三人麻雀とは、麻雀における変則ルールのひとつである。通称サンマ(三麻・秋刀魚)。三人打ち麻雀などの呼称も一般的ではあるが、ここではWikipediaに倣い『三人麻雀』とする。
※以下、三人麻雀を三麻。四人麻雀を四麻と略し記載する。
概要
読んで字のごとく、三人で行う麻雀である。基本ルールは四麻と同じながら、以下の点で大きな違いがある。
- 数牌のいずれか一種の中張牌(2~8)を使用しない。(大半は萬子が抜かれる)
但し、5は北の抜きドラ扱い時の穴埋めなどの理由で使用することもある。ドラは1→(5)→9→1といった形に循環する。なお、確実に全種の中張牌を使う三色同順は成立しない。また三色同刻も1,9だけとなり実質清老頭になりやすい。 - チーはできない。東家に左隣がいないことの他に、安易な早アガリを抑止する狙いがある。
- 北の扱いが少々特殊になる場合がある(後述)
- ツモアガリの得点計算が特殊なものになる(後述)
また四麻と比較すると、得点がインフレしやすい傾向がある。上記のようなルールにより、染め手や字牌系の役が作りやすくなる、手が縦にも横にも伸びやすくなる、ドラが乗りやすくなる、等の理由による。
北の取り扱い
三麻には北家がいない。即ち、北が自風牌になることがなくなってしまう。また、体系化し切っていないゲーム故に決めによって扱いが大きく異なってくる。
ここではその例を紹介する。
全員共通の役牌として扱う
北を全員にとっての役牌とする、ある意味三元牌に近い扱いをする。MJ5で採用されている。役牌であるため、雀頭にすると2符が付く。平和に使用できない点には注意が必要である。
全員共通の客風牌として扱う
北に別段意味を持たせず、自風牌になることのない客風牌として扱う。MJ4・MFCで採用されている(MJ4は5になってから上記のルールに変更)。無難なルールではあるのだが、高打点がウリの三麻では他のルールよりもマイナーといえる。
常時ドラとして扱う
赤ドラをイメージすると解りやすい。Maru-Janで採用されているルール。かつてはMJ3でも採用されていた(赤い北が使用されていた)。客風とするか役牌とするかとは別に取り決められる(MJ3・Maru-Jan共々客風牌扱い)。
抜きドラとして扱う
花牌と同様の扱いをする。1枚から場に晒すことができ、アガリ時に枚数分のドラが加算される。三麻ではポピュラーなルールであり、天鳳や雀ナビ、雀龍門、ハンゲーム、雀魂などで採用されている。
このルールでは北を手牌として使うことは原則認められず、絶対に使う必要のある国士無双や四喜和以外には使用できない。また、安牌として捨牌にすることも禁止されるケースがある。一方で使用が認める場合もあり、大半は客風牌になる。
なお、抜いた後ツモる場所も決めに左右され、『王牌を18枚にする』か『次のツモ牌を取る』に分かれる。更に、嶺上開花の成立についても判断が分かれる(大抵は認めない)ことになるため、事前確認は必須と言える。
ツモアガリの点数計算
四麻でのツモアガリの支払配分は2:1:1になる。が、北家がいないためこの計算が使えなくなってしまった。そこで様々な方法が編み出されているが、決めによって大きな差があるのが現状である。
ツモ損方式 (天鳳・Maru-Jan・ハンゲーム・雀魂にて採用)
北家分を完全に無視する計算方法。親でも子でも確実に損をするため、こう呼ばれている。計算は非常に簡単なのだが、理不尽にも過ぎるのであまり好まれるルールではない。またこの場合子の30符1翻ツモだと800点となってしまう。
30符3翻 | 満貫 | 跳満 | 倍満 | 三倍満 | 役満 | |
子ロン | 3900 | 8000 | 12000 | 16000 | 24000 | 32000 |
子ツモ | 1000-1900 (2900) |
2000-4000 (6000) |
3000-6000 (9000) |
4000-8000 (12000) |
6000-12000 (18000) |
8000-16000 (24000) |
親ロン | 5800 | 12000 | 18000 | 24000 | 36000 | 48000 |
親ツモ | 2000 ALL (4000) |
4000 ALL (8000) |
6000 ALL (12000) |
8000 ALL (16000) |
12000 ALL (24000) |
16000 ALL (32000) |
千点加符方式 (雀ナビにて採用)
ツモ損方式のアレンジ。ツモ損方式の支払い点にそれぞれ1000点を加算する。北家の支払い分が2000点未満の時は得になるのだが、インフレの激しい三麻では大体損に終わる。
なお、雀ナビの三麻は1000点未満切り上げルールを採用しているため、満貫未満の得点は表と異なる。
30符3翻 | 満貫 | 跳満 | 倍満 | 三倍満 | 役満 | |
子ロン | 3900 | 8000 | 12000 | 16000 | 24000 | 32000 |
子ツモ | 2000-2900 (4900) |
3000-5000 (8000) |
4000-7000 (11000) |
5000-9000 (14000) |
7000-13000 (20000) |
9000-17000 (26000) |
親ロン | 5800 | 12000 | 18000 | 24000 | 36000 | 48000 |
親ツモ | 3000 ALL (6000) |
5000 ALL (10000) |
7000 ALL (14000) |
9000 ALL (18000) |
13000 ALL (26000) |
17000 ALL (34000) |
按分方式 (MJ3にて採用)
