職
以下のカードセットを、本記事では「基本版」と呼ぶこととする。枚数はセットに含まれる枚数を指し、プレイ人数によっては各役職の枚数は調整されることに留意されたい(他のバージョンでも同様)。
また、陣営はバージョンによって「人間」「村」「狼」と表記されている場合があるが、本記事では「村人」「人狼」で統一する。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
村人 | 村人 | 4 | 何の能力も持たない。人狼を処刑するのが勝利条件。 村人が真実を判断できるか否かが、村の運命を握っている。 |
占い師 | 村人 | 1 | 誰か一人のカードか、中央に伏せた2枚のカードを見ることが出来る。 人狼の占い師騙りもあるため、如何にして他のプレイヤーの信用を得るかが鍵。 |
怪盗 | 村人 | 1 | 自分と誰か一人のカードを入れ替える。望むなら入れ替えなくてもいいことに注意。 怪盗は交換後の役職を知ることができるが、交換相手は怪盗に入れ替えられたことは分からない。 入れ替えた相手が人狼の場合は、その瞬間から人狼チームになるトリッキーな役職。 交換された元・人狼は(その事実に気づかないまま)村人チームになり、悲喜劇が巻き起こることになる。 |
人狼 | 人狼 | 2 | 自分が処刑されず、他のプレイヤーを騙して生き残るのが勝利条件。 夜のターンでは、仲間の人狼が誰か、あるいは一匹狼かを確認できる。 仲間の人狼がいる場合は協力プレイで。どちらが処刑されても負けとなってしまう。 |
- なお、人狼が2枚とも中央に伏せられ、人狼チームが存在しない「平和な村」となることもある。
その場合には、投票を全員バラバラにすることで処刑を行わなければ、全員勝利となる。
「平和な村」なのに誰かを処刑してしまったら、全員敗北。
もちろん、人狼が平和な村の可能性をそそのかし、処刑が行われなければ・・・お察しください。
ハロウィンナイト人狼
ゲームマーケット2013秋で初出の限定版。以降も、シーズンテーマ版として販売された。
骸骨村に紛れ込んだ狼男を退治する、という設定になっており、役職の名称が異なる。
夜のターンの行動順は、魔女→狼男→吸血鬼。実質、基本版と同じである。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
骸骨 | 村人 | 3 | 基本版の村人と同じ。 |
魔女 | 村人 | 1 | 基本版の占い師と同じ。 |
吸血鬼 | 村人 | 1 | 基本版の怪盗と同じ。 |
狼男 | 人狼 | 2 | 基本版の人狼と同じ。 |
吊人 | 吊人 | 1 | 村人、人狼チームのどちらにも属さない第3のチーム。 吊るされる(処刑される)事が勝利条件。 他の処刑者がいても、吊人が処刑されていたら、吊人の一人勝ちである。 如何に人狼のように振る舞うのかが鍵である。(プレイヤー5人以上の場合推奨) |
ワンナイト人狼 超人Ver.
人狼退治に名だたる超人たちが立ち上がった、という設定になっており、役職の名称が異なる。普通の村人が存在しないのも特徴。
プラスチック製の初版と紙製の第2版では、役職の構成枚数が異なっている。
夜のターンの行動順は、人狼&CIA→超能力者→忍者。基本版と異なり、超能力者は人狼の後のターンとなる。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
狩人 | 村人 | 1 | 初版のみの役職。 特殊能力はないが、処刑された場合は誰か一人を指名し、道連れに処刑できる。 それが人狼なら村人チームの勝利。(プレイヤー6人以上の場合推奨) |
超能力者 (PSY) |
村人 | 1 | 基本版の占い師と同じ。 |
忍者 | 村人 | 1 | 基本版の怪盗と同じ。 |
CIA | 村人 | 2 | 潜入調査として、夜の人狼のターン時に一緒に目を覚ます。 人狼候補を絞り(相方のCIAには注意)、彼らを翻弄できるが、自分がCIAであることをバラしてはいけない。 超能力者や忍者に成りすまし、人狼の正体を伝えようとすることは認められている。 |
人狼 | 人狼 | 2 | 基本版と同じ。 |
狂人 | 人狼 | 1 | 特殊能力はないが、人狼の勝利(人狼が処刑されない)が自分の勝利となる。 誰が人狼かは分からないが、自分が処刑されても負けるわけでないので、いかに場を掻き回せるかが鍵。 人狼がいない「平和な村」だった場合は、普通の村人と同じ扱いになる(=処刑してはいけない)。 |
ワンナイト人狼 モンスターVer.
