一力遼(いちりき りょう)は、日本棋院東京本院所属の囲碁界では珍しい「新聞記者兼囲碁棋士」である。1997年6月10日生(26歳)、宮城県出身。宋光復九段門下。早稲田大学社会科学部卒。
2024年1月現在、棋聖・本因坊・天元の三冠を保持しており、七大タイトル獲得数は6期(棋聖:2期、本因坊:1期、碁聖1期、天元:2期)、棋戦優勝18回の実績を持つ。
棋聖戦・王座戦・天元戦の最年少挑戦記録など、多数の最年少記録を保持している。
芝野虎丸名人、許家元九段とともに「令和三羽烏」のひとりに数えられる。
なお、父・祖父・曽祖父・高祖父が東北の新聞社の社主を歴任、叔父も東北のテレビ局の社長という社長一家である。
概要
2010年入段、2012年二段、2013年三段、2014年四段、同年七段(飛付)、2017年八段、2020年九段。
2014年:第39期棋聖戦で棋聖リーグ入り(16歳7か月=史上最年少記録)。第39期新人王戦優勝。第1回グロービス杯世界囲碁U-20で優勝。
2016年:早稲田大学社会科学部に入学。第26期竜星戦で優勝。第42期天元戦でタイトル初挑戦。
2018年:第42期棋聖戦・第66期王座戦に挑戦。第25期阿含桐山杯優勝。
2020年:早稲田大学社会科学部卒業後、河北新報社東京支社編集部に入社。第45期碁聖戦で羽根直樹碁聖を3連勝で下し、初の七大タイトル碁聖位を獲得。第46期天元戦で井山裕太天元を3勝2敗で下し、天元位を奪取。自身初の二冠王となる。
2021年:七大タイトル戦では碁聖位を井山に、天元位を関航太郎七段に奪われ無冠に転落する。第44期名人戦に挑戦。第68回NHK杯優勝。
2022年:第45期棋聖戦で井山棋聖を4勝3敗で下し、三大タイトルである棋聖位を奪取。第77期本因坊戦・第47期碁聖戦に挑戦。第69回NHK杯優勝。
2023年:第46期棋聖戦は芝野虎丸名人の挑戦を退け、初防衛。第78期本因坊戦で井山本因坊を4勝3敗で下し、本因坊位を奪取。二冠王に復帰する。第49期天元戦で関天元を3勝1敗で下し、天元位を奪回。自身初の三冠を達成した。第2回テイケイ杯俊英戦優勝。第30期阿含桐山杯優勝。
人物
囲碁棋士は中学卒がふつうというなか大学まで進んだ(七大タイトル経験者で高卒なのは小林覚九段と羽根直樹九段、大卒では坂井秀至八段くらい)。
何にでも一生懸命で、負けず嫌いな性格。韓国との道場での交流戦で対抗戦も負けたあと親睦のサッカーとリレー競走でも負けた。その時一力は急に泣き出し「先生、日本はどうすればいいのですか」と言ったという。
一力はまず道場に来たら、3つあるすべての部屋をまわって挨拶をする。そこで遠方から勉強に来るなどたまにしか会えない先輩や仲間を見つけると、声をかけて対局や検討をお願いしたりする、気づかいのある子だったという。
VS.井山裕太十七番勝負
2017年に王座戦・天元戦の挑戦手合の権利を獲得。さらに続く2018年には棋聖戦の挑戦手合の権利も獲得。棋聖・王座・天元すべてタイトルホルダーは井山裕太(当時七冠)だったため史上初の3棋戦連続同一カード十七番挑戦手合が実現した。
結果はーー
井山 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||||
一力 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
一力の10連敗という大惨敗。井山の壁は厚かった。
ポスト井山
次々と最年少記録を打ち立てタイトル戦にも挑戦しポスト井山裕太最有力と言われていた。
しかし同じ令和三羽烏の許家元に先に七大タイトルを(井山を倒して)持っていかれ、
またしても同じ令和三羽烏の芝野虎丸に二冠を取られ(これも井山を倒して)持っていかれている。
なかなか七大タイトルで結果がでなかったが2020年8月、羽根直樹から碁聖位を奪取。ついに念願の七大タイトルを手にした。その後も苦手な井山から天元位を奪取。一度無冠に転落するものの、井山から棋聖、本因坊を奪取。関からも天元位を奪回し、三冠を達成した。
芝野虎丸名人(十段)、許家元九段ら「令和三羽烏」とともに、囲碁界の新世代としての立場を確立した。
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