三杉淳とは、漫画『キャプテン翼』に登場するキャラクターである。
概要
「フィールドのアーティスト」と呼ばれる天才選手。この異名は岬太郎やエル・シド・ピエールにも用いられる事があり、一目で彼のことを示す固有の異名はやはり「ガラスのエース」であろう。
サッカーのテクニック、キャプテンとしての指揮能力、常に死を覚悟の上でフィールドに立ち続ける決意と信念、大空翼に対して八百長を打診したマネージャーを張り倒して叱る(昭和男子としての)男らしさなど人物的には完璧な存在であり、初登場の時点では明らかに主人公・翼を上回っていた天才プレーヤー。
だが、彼は生まれつき心臓が弱く、長時間のプレーには耐えられないという致命的な弱点を持っていた。
無印
小学生編で翼と相対した時には事前の準備を怠らず体調をベストに持って行き、フル出場を視野に入れて出場。その技術と指揮能力で翼を圧倒し、翼を敗北感で絶望させるという作中で唯一の事態を生んでいる。小学生のチームを率いてオフサイドトラップを成し遂げる様には元ブラジル代表のロベルト本郷も驚愕した。
だが、試合の終盤に心臓病が発症しフィールドに倒れてしまい、プレーは続行するものの試合には敗れることになった。
中学生編では、日向が東京の学校に入学してきたため予選で日向と戦うことになる。30分という時間制限を付けられているものの、出場するや若島津から2得点を挙げ、日向をも圧倒する動きで活躍する。しかし前半に出場していない間に奪われた3失点を挽回できず試合には敗れる。
ジュニアユース編では全日本チームのコーチとして帯同、また選手としても出場する。
アルゼンチン戦とフランス戦で途中出場し、制限時間を超えた激闘を演じて日本の勝利に貢献。決勝の西ドイツ戦は出場しなかった。
WY編以降
高校生活ではリハビリに専念し、心臓病を克服。
だが試合不出場のブランクは大きく、かつての翼や日向を上回る実力は影を潜めて行ってしまう。
一応ドライブシュートをマスターしているが、ドライブシュートは「中学生の頃に使うから凄かった」技であり、年齢が高くなってくると誰もが使える通常技(現実に存在する普通のシュート)に過ぎなくなっていた。
「時間限定でしか使えない全日本最強最後の切り札」という持ち味は失われてしまったが、ワールドユースではリベロに回って全試合をフルタイム出場を果たした。
だが超人化の一途を辿る翼に対して凡人化著しい三杉というのはさすがにファンの嘆きを買い、今度は実力は戻ったが心臓病も再発したという展開になり、結局元のキャラクター性に回帰。
しかし使われ方は引き続きリベロでスタメンであり、「翼をも上回る全日本の最終兵器」の地位は戻ってこなかった。フライングドライブシュートも会得しているが、翼と同じ技では結局劣化翼にしかなっていない……。
オリンピックでは岬・松山と組んで「3M」と呼ばれて顔の見分けが付かないそっくりさんトリオとして昔からネタにされ続けていたのを本当にやってしまい三人で揃って活躍。
だが、登場当時は 三杉 > 翼・日向 > 岬・松山 くらいだったのが、
翼 >>>>>>>> 日向 > 岬・松山・三杉 という非情な転落ぶりは、かつての活躍を知る者としてはまだまだ物足りない。むしろ「岬や松山と同格にされたのか……」という事自体がショックである。
そしてオリンピック本戦のドイツ戦において、シュナイダーのシュートが心臓に直撃し落命。
心臓病と闘い、サッカーに生涯を捧げた若者の命はあまりに短く、かつての栄光を取り戻すことができないままガラスのエースはフィールドに散った。
三杉の死はネットでも大きく取り上げられ、しばらく世間から忘れ去られていたキャプテン翼が久方ぶりの話題になるほどの注目を浴びた。
死後
三杉の清らかな魂は神に認められ、天国に迎え入れるため天使たちが舞い降りる。
だが、フィールドでの死亡事故を起こして一時サッカーを引退するトラウマを抱えていたスペインの霊能力者ミカエルが再度の悲劇を拒絶し、天使たちを退散させた事で三杉の魂も肉体に戻って復活。
表向きは「翼が心臓マッサージを試みていたため蘇生した」という事でプレーを続行。
だが全日本は怪我人が続出、三杉を交代させてやれないばかりかGKに森崎を駆り出すほどの苦戦を強いられており、三杉の心臓がいつまで持つかは定かでは無い……。