村人を食べ続けた結果"大狼(おおおおかみ)"に進化した人狼と、わずかに残った村人&それに加勢するモンスターの戦い、という設定になっており、役職の名称が異なる。このバージョンも普通の村人が存在しない。
プレイヤー人数が3人から5人までになっていること、中央に伏せるカードを"墓地"と呼ぶこと、ゾンビを投入する場合は墓地のカードが3枚になること、一時的にカードがゲームから除外される場合があること、など当バージョンならではの要素が多くなっている。
夜のターンの行動順は、GJハンター→魔女→大狼→ゾンビ→吸血鬼。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
GJ ハンター |
村人 | 1 | 夜のターンの最初に、墓地のカードから1枚を選び、表を見ないでゲームから除外する(どこかに隠す)。 人狼チームが勝利したとき、GJハンターが処刑されなかった場合は、この隠したカードの正体を確認する。 それが大狼だった場合は、大狼をしとめていた(グッジョブ)ということで、村人チームの逆転勝利となる。 |
魔女 (魔女っこ) |
村人 | 1 | 基本版の占い師の役職だが、見ることができるのは誰か一人のカードのみで、墓地のカードは確認できない。 |
吸血鬼 | 村人 | 1 | 基本版の怪盗の役職で、こちらは魔女とは逆に、墓地のカードとの交換も可能となっている。 墓地のカードと交換して、それがゾンビだった場合は、引いたゾンビをゲーム外に隠し、カードは吸血鬼に戻す。 オオカミさん曰く「ゾンビの身体と交換したせいで腐っていくので、慌てて元の身体を取り戻す」ということらしい。 |
大狼 | 人狼 | 2 | 基本版の人狼と同様に、夜のターンで仲間を確認できる。さらに、墓地にあるカードをすべて確認できる。 |
吊人 | 吊人 | 2 | ハロウィンナイト人狼と同じ。 吊人が2人いた場合は、どちらが処刑されても吊人チームの勝利となる。 |
ゾンビ | ? | 1 | このカードが配られた時点では、どのチームにも属していない。 墓地のカード1枚を取り(新しい身体を手に入れる)、そのカードのチームに所属することになる。 その後、ゾンビのカードはゲーム外に隠す。 入手後のカードがGJハンター、魔女、吸血鬼、大狼の場合は、直ちにその特殊能力を実行できる。 |
- GJハンターの補足として、吊人チーム勝利の場合はそこで終了し、グッジョブは発生しない。
また、GJハンターが除外したカードが吊人であっても、吊人が撃たれ死ぬ=吊人チーム勝利、ということにはならない。 - 大狼がいない「平和な村」の場合は、吊人の投票が無効となり、その結果2票以上の得票者がいなければ村人チームの勝利となる。
- 魔女っこは第2版からの名称。役割としては魔女と変わらない。
ワンナイト妖怪
ゲームマーケット2015秋でベータ版が初出、ゲームマーケット2016春に正式版が公開されたバージョン。
村人の敵が人狼ではなく妖怪になっているため、このバージョンのみ、村人の敵対陣営を「妖怪」と表記する。
妖怪側にも、占い師や怪盗のような能力を持つ役職があるのが特徴。
夜のターンの行動順は、妖怪(仲間の妖怪を確認)→陰陽師&てんぐ→五右衛門&ぬらりひょん。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
村人 | 村人 | 1 | 基本版と同じ。 |
早起き | 村人 | 1 | 村人と同じだが、初期手札で早起きを引いたプレイヤーは、朝が来たら(昼のターンになったら)いつでも自分のカードを確認できる。 |
陰陽師 | 村人 | 1 | 基本版の占い師と同じ。もし確認したカードの中に豆腐小僧があった場合は、その豆腐小僧のカードを表向きにする。 |