ツモ者がロン時と同じ点を受け取れることから丸取り方式とも呼ばれる(Wikipediaでは丸取り表記)。
親・子の支払い比率を四麻と同じ2:1に固定するため、極めて公平な方式である。親ツモなら子2人で折半。しかし、100点単位のやり取りが非常に多いため煩雑すぎる、計算できないという問題がある。
30符3翻 | 満貫 | 跳満 | 倍満 | 三倍満 | 役満 | |
子ロン | 3900 | 8000 | 12000 | 16000 | 24000 | 32000 |
子ツモ | 1300-2600 (3900) |
2700-5300 (8000) |
4000-8000 (12000) |
5400-10600 (16000) |
8000-16000 (24000) |
10700-21300 (32000) |
親ロン | 5800 | 12000 | 18000 | 24000 | 36000 | 48000 |
親ツモ | 3000 ALL (6000) |
6000 ALL (12000) |
9000 ALL (18000) |
12000 ALL (24000) |
18000 ALL (36000) |
24000 ALL (48000) |
北家分折半方式 (MJ4・MJ5にて採用)
四麻と同じ計算をしてから、北家分を折半するという方式。こちらも丸取り性の方式である。100点未満の切り上げのタイミングの影響はあるが、親の和了の場合折半、子の和了の場合概ね親・子の比率は5:3になる。
計算の手順が増えると言う問題があるものの、支払う点棒を簡単にできるのが強み。若干、子が不利。
30符3翻 | 満貫 | 跳満 | 倍満 | 三倍満 | 役満 | |
子ロン | 3900 | 8000 | 12000 | 16000 | 24000 | 32000 |
子ツモ | 1500-2400 (3900) |
3000-5000 (8000) |
4500-7500 (12000) |
6000-10000 (16000) |
9000-15000 (24000) |
12000-20000 (32000) |
親ロン | 5800 | 12000 | 18000 | 24000 | 36000 | 48000 |
親ツモ | 3000 ALL (6000) |
6000 ALL (12000) |
9000 ALL (18000) |
12000 ALL (24000) |
18000 ALL (36000) |
24000 ALL (48000) |
完全折半方式 (MFC・雀龍門にて採用)
親子の区別なく、折半して支払わせる方式。丸取り性の方式のひとつ。
他の方式に比べ子の負担額が非常に大きく(親と同額)、親の被りリスクは完全に消えている。
30符3翻 | 満貫 | 跳満 | 倍満 | 三倍満 | 役満 | |
子ロン | 3900 | 8000 | 12000 | 16000 | 24000 | 32000 |
子ツモ | 2000 ALL (4000) |
4000 ALL (8000) |
6000 (12000) |
8000 ALL (16000) |
12000 ALL (24000) |
16000 ALL (32000) |
親ロン | 5800 | 12000 | 18000 | 24000 | 36000 | 48000 |
親ツモ | 3000 ALL (6000) |
6000 ALL (12000) |
9000 ALL (18000) |
12000 ALL (24000) |
18000 ALL (36000) |
24000 ALL (48000) |
特殊な三人麻雀
広義としては三人でやる麻雀なので、他にも色々な三人麻雀が存在する。
東天紅、関西三麻、京都三麻、新三麻はwikipediaにて紹介されているためここでは割愛する。……というよりも、新三麻以外は従来の四人麻雀からも大きく離れているためここで説明し切るのは難しい。
そのため、ここではもっと簡潔な『決め』レベルの亜流三人麻雀を紹介する。
数牌三人麻雀
数牌の2~8の代わりに字牌を除くルール。必然的に字牌を使う役は全て成立しない。具体的には【役牌・チャンタ・混一色・混老頭・小三元・字一色・四喜和・大三元・国士無双】が該当する。なお緑一色に發が必須ルールの場合緑一色も除外される。
役牌など、安直な和了りが難しくなるため、手牌構成の能力が試されるルールでもある。
なお、本来三人麻雀ではできないチーを認めるルールもある。上家がいない人は対面からチーする。この場合喰いタンが非常に容易かつ強力であり場が荒れやすくなるため、喰いタンを認めないケースも多い。
麻雀格闘倶楽部では毎月3日、一日限りの定期イベントとして開催されている。また、同人ソフト東方幻想麻雀3Gにおいても実装された。これらはチーあり、喰いタンありルールである。
北抜き三人麻雀
本当に決めレベルのルール。数牌1種の2・3・4・6・7・8と北を除く(北と5が入れ替わっただけ)。北を客風や抜きドラにするぐらいなら最初からいらなくね?という発想である。
北が除外されることにより、四喜和と国士無双は成立しない。また、字一色が成立し辛くなる。
基本的なルールは全く同じだが、抜きドラによる不条理なインフレは幾らか抑えられるのがメリット。客風ルールと比べると混一色の成立が若干難しくなる、赤5の存在といった軽微な差しかないのだが。
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て、手抜きじゃないよ!諸事情で選びにくかっただけだよ!!
ちなみに、三人麻雀で検索してもほとんど出てきません。
関連項目
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- 0pt