七尾線とは、以下の路線を指す。
概要
津幡駅から能登半島を北へ向かい和倉温泉駅へ至る路線。路線の起点は津幡駅であるが、列車の起点は金沢方面となっている。また、かつては輪島まで延びていたが和倉温泉駅より先は1991年の津幡駅~和倉温泉駅間電化開業時にのと鉄道に移管されている(このうち、穴水~輪島間は2001年に廃止されている)。
なお七尾~和倉温泉間はJR西日本が第一種鉄道事業者、のと鉄道が第二種鉄道事業者である。この区間はJRの列車は特急のみ運転され、普通列車はのと鉄道が担当する。
ICOCAは2021年に全線で導入されており、IRいしかわ鉄道を経由して乗車できる。ただし、七尾駅〜和倉温泉駅間は特急列車乗車時のみ使用可能で、のと鉄道の普通列車には乗車できない。
また、ICOCAで利用できる区間には制限があり、西は北陸本線の大聖寺駅よって、北陸本線の特急・普通列車に乗ってICOCAで福井県以西に乗り通すことはできない。ただし、2024年3月16日の北陸新幹線敦賀駅延伸で、長距離需要は新幹線に移行したため最終的に影響は無いものと思われる(ちなみに大聖寺駅はIRいしかわ鉄道の西端の駅)。東は城端線の新高岡駅、あいの風とやま鉄道の越中宮崎駅までである。
北陸本線は交流電化されているが、七尾線は直流電化された。これは七尾線内にあるトンネルの高さが低く交流架線を通す事が出来無かった為であり、この事もあって大阪・名古屋から七尾線に直通する北陸特急「サンダーバード・しらさぎ」は敦賀と津幡で交直セクションを通過する事となっていた。
2015年3月14日の北陸新幹線開業前は大阪駅発着の「サンダーバード」が4往復、名古屋駅発着の「しらさぎ」が1往復、越後湯沢駅発着の「はくたか」が1往復乗り入れていたが、北陸新幹線開通後は、大阪駅発着の「サンダーバード」1往復と新たに設定された金沢駅発着の「能登かがり火」5往復が乗り入れている(本数に増減無し)。ただし、コロナ禍の影響で2022年に「能登かがり火」は4往復に削減された。
また、これとは別に2015年10月から金沢駅発着の観光特急列車「花嫁のれん」が2往復運行している。
なお、2024年3月に北陸新幹線が敦賀まで開通した後は681系・683系の運行区間から孤立することになるが、引き続き5往復で維持される。
北陸新幹線開通後は唯一JRの路線として接続する北陸本線がIRいしかわ鉄道に転換されたため、他のJR路線とは一切接続しなくなる(同様の例としてJR東日本の大湊線が該当する)。但し列車はすべて津幡を超えて金沢まで運行する。
かつて氷見線が氷見駅から羽咋駅まで「氷羽線」として延伸する計画も存在していたが、国鉄の財政難によって計画は実現しておらず、氷見線と七尾線を羽咋駅で乗り換える事は出来ないままとなっている。
なお、かつては末期色化の対象路線だったが、前述の通り北陸本線が交流なのに対し七尾線が直流である為か七尾線のみ色が違っていた(北陸:青、七尾:赤)。
曲がりなりにも雪国の路線でありながら、雪・雨にめっぽう弱く、これといった対策はなされていない。
梅雨・冬季には遅延がそれなりに発生する。
なお関連動画を見れば分かるように、普通列車として運用している415系800番台の一部が車齢50年を超えて運用されており新型車両の導入が望まれていた。その後2019年に521系100番台U編成の導入が発表され、2020年10月3日より運行開始。2021年3月13日ダイヤ改正より413系、415系を全て置き換えた。
現在北陸本線で運用されている521系は2両一編成であり、かつては3両一編成の415系800番と安易に置き換えようとすると朝夕のラッシュ時に混雑による遅延や客の取り残しが発生すると考えられ、JR西日本としても頭の痛い問題になっていたが、老朽化したC01編成とC04編成が廃車の為運用離脱し、代わりに455系1両と413系2両を組み合わせた413系B04編成に赤い末期色塗装を施して運用していた。しかし結局は521系に置き換えられた(その代わり編成数は増えた)。なおこの時増備された521系は乗客が増える金沢側の都合で車両を増結することと車両使用料の問題もあってかIRいしかわ鉄道持ちである。
列車に詳しい方ならお分かりだが455系と413系で編成内でドア位置が違うが、あくまで3両一編成に拘るJR西日本にとっては大した問題ではないと思われる。