五右衛門 | 村人 | 1 | 基本版の怪盗のような役職。自分のカードと"自分の右側または左側のプレイヤーのカード"を交換した後、さらに自分のカードと"先ほどとは逆サイドのプレイヤーのカード"を交換する。内容を確認できるのは、最後に自分が所持するカードのみ。 怪盗のように、カードを交換しないことは認められるが、右側だけ、あるいは左側だけのプレイヤーとのカード交換はできない。 |
てんぐ | 妖怪 | 1 | 妖怪チームの占い師。仲間の妖怪を確認した後、今回のプレイヤーの中に陰陽師がいないと思ったら、陰陽師のターンに占い師と同じようにカードを見ることができる。 陰陽師と鉢合わせした場合は、先に陰陽師が行動し、眠りにつく(顔を伏せる)。その後、てんぐが行動する。 |
ぬらりひょん | 妖怪 | 1 | 妖怪チームの怪盗のような役職。仲間の妖怪を確認した後、今回のプレイヤーの中に五右衛門がいないと思ったら、五右衛門のターンに中央のカードを1枚選び、もうひとりプレイヤーがいるかのように、選んだカードを配置する。その後、選んだカードと自分を含めた誰かのカードを交換する(強制)。自分と交換した場合でも、カードの内容は確認できない。 五右衛門と鉢合わせした場合は、先に五右衛門が行動し、眠りにつく。その後、ぬらりひょんが行動する。 |
豆腐小僧 | 妖怪 (→ 村人) |
2 | 仲間の妖怪を確認できる。ただし、陰陽師に自分のカードを見られた(カードを表向きにされた)場合は、豆腐が取り上げられてしまったということで、ただの小僧、つまり村人チームに変化する。 村人になった場合は、妖怪のターンで確認した元・仲間が誰だったかをバラしても構わない。 |
ホーリーナイト人狼
ゲームマーケット2017秋で初出の限定版。ハロウィンナイト人狼以来となるシーズンテーマ版。
プレゼントを盗んだ雪だるまを退治する、という設定になっており、役職の名称が異なる。
夜のターンの行動順は、サンタ→雪だるま→トナカイ。実質、基本版と同じである。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
ようせい | 村人 | 3 | 基本版の村人と同じ。妖精。 |
サンタ | 村人 | 1 | 基本版の占い師と同じ。 |
トナカイ | 村人 | 1 | 基本版の怪盗と同じ。 |
雪だるま | 人狼 | 2 | 基本版の人狼と同じ。雪だるまに成りすました人狼。 |
しょうがぱんこぞう | 人狼 | 1 | 超人Ver.の狂人と同じ。 クリスマスツリーの飾りつけに使われる、子供の形をしたジンジャークッキーのこと。 |
ワンナイト人狼 狂気Ver.
クトゥルフ神話をモチーフとしており、封印を解かれた旧支配者に立ち向かう探索者たち、という「人間」対「非人間」の戦いとなっている。
旧支配者によってもたらされる「狂気カード」の存在が最大の特徴。このカードによりプレイヤーたちは狂気にまみれ、議論の場はカオスの極みとなる。
夜のターンの行動順は、旧支配者→狂信者→夢見る人→這いよる混沌。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
探索者 | 人間 | 3 | 基本版の村人と同じ。 |
夢見る人 | 人間 | 1 | 基本版の占い師と同じ。 |
這いよる混沌 | 人間 | 1 | 基本版の怪盗と同じ。ニャルラトホテプは、今回は戯れに人間の味方をしている…が、あっさりと寝返る場合も。また、狂気カードが目の前に置かれていた場合は、1枚他人の前に移動させることができる。 |
旧支配者 | 非人間 | 2 | 基本版の人狼と同じ。カードの図柄はクトゥルフとハスター。さらに、(プレイ人数-1)枚まで狂気カードを引き(引かなくてもよい)、各プレイヤーの前に置くことができる。自分の前に置いてもよい。 |
狂信者 | 非人間 | 1 | 超人Ver.の狂人と同じ。さらに、1枚狂気カードを引き(引かなくてもよい)、自分を含んだ誰かの前に置くことができる。 |
