「ヴォルトロン」とは、次の意味がある。
- ヴォルトロン…海外のロボットアニメ「Voltron: Legendary Defender」の日本語版タイトル
- V-07-TR-0N…携帯ゲーム「ハースストーン」に登場するレジェンド・ミニオンカード
この記事では、1について記述する。
概要
「ヴォルトロン(Voltron: Legendary Defender)」とは、ドリームワークス・Netflixによって制作・配信されているロボットアニメである。2016年にアメリカ中心に十数国に配信され、日本では2017年から日本語版の配信が開始された。英語・ポルトガル語・日本語で翻訳・字幕が対応済みである。
1984年にアメリカに輸出されたアニメ「百獣王ゴライオン」「機甲艦隊ダイラガーXV」を同じ作品として一つに纏め、編集された長寿アニメ「Voltron: Defender of the Universe(和名:ボルトロン)」のリブート作品である。ボルトロンと呼ばれていたロボットは多数存在したが、その中でも特に人気があった「ライオン・フォース・ボルトロン(百獣王ゴライオン)」は幾度も再放送され、アメリカで絶大な人気を誇り、30年以上の月日の中で続編・リメイク・オモチャ・ゲーム作品が多数生まれていた。今作もそんな流れから誕生したアメリカのロボットアニメである。
原点のライオン・ボルトロンを踏襲した作りになっており、これまでの新作・リメイクとは違い日本的な演出・デザイン・ストーリーで展開している。また更に原点であるゴライオンの要素も多数盛り込まれている。アニメーション制作には韓国の会社が関わっており、古くから下請けとして培ってきた技術が存分に発揮されており、膨大な予算と優秀なスタッフにより日本人が見ても違和感を感じさせない画面作りに成功している。
ロボットアニメではあるが、パイロットである騎士5人による白兵戦が幾度も披露されており、日本の「スーパー戦隊シリーズ」の影響と思われる演出も多数見受けられる(むしろゴライオンがスーパー戦隊シリーズに数多の影響を与えた事を考えれば逆転的とも言える)。生身の2D戦闘・ロボットによる3D戦闘双方ともクオリティが非常に高い。
以前までは和名では「ボルトロン」という名前で知られていたが、公式に日本語翻訳版が発表・配信された際に「ヴォルトロン」に名前が改められた。
全78話(全8シーズン)にて完結。
ストーリー
何千年もの間、宇宙を統べ破壊をもたらした「ガルラ帝国」。その帝国に唯一対抗出来る100mを超えるアルテアの巨神「ヴォルトロン」は、ガルラ帝国と惑星アルテアの戦闘の際、未来に託したアルテア国王アルフォスによって5つのライオンに分けられ宇宙各地に封印された。ガルラ帝国の長「ザルコン皇帝」はヴォルトロンを手に入れるべく、封印された5つのライオンを一万年もの間捜索した。
月日が経ち太陽系第三惑星地球。ギャラクシー・ギャリソンの候補生であった「ランス」「ピッジ」「ハンク」の三人は、飛来した隕石を目撃。着地点に向かうとそれは隕石では無く脱出ポッドであり、一年前惑星探索で行方不明になったスタッフの一人「シロー」が捕らえられていた。これを助ける三人と、ギャラクシー・ギャリソンを追い出されても謎を追っていたエースパイロット「キース」は、シローを連れて逃亡した。
キースの隠れ家で情報を交換し合った五人は、「ヴォルトロン」というキーワードに導かれ、青いライオン型ロボットに出会う。ロボットに導かれるままに太陽系を飛び出し、惑星アルウスという星に到着、目覚めたアルテアの姫君「アル―ラ」により、宇宙の殆どがガルラによって支配されている事、地球にその魔の手が伸びている事、対抗出来る唯一の手段は自分達が乗って来たライオンを集めヴォルトロンになる事が明かされる。
自らの使命を知った五人は、ヴォルトロンの騎士として、ガルラ帝国を討ち倒し宇宙を解放する事を決意するのであった。
キャラクター
チームヴォルトロン