令和6年能登半島地震による運転見合わせと再開
2024年1月1日に発生した地震の影響で高松駅~和倉温泉駅間にて羽咋駅のホーム損傷等の設備損傷があり、運転再開見込みは立っていなかった(参考:JR西日本運行情報・北陸エリア/国土交通省 令和6年能登半島地震における被害と対応について
)。※なお、のと鉄道区間でも設備損傷が確認されている。
1月3日朝より(金沢駅~)津幡駅~高松駅間は本数を減らして運転を再開している。高松駅~羽咋駅間は1月4日18時時点で道床流出やレールの歪み、架線柱の傾斜などにより復旧に2週間以上要する状態であった。また、羽咋駅~和倉温泉駅間は七尾駅・和倉温泉駅の笠石のせり出しや橋梁のズレなど被害が大きく再開の見込みが立っていない状況となっていた。
高松駅までの区間再開後は普通列車のみの運行で、「サンダーバード17号・20号」は金沢駅~和倉温泉駅間で区間運休、「能登かがり火」「花嫁のれん号」は全便運休となっていた。
運休区間のうち、高松駅~羽咋駅間は1月15日始発より本数を減らして再開した。残りの区間のうち羽咋駅~七尾駅間は大阪直通の683系「サンダーバード17号・20号」とその送り込みを兼ねた「能登かがり火1号・8号」を含めて1月22日始発から運転再開。その後、安全確認が取れたことから、2月3日より徐行を解除したうえで「能登かがり火」も全便が運転される。
七尾駅~和倉温泉駅間は被害が大きいが、2月15日に再開した。ただし、被害が大きかったため一部区間で徐行やホームの一部使用制限のため時刻変更が行われている。なお、「能登かがり火」は一往復のみ七尾駅~和倉温泉駅間が引き続き運休となっていた(その後、3月16日のダイヤ改正により七尾駅発着便が設定)。
なお、運転見合わせ区間では「能登かがり火5号」運用に入っていた681系0番台6両編成(「しらさぎ」用W08編成・金沢総合車両所所属)1本が駅間で地震によりパンタグラフが破損し自走不可となり立ち往生していた(和倉温泉駅からの七尾駅への回送中に被災)。その後、七尾線の復旧が進んだことからW08編成は1月26日から27日にかけてDE10牽引により乙丸基地へ救援配給された。なお、681系W08編成が向かっていた七尾駅では停車中の521系にホームの笠石がせり出して接触していた。
また、同様に「能登かがり火8号」運用に入っていた683系0番台6両編成(「サンダーバード」編成・吹田総合車両所京都支所所属)1本が金沢駅に向かって走行中、かほく市内で地震に遭い駅間停車。「能登かがり火8号」を中途打ち切りとし乗客を降車誘導したものの車両が取り残されていた。
他にも、留置中のものを含む521系4本が運転見合わせ区間に取り残されていた(うち1本は前述の七尾駅ホームの笠石が接触中の編成)。
駅一覧
便宜上、全列車が乗り入れるIRいしかわ鉄道線・金沢駅~津幡駅間も記載する。
特急 | 駅名 | 備考 | 所在地 |
● | 金沢駅 | 金沢市 | |
| | 東金沢駅 | ||
| | 森本駅 | ||
▲ | 津幡駅 | IRいしかわ鉄道:IRいしかわ鉄道線 | 河北郡津幡町 |
| | 中津幡駅 | ||
| | 本津幡駅 | ||
| | 能瀬駅 | ||
│ | 宇野気駅 | かほく市 | |
| | 横山駅 | ||
▲ | 高松駅 | ||
| | 免田駅 | 羽咋郡宝達志水町 | |
| | 宝達駅 | ||
| | 敷浪駅 | ||
| | 南羽咋駅 | 羽咋市 | |
● | 羽咋駅 | ||
| | 千路駅 | ||
| | 金丸駅 | 鹿島郡中能登町 | |
| | 能登部駅 | ||
▲ | 良川駅 | ||
| | 能登二宮駅 | ||
| | 徳田駅 | 七尾市 | |
● | 七尾駅 | のと鉄道:七尾線 普通列車の終点 |
|
▲ | 和倉温泉駅 | のと鉄道:七尾線 |
使用車両
- 683系2000番台(R10~13編成・能登かがり火)
- キハ48形(花嫁のれん)
- 521系100番台(U編成・普通)
- のと鉄道NT200形(のと鉄道七尾線普通)
- のと鉄道NT300形(のと鉄道七尾線のと里山里海号)
関連動画
関連項目
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