- 狂気カードを置けるのは、1人の前には2枚まで。各プレイヤーは議論の前に狂気カードの内容を確認し、議論中はその内容を実行しなくてはならない。
- 狂気カードの内容は、「役職名を言えない」「事実に反することしか言えない」といった議論に大きなハンデを負わされるものから、「『窓に!窓に!』と言い続ける」「白目を剥きながら発言する」といった狂気プレイを強いられるものまで様々。
役職のミックス
ハロウィンナイト人狼、ホーリーナイト人狼以外は、カードの裏のデザインが統一されているため、カードを混ぜ合わせて遊ぶことも出来る。基本版に吊人や狂人を取り入れてみたり、役職だらけのカオス村を作ってみたりなど、プレイの幅が広がる。(が、掲示板情報によれば印刷が悪い製品も混ざっているとのことなので、その場合はスリーブを使うなどの工夫が必要となる)
公式Facebookに記載された、モンスターVer.までの役職をミックスした場合の夜のターンの行動順は以下の通り。同列に記した役職は同時に行動できるが、あえて別々に行動するルールにしてもよい。怪盗、忍者、吸血鬼を別行動にすると、カード交換が複雑になるが、その際には怪盗(忍者)と吸血鬼の交換もありえるため、吸血鬼が最初に行動する、あるいは吸血鬼は墓場のカードと交換できないようにするなど、ルールを事前に決めておいたほうがよいだろう。
1、GJハンター(モンスター)
2、占い師(基本)、魔女(モンスター)
3、人狼(基本・超人)、CIA(超人)、大狼(モンスター)
4、ゾンビ(モンスター)
5、超能力者(超人)
6、怪盗(基本)、忍者(超人)、吸血鬼(モンスター)
その他のバージョン
有志により、ワンナイト人狼をPCやスマホで楽しめるバージョンが作成されたり、
海外では「ONE NIGHT ULTIMATE WEREWORF(究極のワンナイト人狼)」というタイトルで、様々な役職を追加したバージョンが発売されていたりする。
週刊少年ジャンプの2014年4・5合併号では、当時連載されていた『暗殺教室』とワンナイト人狼がコラボした「サバイバル暗殺ゲーム」が付録についていた。また、トロなどの『どこでもいっしょ』のキャラクターや、マックスむらいを中心としたAppBankのメンバー、アニメ『ゆるキャン△』、スマホゲーム『ブレイブフロンティア』とコラボしたバージョンもある。
派生バージョンで採用されている、独自の役職の一部を紹介する。
役職名 | 陣営 | 枚数 | 説明 |
---|---|---|---|
警備員 | 村人 | 1 | 夜のターンの時、占い、人狼、怪盗の行動のうち、1つだけ盗み見ることができる。 |
ゴースト | 人狼 | 1 | 夜のターンの時、占い、人狼、怪盗の行動のうち、1つだけ盗み見ることができる。 |
フリーメイソン | 村人 | 2 | 夜のターンの時、相方を確認する。 一般的な人狼ゲームの「共有者」とほぼ同じ役職。 |
トラブルメーカー | 村人 | 1 | 夜のターンの時、自分以外の2人のカードを交換する。無交換でも可。 |
ワンナイト人狼オンライン
2014年10月30日、ワンナイト人狼公式初となるオンラインバージョン「ワンナイト人狼オンライン」がニコニコアプリでリリースされた。
http://app.nicovideo.jp/watch/ap301
村民たちのプレイのリプレイを公式サイトで観ることが可能。また、ワンナイト人狼チャンネルに入会することで、ゲームの中で「プレミアム村民」という特権階級になれた。
ワンナイト人狼 for iPhone
ゲームマーケット2015春にて、「ワンナイト人狼 for iPhone」が発表された。料金は無料。
iTunes「ワンナイト人狼 for iPhone」
3人から10人までのプレイに対応し、GM無しでワンナイト人狼が楽しめる。プレイできる役職は、村人、占い師、怪盗、人狼、吊人となっている。
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