概要
『日本で一番忙しい映画監督』とも言われるほど多作な映画監督である。『着信アリ』『ゼブラーマン』『クローズZERO』などの話題作・ヒット作から、『オーディション』『殺し屋1』など海外でカルト的な人気を誇る作品を手掛けるなど、名実ともに00年以降の日本を代表する映画監督をいえる。1998年にはアメリカの『TIME』誌の非英語圏よりこれから活躍が期待出来る映画監督ランキングでジョン・ウーに並び10位に選出される。
横浜放送映画学校(現・日本映画大学)出身で、監督デビュー前は今村昌平・舛田利雄ら大物監督の作品で助監督などのスタッフを務める。1991年にVシネマの監督としてデビューし、その後『第三の極道』『新宿黒社会 チャイナ・マフィア戦争』のどちらか(←本人談)で劇場用映画監督として活動を始める。
1999年の哀川翔・竹内力共演のアクション『DEAD OR ALIVE 犯罪者』のあまりにもぶっ飛んだラストで日本の映画ファンの度肝を抜く。その後、村上龍の小説を原作としたサイコ・スリラー『オーディション』、同名漫画を原作としたバイオレンス・アクション『殺し屋1』の両作品における徹底した暴力描写が多くの海外映画祭にて評判となる。
2004年の『着信アリ』が『リング』から続く“ジャパニーズ・ホラー”の一つとしてヒット。(後にハリウッドにて『ワン・ミス・コール』という題名でリメイクされている。)
同じく2004年、人気脚本家・宮藤官九郎脚本、哀川翔主演100本記念作品のヒーローアクション映画『ゼブラーマン』を監督。前作『着信アリ』の評価と、当時『池袋ウェストゲートパーク』や『木更津キャッツアイ』などで中高生に飛ぶ鳥を落とす勢いで人気のあった“クドカン”こと宮藤官九郎の知名度、ザ・ハイロウズの「日曜日よりの使者」が妙に合った予告編、そしてそれらの話題性に負けない、三池監督の遊び心溢れる演出やパワフルなアクションによりヒットをする。
2006年にはアメリカのケーブルテレビ(SHOWTIME)用による世界の著名ホラー監督を集めた企画『Masters Of Horrer』シリーズに参加。前述の『オーディション』を凌ぐかのような残虐シーンを描いた『インプリント~ぼっけえ、きょうてえ~(Imprint)』を製作する。しかし、あまりにも残虐過ぎるとしてアメリカ国内では放送中止とされてしまい、ホラーファンの間で話題になる。
翌年には『クローズZERO』が公開。小栗旬、山田孝之など人気俳優を多く配役し人気漫画『クローズ』を映画化。国内興行収入25億円と大ヒットする。ほぼ同時期には『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』が公開。日本を舞台に西部劇を映画化するという、かなり無茶な内容の映画を豪華キャスト勢(特別出演でクエンティン・タランティーノ)、高額予算で映画化する。さらに2009年には実写版『ヤッターマン』と『クローズZERO II』を大ヒットさせる。
近年は『十三人の刺客』『一命』と硬派な時代劇を監督。両作とも60年代邦画を代表する時代劇映画を再映画化したもので、イギリスの大物プロデューサー、ジェレミー・トーマスの支援もあり製作されたからか、かなり本格的な時代劇となっている。
人気ゲーム『逆転裁判』の映画化を経て、2012年に貴志祐介の同名小説を原作としたバイオレンス・ホラー『悪の教典』が公開。『海猿』など好青年役の多い伊藤英明が悪役としてサイコパス(反社会性人格障害)の殺人鬼を演じたことや、二階堂ふみ・林遣都など若手人気俳優の出演に注目が集まるが、それ以上に『殺し屋1』や『オーディション』などを彷彿とさせるような衝撃的なバイオレンス描写に注目が集まることとなる。その為、心理的恐怖と映像的な狂気に満ちたホラー映画として評価を受ける一方、AKB48の大島優子が「この映画が嫌いです」と発言し話題になるなど賛否両論となるが、映画はヒットをした。
2017年より少女向け特撮作品『ガールズ×戦士シリーズ』の総監督を務めている。
現在も多くの映画の企画が進行中であり、多忙な映画監督として衰えなく活動を続けている。
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