ヴィネガー・ドッピオとは、ジョジョの奇妙な冒険Parte5「黄金の風」の登場人物である。
CV:宮本充(PS2『黄金の旋風』) / 石田彰(PS3『オールスターバトル』)/ 斉藤壮馬(TVアニメ)
ぼくの名はドッピオ
「覇気がない」という言葉がしっくりくる、気弱で優しい少年。しかしその正体はギャング組織「パッショーネ」のボス、ディアボロのもう一つの人格である。
ディアボロがマフィアのボスという地位を絶対的なものとするため、自らの姿形を秘匿すべく利用する別人格、それがヴィネガー・ドッピオであった。
人格が変わると体格まで別人のように変化するため、暗殺チームなど組織内の反乱分子もボスの正体を特定できず二の足を踏んでいた。
そもそも「ドッピオ」とはイタリア語で「ダブル」を意味する言葉で、読んで字のごとく二重人格を指しているわけである。
ドッピオ自身はボスの別人格だという自覚は全くなく、あくまでも"自分はボスの忠実なる腹心の部下"と思い込んでいる。
裏人格であるディアボロとは「電話」を介して一人芝居のような会話を行うが、この通話法はかなり特殊で、まずいきなりドッピオが「とうおるるるるるるるる」と着信音を声に出して「ボスから指令が届いた」と思い込み、電話でボスとの会話を始める。
「電話」というのは本物の電話ではなく、時には人形、時にはカエル、時にはアイスクリームなど付近にある手頃なサイズのものを擬似的な受話器として用いる。
その光景を見た周囲の者は不気味がるが、彼はそれらを本物の受話器と思い込んでいるため、意に介さない。
指令を受けたドッピオはボスのため、その人格のまま戦闘行為を行うこともある。その際はディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の能力の一部を“ボスから借り受けた力”として使用し戦う。
完全に独立した人格であるためか、「電話」からのボスの指示に反して自分が最善と思う行動を取ることもあるが、それもボスへの忠義ゆえである。
特筆すべきは「ドッピオ」は単なる別人格に留まらず独立した魂を持っていること。物語終盤、「ドッピオの魂の死」が明確に描写されており、それ以後「ドッピオ」の人格は二度と出てこなくなる。心優しき少年「ドッピオ」は、最期までボスの忠実な部下としてボスの勝利を確信し絶命した。
でも……さびしいよォォォォ………ボス
いつものように 電話ください…………
待ってます…… 電 話
人格の生い立ちについて
ヴィネガー・ドッピオとディアボロは肉体上は同一人物であるが、何時のタイミングでどちらが新たに出現したのかはファンの間で様々な憶測がある。
ドッピオが本来の人格で、後にディアボロの人格が生まれた説
育ての親である神父談では、彼の少年期の人物像は「臆病でどんくさいがさっぱりとした性格のヤツ」であり、ヴィネガー・ドッピオのそれに概ね当てはまる。
もともと内に秘めていた残虐性・凶悪性・支配欲などがのちに乖離し、ディアボロが生み出されたのではないか。ディアボロが過去の隠蔽に異常に固執する様は単なる保身の範疇を超えているようにも見え、昔の本来の人格に対するコンプレックスがないとも言い切れない。
また「多重人格者である自覚がない」というのは解離性同一性障害における主人格の特徴である。
ディアボロが本来の人格で、後にドッピオの人格を作り出した説
ディアボロが強く意識する「ボスの地位を脅かすものからの保身」という目的からするとドッピオの人格は隠れ蓑として最適であり、かつドッピオの外見がディアボロより遥かに若いため、率直に見ればドッピオが後に生み出された人格に思える。
作中描写では人格の切り替えはディアボロが支配権を有しており、ドッピオは徹頭徹尾ディアボロの都合で動かされているため、ディアボロが主人格なのではないか。
また原作の過去シーンでは、神父に育てられていた少年の名は「ディアボロ」だったとされている。
生まれつき2つの人格が存在していた説。
母親が主張する「2年の妊娠期間」は常人の倍であり、先天的に2つの魂が宿っていた事を示唆しているのかもしれない。
また少年期から周囲の評判とは裏腹に母親を床下に監禁するなど常軌を逸した凶行を働いていることから、幼少期から成人期へかけて2つの人格が出現頻度を変遷させながらずっと共存していたのではないか。
余談
- ドッピオがボスとの交信で用いていた「電話」は、「犬の人形」→「生きたカエル」→「タバコの吸い殻」→「アイスクリーム」→「おもちゃの電話」→「コードの切れた受話器」と後半になるにつれ本物に近づいており、ドッピオが最期にボスからの着信を願って息を引き取った際は「本物の携帯電話」に到達している。
- 名前のヴィネガー(Vinegar)は英語で「酢」を意味する。だがイタリア語ではヴィネガーではなくアチェート(Aceto)となるため、イタリア版ではヴィネガー・ドッピオではなく、アチェート・ドッピオ(Aceto Doppio)となる。
- 初対面でドッピオの二面性を見抜いた占い師は“「光と影」…!「表と裏」…!『二重の人格』この秘密があるかぎり…人の死がどんどんあなたを幸福にし…その栄華はすたれることがない…”と語っていたが、物語終盤ドッピオを喪失したディアボロは占いになぞらえた末路を辿ることになった。
各メディアにおけるヴィネガー・ドッピオ
PS2『黄金の旋風』
ドラマパートで登場。
声はディアボロ・ドッピオ共通で宮本充が担当しており、二役を見事に演じ分けている。
「とうおるるるる」は「Trrrrrrrrr」とリアルの着信音に近い発音だった。
PS3『オールスターバトル』
対戦ゲームの本作では、ディアボロの戦闘開始時及び勝利時デモでのみ登場する。
戦闘導入時には着信を受けたドッピオが漫画風コマ割り演出を挟みシームレスにボスへ変貌する見事な演出がなされている。
声はディアボロの森川智之に対して石田彰がドッピオを担当。
「とうおるるるる」は漫画の字面をそのまま再現したような発音でなされている。
(リアルな着信音バージョンも収録したがこちらを採用したらしい。)
フリーゲーム『ディアボロの大冒険』
ディアボロが主人公のこのゲームでは、アイテム「ドッピオのDISC」を使用するとドッピオと人格交代し、無害な少年に変身する事で敵が襲ってこなくなる。ドッピオになったディアボロはフロアの中をランダムに徘徊した後適当な頃合いで元に戻る。
TVアニメ
声はディアボロの小西克幸に対し斉藤壮馬が担当。
アニメでは原作のディアボロの生い立ちが肉付けされているが、そこでは二重人格が生来内包していた性質であったような描写がなされていた。
またドナテラとの出会いシーンは、前述の「臆病でどんくさい~」という特徴をやはりドッピオのようであると解釈してか、斉藤壮馬が担当。口調や態度もドッピオに準じている。
「とうおるるるる」は字面を再現しつつ着信音らしさも含んだ甲高い音声として発音されていた。
着信音以外の「がちゃり」「ぴぃぃ―ッ」「ぷつッ!!」などのSEも漏れなく発声されているため、これまでのボイス化に比べシュールさがかなり増している。
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関連項目
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