- タカシ・シロガネ(シロー) cv.杉村憲司
ヴォルトロンのリーダーで、合体時頭になるブラックライオンのパイロット。海外版では「シロ」と呼ばれるが、日本版では「シロー」の愛称で呼ばれている。
一年前、惑星探査船に乗ったスタッフの一人だったが、ガルラの手により拉致され、ガルラに人体を改造され奴隷として扱われていた。その際右手を失っており、代わりに戦闘に使えるロボットアームが付けられている。
ガルラの奴隷の間では伝説のグラディエーター「チャンピオン」と呼ばれ恐れられていたが、自身には奴隷時の記憶が無かった。命辛々ガルラの戦艦から脱出し地球圏に到達。唯一頭に残っていた「ヴォルトロン」というキーワードを辿り、仲間と共にライオンに出会う。
冷静沈着でリーダーシップのある人物。チームの兄貴分として親しまれており、メンバーに指示を出す。また右手がガルラ製の物であるため、敵基地に忍び込んだりする際にキーとしてよく使用される。ブラックライオンのベイヤードは紛失しており、自前のロボットアームで戦闘を行う。
パイロットスーツは黒。旧ボルトロンでは同様の立ち位置の人物は「スヴェン」という名前であったが、彼は日本語版のゴライオンの登場人物「銀貴(しろがねたかし)」を元ネタとしている。旧シリーズではブルーライオンに搭乗してたが、本作ではブラックに搭乗しており、実質主人公と言える。
- キース・コガネ cv.勝杏里
合体時右腕になるレッドライオンのパイロットである日系人。
ギャラクシー・ギャリソンのナンバーワンパイロットであったが、除隊処分に遭い基地周辺を調べ回っていた。各地に残された情報から、シローが飛来する日を当てており、急ぎ救出に向かった。両親を失った孤児であり、ギャリソン内では孤高の狼のような存在であった。
熱い心を持った熱血漢であり、騎士に選ばれてからは日々訓練する事を忘れない。シローを兄のように慕い、ランスとは兄弟のようにいがみ合う。自身の出世に秘密があり、シーズン2からは話の根幹に絡むようになる。ベイヤードの戦闘スタイルは剣。ヴォルトロンが使うソードも制御する。
パイロットスーツは赤。ボルトロンシリーズの主人公「キース」と、ゴライオンの主人公「黄金旭(こがねあきら)」を組み合わせた名前になっている。また旧ボルトロンではブラックライオンに搭乗していたが、今作はレッドのメインパイロットになっている。しかし、ブラックに搭乗する展開も。
- ランス・マクレーン cv.茂木たかまさ
合体時右足になるブルーライオンのパイロット。
ギャラクシー・ギャリソンのナンバーツーであったが、キースの除隊によりナンバーワンに昇格した。その為キースの事は一方的にライバル視していた。消灯時間に基地を抜け出し外を探索していると、空から隕石が飛来したため現地に向かう。キースが向かってることを知り、先越されない為に突入しシロー達と共に逃亡した。その後ブルーライオンに出会い、他キャラクターより先にパイロットに選ばれるようになる。
ナンパな性格で、女を見掛けると異星人だろうと何だろうと誘うほど。その反面キースとは言い争いになるが本人はあまり悪い気とは思っておらず、むしろ仲が良い。自称・射撃の名人でチーム屈指のスナイパーである事に自信がある。ベイヤードの戦闘スタイルはライフル。ヴォルトロンのキックや下半身の姿勢制御を担当。
パイロットスーツは青。旧ボルトロンのメンバー、ランスが元ネタ。旧シリーズではレッドライオンに搭乗してたが、ちゃんとイメージカラー通りブルーに搭乗するようになった。
- ピッジ・ガンダーソン cv.おまたかな
合体時右腕になるグリーンライオンのパイロット。
ランスと共にギャラクシー・ギャリソンの一員で、通信士担当。とある目的の為宇宙の通信を傍受していた所、「ヴォルトロン」という単語を何回も聞く事になる。シローの発した同様の言葉に自分の目的が合致すると考えた彼は、ランス達と共にライオンに導かれ、ヴォルトロンの騎士になる。最初は一人で目的を達成しようとチームを抜けようとするなどの問題行動が目立ったが、徐々にチームを信頼するようになる。
