万事屋銀ちゃんとは、週刊少年ジャンプに連載中の空知英秋の漫画『銀魂』およびそれを原作とするアニメシリーズなどに登場する架空の何でも屋である。
万事屋と書いて「よろずや」と読ませる(概要を参照)。「銀ちゃん」は言わずもがな。
作中では万事屋と略されることが多く、オーナーの坂田銀時を指して万事屋(の旦那)と呼ぶ者もいる。
概要
主人公の銀時が経営する店で、金さえ貰えればガキのお守りでもババアの介護でもなんでもやる。
所在地はかぶき町のスナックお登勢の二階で、銀時の住居も兼ねる借家。
現在のメンバーはオーナーの銀時のほか志村新八、神楽、定春の3名+1匹。
彼らが来る以前はお手伝いが来たり黒人風の3人を雇っていたことが回想で語られているが、諸事情により全員解雇済み(後述)。
「万事屋」って何でわざわざ「事」の字をつけるの?
最初の設定(連載前の構想)ではそのまま「万屋(よろずや)」だったが、これだと本来の「何でも売ってる店(雑貨店)」というイメージが強いため、「何でもやる店」にしたかった空知が「万(よろず)」の「事」を売る店という意味を込めて、間に「事」の字を挟み「万事屋」にした。つまり作者・空知の造語である。
この設定のせいで、アニメのアフレコに来るゲストは台本の「万事屋」を見て皆「ばんじや」と言う。
「万事(ばんじ)」と認識されるからだろう。
同様に天人も本来「あまんと」とは読まないため、皆間違えて読んでいくらしい。
一般的なよろずやは本来「万屋」と書くので要注意。
IMEなど一部文字入力ソフトはそのまま「万事屋」と変換できる。
だいたいこの万事屋(ばんじや)って書いて、「よろずや」と読ませるのも銀ちゃんのオリジナルネ!
ネズミの国なら大ごとアルネ!!
仕事・依頼内容
基本的に電話1本、もしくは直接訪問により依頼を受けつける。
あるときは製造機に巻き込まれたハムを助けたり、あるときは寺門通のマスコットキャラクターを演じたり、またあるときは謎の妖刀「紅桜」を調べるために命を張ったり(「紅桜篇」)、またまたあるときは真選組の危機に救いの手を差し伸べたり(「真選組動乱篇」)、はたまたあるときは成り行きではあるものの、ある街をとある強大な呪縛から開放したり(「吉原炎上篇」)、江戸の政権をゆるがす事件に関わったり(「一国傾城篇」)、命がけで将軍の護衛をしたり(「将軍暗殺篇」)することもある。
場合によっては、たまたま立ち寄った先々で成り行きで依頼を受けることもある。
だがしかし、危険な仕事のときほどタダ働きであることもしばしば。
それに加え、仕事がぱったり来ないこともあるせいか、収入は不安定そのものであり、金銭的にはかなり苦労しているようである。
と言いつつも「ああ見えてけっこうあくせく働いている(by原作者)」らしいので、食欲旺盛な神楽と定春をなんとか養っていける程度には維持しているようだ。
ちなみに、お登勢から借りている部屋の家賃は毎月6万円であるが、「常に2ヶ月分位滞納している」とのこと。
セルフパロディ『金魂』では、銀時ではなく高杉晋助が営んでおり、名称も「万事屋晋ちゃん」になっている。
従業員も来島また子、武市変平太などの鬼兵隊メンバーである。
「金魂篇」においては、坂田金時が坂田銀時に代わり、さらに乗っ取って営んでいたため、名称は「万事屋金ちゃん」となっていた。
歴史
攘夷戦争後、行き場を失った銀時がお登勢と出会い、彼女に拾われる形で彼女の経営するスナックの2階に部屋を借り、万事屋を立ち上げることを決意する。
立ち上げ当初は1人であったが、間もなく下のスナックで働く名称不明のホステス(現・キャサリンポジション)が手伝いとして来て、その後外国人風でサイコガンの右腕を持つ関西弁の金丸君(現・新八ポジション)、同じく似た風貌で右腕サイコガンの古橋さん(現・定春ポジション)、サイコガン代わりに酒瓶を抱え神楽みたくアルコールアルコール言う紅一点の池沢さん(現・神楽ポジション)の黒人3人が仲間に入った。
どうでもいい情報だが、キャサリンポジションの女性は銀時も「気を回してくれるいい女だった、キャサリンと違って」と仕事ぶりを絶賛。
金丸は暗黒街で黒龍(ブラックドラゴン)と呼ばれていたが、銀時は「悪くはなかった」程度の評価。
