三原脩単語

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三原脩（みはら おさむ）とは、元プロ野球選手・監督である。故人。

1950年までの表記は「三原修」。

概要

1911年11月21日生まれ。香川県仲多度郡出身。裕福な家庭に育ち、丸亀中学時代から本格的に野球を始める。

転校先の高松中学でも野球を続け、ショートとして全国中等学校優勝野球大会（現在の夏の甲子園大会）に出場。ベスト4まで勝ち進んだものの、雨天コールドで敗退。

卒業後は先輩から誘われ早稲田大学に進学。1年時からセカンドとして活躍し、1931年春の早慶戦ではホームスチールを成功させ、このプレーは後世にも語り継がれている。また、このホームスチールを決められた相手の投手は終生のライバルとなる水原茂であった。

その後も大学野球のスターとして活躍した三原だったが、1933年に退部し大学も中退。不文律で禁止されていた学生結婚がきっかけだと言われている。

1934年、ベーブ・ルース擁するメジャーリーグのオールスターチームの来日が決定。その相手となるチームとして大日本東京野球倶楽部が結成されることになり、三原は契約第一号選手として入団。

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だが、1935年1月に応召で退団。1年後の1936年途中、大日本東京野球倶楽部の後身チームである東京巨人軍に助監督兼選手として復帰。1937年春にはリーグ2位の24打点に加え12盗塁と活躍したが、同年秋に再び招集され離脱。中国戦線に出征した際、左足を拳銃で撃ち抜かれ重傷を負う。1938年に復帰したが、同年秋をもって現役を引退。

引退後、報知新聞の記者として活動していたが、1941年、三度目の応召でビルマ戦線へ。ここで文字通りの地獄を目の当たりにしている。終戦後、報知新聞の記者として勤務していたが、1947年途中に巨人の助監督として復帰。

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1948年、監督に就任。南海ホークスのエースであった別所毅彦を引き抜いたことで同球団との間に遺恨を残したがチームは前年の5位から2位と躍進した。

1949年4月、遺恨のあった南海戦にて相手選手を殴打する所謂「三原ポカリ事件」を起こし無期限の出場停止処分を受けたが、後に処分が軽減され7月後半に復帰。最終的に巨人は同球団戦後初優勝を果たした。しかし三原はシーズン終了後監督を退き総監督に。一部の選手たちを中心に三原を排斥し、同年シベリア抑留から帰国した水原茂を擁立しようという「三原排斥運動」が起きたためであった。三原は総監督の任を1年務めた後、巨人を退団している。

1951年、新興球団である西鉄ライオンズの監督に就任。このとき名前の表記を「三原脩」に変更している。ベテランと社会人チームから引き抜いた選手中心という心もとない戦力であったが、初年度は1位の南海ホークスから離されこそしたが2位に。翌年からは自ら補強に動き、中西太・豊田泰光・仰木彬・稲尾和久など後に球史に名を刻む名選手たちを次々に獲得し徹底的に鍛え上げた。

三原と球団の強化策が実り1954年に南海を破り初優勝を果たすと、1956年には因縁の相手である水原茂率いる巨人との日本シリーズを制し、遂に頂点である日本一に到達。1957年にも日本一となると、1958年の日本シリーズでは3連敗の後、稲尾和久が4試合連続勝利投手という獅子奮迅の活躍を見せ、逆転で3年連続の日本一となった。翌1959年は4位に沈み同年限りで西鉄を退団。

1960年、セ・リーグで万年最下位に沈む大洋ホエールズの監督に就任。適材適所で選手を起用し、様々な策を用いて相手を翻弄。策は次々にハマり、前年最下位のチームは王者巨人を打倒し日本シリーズに進むと、三原にとって古巣の西鉄相手の日本シリーズでも采配が冴え渡り、大方の予想を裏切り日本一となった。

しかし翌年最下位になってしまうと、以降は2位になる年こそあったが再び低迷。1967年限りで大洋を退団。

1968年、4年連続の最下位と低迷する近鉄バファローズの監督に就任。初年度は序盤戦首位争いに絡むなど健闘し、最下位脱出の4位。1969年、阪急ブレーブスと激しい優勝争いを繰り広げた末に2位、1970年は3位と弱小球団であった近鉄を立て直し、同年限りで近鉄を退団。

1970年11月、ヤクルトアトムズの監督に就任。前年の勝率.264とこれまで以上に厳しい状態での指揮であり、監督を務めた3年間でAクラス入は果たせなかったが、首位巨人との差を5ゲーム差以内にまで詰め寄り、若松勉ら後の中心となる選手たちを育て上げた。1973年限りで勇退。

1973年11月、日本ハムファイターズの球団代表に就任。1974年・1975年は2年連続で最下位と苦しんだが、ここで大沢啓二を監督として招聘。徐々にチーム力をつけていくと、三原が相談役に退いた1981年にリーグ優勝を達成。

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1983年野球殿堂入り。

1984年2月6日、糖尿病の悪化による心不全のため死去。享年72歳。

人物・エピソード

選手の適正や調子の見極めに長け、適材適所の選手起用で数々の名勝負や名采配を生んだ知将。相手の予想を裏切り、ときに驚きを与える采配から「三原マジック」「魔術師」などと呼ばれた。

特徴的な采配としては2、3番打者に強打者を据えて大量得点を狙う「流線型打線」や、一軍に登録されてはいるが試合で使わない選手をスタメンとして発表し、試合開始後に相手メンバーとの相性を考慮して主力選手と交代する「偵察メンバー(当て馬)作戦」等が挙げられる。

監督生活は巨人以外いずれも弱小球団での指揮であり、チームを0から立て直すことを得意としていた。

著書に記した「野球は筋書きのないドラマである」の一文は名言として現在でも語り継がれている。

学生時代からの因縁のライバルであった水原茂と一部では犬猿の仲と言われていたが、実際は仲が悪かったわけではなく、ともにユニフォームを脱いだ後も交流が続いていたという。

通算成績

打撃成績

通算:3年	試合	打席	打数	得点	安打	本塁打	打点	盗塁	犠打	犠飛	四球	死球	三振	併殺打	打率	出塁率
NPB	108	485	407	60	92	0	40	27	9	---	68	1	37	---	.226	.338

監督成績

通算:27年	試合	勝利	敗戦	引分	勝率
NPB	3248	1687	1453	108	.537	Aクラス15回、Bクラス12回

関連動画

関連商品

関連リンク

• 三原脩 - 野球殿堂博物館

関連項目

• プロ野球
• 大日本東京野球倶楽部
• 読売ジャイアンツ
• 西鉄ライオンズ
• 大洋ホエールズ
• 近鉄バファローズ
• ヤクルトアトムズ
• 日本ハムファイターズ
• プロ野球選手一覧