"チームJAPAN”が捧げた祈りは天に届き
砂漠の国の夜空に歴史的な勝利の星が輝いた。
世界の大舞台に、日本の馬が君臨する。
競馬を愛する人たちが抱き続けてきた世界への夢が
この日、ついに叶った。
黄金世代のエースが点した希望の光が
日本の未来を明るく照らす。
ヴィクトワールピサ(英:Victoire Pisa、香:比薩勝駒)とは、2007年産まれの日本の競走馬である。
主な勝鞍
2009年:ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(GIII)
2010年:皐月賞(GI)、有馬記念(GI)、弥生賞(GII)
2011年:ドバイワールドカップ(G1)、中山記念(GII)
概要
父:ネオユニヴァース
母:*ホワイトウォーターアフェア (母父:Machiavellian)
半兄には、2005年の安田記念を6歳ながら勝ったアサクサデンエン、重賞馬スウィフトカレントなどがいる。
2009年10月25日の新馬戦でデビュー。この新馬戦では2着に負けてしまったが、この時の勝ち馬は後に朝日杯フューチュリティステークスやジャパンカップを勝ったローズキングダムだった。
その後は順調に未勝利→OP→重賞と勝利を重ね、2010年の皐月賞を制覇。ダービーでも1番人気に推されるが、直線での極限の瞬発力勝負に上手く対応できず、3着となる。
秋には、世界最高峰のレースの一つである凱旋門賞に挑戦。結果は7着に敗れてしまったが、3歳の馬で凱旋門賞を挑戦したという前例を作った(凱旋門賞は4歳以上になると斤量が重くなるため、3歳馬が勝ちやすいというレースと言われている)。
帰国初戦となった11月のジャパンカップでは、最後の直線でヨレるも、3着に健闘。そして12月末の有馬記念。向こう正面で早々と進出した積極策が功を奏し、後に年度代表馬に選ばれることになるブエナビスタの猛追をハナ差しのぎきって勝利を掴んだ。この年は3歳馬として唯一GⅠ2勝を挙げたことにより、最優秀3歳牡馬に選ばれる。
2011年は、海外遠征のための前哨戦として2月の中山記念から始動。レースでは最終コーナーから一気に進出して大外をぶん回した挙句、そのまま後続を突き放すという、これまでにない圧勝劇を披露。遠征に向けて弾みをつけた。
そして3月、世界最高峰のレースの一つであるドバイワールドカップに出走。しかしスタートは上手く行かず、序盤は最後方という思わぬ展開となってしまう。しかし、鞍上のデムーロ騎手がスローペースと気づくや、向こう正面から一気にマクりを仕掛ける。そして直線では先頭にいた日本馬トランセンドを交わし、共にそのまま粘り切ってワンツーフィニッシュ。
世界最高峰のレースで、日本馬が制したのは史上初。快挙を成し遂げた。
ドバイワールドカップ勝利後、陣営はクイーンエリザベス2世カップ、アイリッシュチャンピオンステークスを経て凱旋門賞に再挑戦するという世界規模の遠征計画を立ち上げるが、故障が相次ぎこれを断念。ジャパンカップへの出走と、それを最後に引退・種牡馬入りすることが表明された。しかし、ジャパンカップでは終始後方を追走したままの13着と大敗。雪辱を期し有馬記念に出走するも8着に終わり、その2日後に正式に引退が発表された。
ドバイワールドカップ勝利が評価され、2011年最優秀4歳以上牡馬に選出。それを手土産にする形で2012年1月15日、京都競馬場にて引退式が挙行され種牡馬入りした。
種牡馬としては初年度産駒のジュエラーが2016年桜花賞を優勝し、この年の種牡馬リーディング17位になっているが、6年で重賞級勝利馬が8頭(2020年12月22日現在)と、世界を制した馬にしては物足りないか。
……と思っていたら、2020年12月にトルコに輸出されることが発表された。かつてディヴァインライトが活躍し、現在はスマートロビンが頑張っている同国で、もう一花を咲かせることは出来るだろうか。
余談になるがメイダン競馬場内にはヴィクトワールピサの馬像が展示されている。
血統表
ネオユニヴァース 2000 鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ポインテッドパス 1984 栗毛 |
Kris | Sharpen Up | |
Double Sure | |||
Silken Way | Shantung | ||
Boulevard | |||
*ホワイトウォーターアフェア Whitewater Affair 1993 栗毛 FNo.8-d |
Machiavellian 1987 黒鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native |
Gold Digger | |||
Coup de Folie | Halo | ||
Raise the Standard | |||
Much Too Risky 1986 栗毛 |
Bustino | Busted | |
Ship Yard | |||
Short Rations | Lorenzaccio | ||
Short Commons | |||
競走馬の4代血統表 |
主な産駒
2013年産
2014年産
- コウソクストレート (牡 母メジロアリス 母父アドマイヤコジーン)
- 主な勝ち鞍 '17ファルコンステークス(GIII)
- ミッシングリンク (牝 母*エーソングフォー 母父More Than Ready)
- Warring States (牡 母チリエージェ 母父サクラバクシンオー)
2015年産
2016年産
- ウィクトーリア (牝 母ブラックエンブレム 母父*ウォーエンブレム)
- ブレイキングドーン (牡 母アグネスサクラ 母父*ホワイトマズル)
- 主な勝ち鞍 '19ラジオNIKKEI賞(GIII)
- レッドアネモス (牝 母マチカネハヤテ 母父サクラバクシンオー)
2018年産
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
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