金丸よりごつい古橋は四つんばい姿が多く愛嬌あるかわいいマスコット的存在にされ、池沢は夫が浮気しアルコール中毒だったが慰謝料を受け取り現在はアル中からも立ち直っている。
しかし、孤立した銀時が金丸・池沢ペアを川に突き落としいつの間にか2人いなくなり、キャサリンポジション女性も古橋といるところを目撃した銀時に古橋ごと川に突き落とされ大人の事情でお登勢をやめたようである。
結局また1人となったが、その後、新八に神楽、定春の順にメンバーが加わり、今に至る。
補足
このメンバー改編は、単行本第二十三巻収録の第百九十五訓(アニメは第138話)「時には昔の話をしようか」にて明らかになった。
昔の万事屋メンバーは、現メンバーが「ニュー万事屋」であるのに対し「旧型(プロトタイプ)万事屋」と呼ばれている。
第二十三巻の表紙はこの話にしか登場していない金丸が採用されており、ファンやたまたま本屋に来た人の度肝を抜いた。
その一方で、何回も登場している山崎退は1度も単行本表紙に採用されていない。
『銀魂』がどんな漫画なのかますます分からなくなったこと請け合いである。
アニメではコムロ的な人々の名前にピー音が入ったり、古橋とキャサリンポジションの女にセリフも声優もなかったりするものの、BGMに『Get Wild』(アニメ『シティーハンター』のED、小室哲哉がいるTM NETWORKの曲、いわゆる「シティーハンターのアレ」)が流されたり、EDが黒人3人組仕様に変えられるなど演出がかなり強化された。
ただし『Get Wild』が流れるのはテレビ放送版のみ。
好評(?)だったのか、この黒人3人組は第164話(アニメオリジナル)にも万事屋の偽物「万事屋金艮ちゃん(ヨロズヤキンゴンちゃん)」として同じポジションで再登場している。
ただし登場は話が終わる直前で、セリフも一切ない。
ちなみに「金艮」とは銀を二文字に分けた表現(類例:「ネ申」で神)。
金丸の声を演じた立川三貴は金丸の関西人設定からか少々日本語読みっぽい英語を話しているが、生まれはスペイン・バルセロナ、育ちは東京で本来英語を特技とするベテラン俳優である。
ニュー万事屋(リニューアル後・「2年後篇」)
通常の『銀魂』の時系列における2年後の世界、実際はイボに寄生された話では、銀時はヤムチャのような風貌になり、神楽は巨乳なえいりあんはんたー、定春はおっさんとなっている。
しかし、新八だけは外観は変わっていないがイボには寄生されており、逆に銀時は寄生されていない。
5年後の万事屋(『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』)
『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』において5年後の万事屋は、銀時が諸事情で万事屋として現存しておらず、新八と神楽が後継者争いをしていた。
また、2人とも完全に別のキャラクターとも思える成長をしており、定春もより凛々しく成長している。
メンバーの関係性
現在銀時は借家に住み、神楽はそれに居候する形で一緒に暮らしている。
新八は実家から通っているが、そのまま万事屋に泊まることもあり、3人一緒に朝食などを食べている姿も見受けられる。
その風景の違和感のなさと、加えて3人の年代【銀時:20代(恐らく後半)、新八:16歳、神楽:13~14歳】の絶妙さも相まって、血は繋がっていないながらも、まるで家族のように思われることがある。
また、そのことを本人たちも意識しているのか、「坂田さんファミリー」と自称したり、銀時が「坂田家の食卓に入ってくんじゃねェェェ!!」と民衆を一喝したりすることもあった。
ちなみに新八視点では、彼が銀時に対して「(自分のことを)家族と思ってくれていいですからね」と言う発言や、銀時をどう捉えているかという質問に対して「家族も同然です」と答える発言が見られる(後者はアニメオリジナル)。
なお、3人とも、親(両親または片親)がすでにいなかったり、家族がバラバラになっていたりなどと、家族関係に関しては共通して暗い過去をもっており、共通して母親が生存していない。
関連動画
関連項目
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