テクモ版ゲーム
高能力・心臓病が共に再現されており、「短時間の切り札として用いる」「ガッツを使い切らないように大事に使ってフル出場させる」といったプレイヤーなりの好みの運用が可能。
『キャプテン翼』
「25分50秒使うとガッツが0になってしまう」という形になっており、前後半それぞれ30分なのでどうしても交代させるしか無い。後半から出場させるだけでも、後半終了前に力尽きてしまうのである。この時の三杉は守備関連の能力が非常に高く、まだ三杉のリベロ転向という話が出ていなかった頃に未来を予感させる使い方ができた。
『キャプテン翼2』
「ドリブルやシュートに使うガッツが1.5倍」「ガッツ回復量が1/2」という形になり、守備で使えばフル出場も可能。だが一度ガッツが0になってしまうと試合中に回復せず、次の試合で使えなくなるので、多大なガッツを消耗する攻撃に使うのは危険である。彼のオーバーヘッドキックは「ハイパーオーバーヘッド」という特別仕様で、威力は高いがガッツ消費も多くなっているという代物で、ますますガッツ切れの危険が大きい……。
逆に、守備面に目を向けると、全日本の守備陣は「顔面ブロック」「カミソリタックル」「パワーブロック」「スカイラブパスカット」など必殺技を用いた守備が特徴なのだが、コマンド入力の機会が無いオートブロック、オートパスカット時は必殺技を使えないため一気にザル守備となってしまう。ここで必殺ディフェンスは無いが基本能力が高い三杉は守備の中心として活躍してくれるのである。
ゲームの中盤では日本の高校選手権の対戦相手として南葛高校の前に立ちはだかる。
後半のみの出場だが翼がいない南葛高校では三杉に対抗できる選手は一人もおらず、通常ドリブルで全員抜かれて、通常シュートで「もりさきくんパンチング!だがとどかない」を見守るだけになってしまう。また敵に回った三杉はガッツ無限なので心臓病も期待できない。
テクモ史上最凶難易度と言われるサンパウロvs全日本でも後半から出場。コインブラと違ってナレーションもなく突然交代しているので出くわした時にびびるのは必定。
『キャプテン翼3』
おおむね2と同じ使い方が可能。
能力値の合計がコインブラと並んで全選手中トップの座に就いており、翼やシュナイダーよりも上になっている。有力な必殺シュートが無いので攻撃面では世界のエースたちには及ばないものの、この待遇はまさに三杉の面目躍如と言えるだろう。
シナリオ中では、翼が負傷したため欠場したアルゼンチン戦で、三杉が前半に出場していないと「相手がディアスでは、翼のいない中盤は不利だ」と出場を促されるイベントがある。まさに全日本最強最後の切り札としての見せ場である。
だが、その前に前半から出場させてしまっている場合、このイベントは発生しない。翼が抜けた枠に素直に三杉を入れていたり、そもそも最初から三杉をフルスタメン起用するプレイヤーはイベントの存在に気づかない……。
『キャプテン翼4』
ブラジルでプロになった翼や、世界各国に渡っていった仲間たちと比べて出遅れることになる。日本に戻ってきた翼と再戦してそれを痛感し、追いつくために必殺シュート「ムーンスライダー」を編み出す。ガッツ消費490という膨大な消耗を強いられるため、なかなか使うに使えないのが残念。と言うかこのゲームはそこまでしなくてもPA内でボレーシュートやヘディングで点が取れてしまうので……。ここでようやくハイパーではない普通のオーバーヘッドキックを使えるようになっており、ガッツ消費を抑える方向でも努力してくれたようだ。
『キャプテン翼5』
翼・日向・若林・若島津を招集せずに挑んだアジアカップにおいて、FWに予定されていた新田までも参加を断ってきたため全日本はフォワード不足に陥る。残ったスタメンFWは佐野と反町である。さらにGKは森崎。この危機に三杉はフォワードとしてフル出場することを決意。途中で案の定倒れてしまうものの、大会は優勝、三杉も無事回復した。
様々な選手が主人公として戦う試合が用意されているが、このアジアカップが丸ごと「三杉編」と言える内容であるため、サブシナリオは用意されていない。
関連項目
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