概要
通常日本のプロ野球では四番打者は最も長打力あるいは勝負強さを持つ打者が座るため、3番の選手を敬遠してわざわざランナーを出すことは失点の確率が高いため普通はまず行われない。
しかしランナー2、3塁といった場面では守備側は1塁に走者を出すことで、塁の走者をフォースの状態にすることができ次打者をゴロに打ち取れば塁に触球するだけでアウトを取れるため、守りやすくなるとされるためにこれを行うことがある。所謂「満塁策」である。
また3番の選手には高い打率を残す巧打者が座ることが多いため、単純に3番よりも4番の方が打ち取れる確率が高いからという理由で1点も与えることが許されない試合終盤の接戦の場面では3番を敬遠する場合もある。
以下に3番を敬遠して4番と勝負した例を記す。
2009年8月7日 東北楽天イーグルスvs北海道日本ハムファイターズ
1-1の同点で迎えた5回裏、日本ハム先発のダルビッシュ有はこの回突如制球を乱し、9番の嶋基宏、1番のトッド・リンデンに連続四球を与え、2番の小坂誠に送りバントを許し1アウト2,3塁というピンチを迎える。
ここで迎えたのが3番の鉄平。状況もさることながらダルビッシュはこの試合で3回に鉄平に同点タイムリーを許していたため、鉄平との勝負を避け、4番で長打力がありながらも低打率の山崎武司との勝負を選んだ。
結果は山崎が詰まりながらも打球をレフト前に飛ばす勝ち越しのタイムリーヒット。これが決勝打となり日本ハムは1-3で試合に敗れた。
2015年8月20日 読売ジャイアンツvs阪神タイガース
1-1で迎えた8回表、巨人の先発である菅野智之は先頭打者で9番の藤浪晋太郎をセンターフライに打ち取るも、1番の鳥谷敬に四球を出し、2番の大和には送りバントを許して2アウトながらランナー2塁のピンチを迎える。
ここでこの試合で2本の二塁打とソロ本塁打を許していた3番の福留孝介が打席に立つ。菅野-小林バッテリーは好調の福留との勝負を避け、福留とは対照的にこの試合で3タコだった4番のマウロ・ゴメスとの勝負を選択する。
結果は目論見通りゴメスは空振り三振に倒れ、このピンチを乗り切った。試合はその後9回裏に坂本勇人のサヨナラヒットで2-1で巨人が勝利した。
関連項目
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