チームのメカニックを担当し、ガルラのメカを自分で操作するように改造したり、通信でハッキングを行う等、様々な面でチームの役に立つ。チーム最年少であり、その自身の目的に彼の秘密が隠されていた。ベイヤードの戦闘スタイルは小型のワイヤーブレード。ヴォルトロンのシールドの制御を行う。
パイロットスーツは緑。旧ボルトロンのピッジが元ネタ。
- ハンク cv.中村俊史
合体時左足になるイエローライオンのパイロット。
ランスと共にギャラクシー・ギャリソンの一員で、エンジニアを務めていた。非常に臆病な性格でありランスが隕石の元に向かう際は拒否を示していたが、流れるままに騎士になってしまう。最初は戦いに消極的だったが、古代生物バルメラで奴隷にされているバルメラ人の惨状を目撃し、騎士として宇宙を解放する使命に目覚める。
大飯食らいで料理好きの巨漢。アルテアの料理が非常に口当たりの悪い物であったため、艦内のシェフも務める。チーム随一のボケ要員でもありムードメーカー。ベイヤードの戦闘スタイルは大型ガン。ヴォルトロンの姿勢制御と共にショルダーキャノンの制御を行う。
パイロットスーツは黄。旧ボルトロンのハンクが元ネタになる。フルネームの資料が見当たらない。
ヴォルトロン
全長100m、大型のライオンロボ五機が変形・合体して誕生するスーパーロボット。ブラックライオンを中心に右腕がレッド、左腕がグリーン、右脚がブルー、左脚がイエローによって構成される左右非対称ロボット。「Go!ヴォルトロン!」の掛け声と共に合体する。
アルテア国王アルフォスが作り上げた宇宙の守護神であり、圧倒的なパワーを誇る。艦隊相手でも一騎当千出来る戦闘力を持ち、ガルラ帝国のザルコン皇帝はこのロボットを手に入れようと彼是策を練る。宇宙各地では「ライオンの守護神」としてぼんやりと伝承に残っている。
ベイヤードと呼ばれる騎士の持つコネクタをロボットに差し込む事で武器が出現し、強力な一撃をお見舞いする事が出来る。
メインウェポンはキースのベイヤードを挿し両手を重ね合わせる事によって出現するソード。このソードはベイヤードの装着によって形を変えるようになる。また両腕からはビームを発射する事も出来、肩にはハンクのベイヤードによりショルダーキャノンを出現させて遠距離攻撃にも対応している。
各ライオンは分離して戦う事も頻繁に起こり、さながら戦闘機のようなバトルを繰り広げる。ライオン・ヴォルトロン共に解放されてないギミックが多数あり、回ごとの戦闘で徐々に解放されるようになる。
旧シリーズのボルトロン・ゴライオンとはデザイン上では殆ど変更が無く、強いて言うならブラックライオンの胴回りが箱型から筒型になった事と、ソードのデザインが実体十字剣の「十王剣」からクリアパーツのような美しい片刃剣になった事だろうか。
関連動画
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関連項目
- Netflix
- アニメ作品一覧
- ロボットアニメ
- 百獣王ゴライオン……オリジナルタイトル。どうやら東映が権利を手放したようで国内で視聴が難しいレアな作品。
- 機甲艦隊ダイラガーXV……「ビークル・フォース・ボルトロン」と呼ばれたもう一機のボルトロン。ゴライオンに比べて人気が出なかったため再放送は殆どされておらず、ボルトロンファンにも知る人ぞ知る化している。
- 光速電神アルベガス……「ボルトロンⅡ」として用意だけはしていた作品。ゴライオン人気が凄まじかったために輸入アニメ化は見送られた。
- 未来ロボ ダルタニアス……本来アメリカ側が要求した作品。ライオンのアニメを用意しろと言われ東映が間違えてゴライオンの資料を持って行ったのが事の始まりだった。
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