三陸鉄道とは、岩手県に存在する第3セクターの鉄道事業者である。略称は三鉄。
概要
国鉄の財政悪化に伴い赤字ローカル路線の一部は廃止される事になったのだが、そのローカル路線を引き継ぐ形で開業した会社であり、日本で初めての第三セクターの鉄道会社でもある。
設立は1981年で、盛線(盛~吉浜間21.5km)・宮古線(宮古~田老間12.8km)・久慈線(久慈~普代26km)と建設中の吉浜~釜石間・田老~普代間を引き継いで1984年4月に開業した。
日本初の第3セクター鉄道という話題性と風光明媚な三陸海岸を堪能出来るという事もあり開業当初は黒字経営であったが、10年後には赤字に転落してしまう。
この為2007年には岩手県を始めとして沿線自治体が支援を表明し、上下分離方式へ移行。経営の立て直しの為に「鉄道むすめ」の起用など様々な取り組みを行っている。
独自にオンラインショップをもっており購入支援などをしたい人はこちらを参照することをおすすめする。
2013年に放送された連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する「北三陸鉄道」のモデルになったことでも知られる。
2014年4月6日、震災にて被害を受けた全線が復旧した。これに伴い公式ブログにて以下のように発信している。
式典には、駐日クェート国大使を始め、たくさんのご来賓の方にもご出席いただきました
他の駅でも、たくさんのお見送りやお振舞いをしていただきました
改めて三陸鉄道は、たくさんの方々に愛されてる鉄道なんだなぁと実感しました
三陸鉄道は、ご支援して下さった皆様への感謝の気持ちを忘れず、
社員一同精進してまいりますので今後とも三陸鉄道をどうぞ宜しくお願いいたします
駐日クウェート国大使館のアルオタイビ大使が式典に参加したのは、クウェートから間接的な支援を受けたためである。震災時にクウェート国が無償提供した原油が現金化され、それが被災地に分配された結果、新車購入に繋がった。こうして製造された新潟トランシス製36-700形の側面には、アラビア語・英語・日本語で感謝の言葉と、クウェートの国章が掲示されている。
今後も愛される地域の足、震災復興の象徴として末永く生き抜くことが三陸鉄道、ひいては岩手県沿岸部を愛するすべてのひとから望まれている。
台湾鉄路管理局(台鉄)から「東日本大震災の復興支援に協力したい」との申し出があり2016年の6月に姉妹鉄道協定を結ぶ。これにより、岩手県内の第三セクターであるIGRいわて銀河鉄道と三陸鉄道が同時に台鉄との姉妹鉄道となる。
2019年3月23日にJR山田線の宮古~釜石間が当鉄道に移管され日本の第三セクターでは最長の163kmとなった。
路線
東北地方太平洋沖地震の記録
三陸鉄道は2011年3月11日に起きた東北地方太平洋沖地震により全線で壊滅的な大被害を被ってしまった。
現在は修復が完了した北リアス線久慈駅~田野畑駅間・宮古駅~小本駅間で臨時ダイヤで運行していたが、それ以外の区間では運転を見合わせており、これ以上の自己復旧は不可能としており、路盤への公的補助によって復旧が行われていた。
2013年4月3日時点で北リアス線は宮古~小本間、田野畑~久慈間、南リアス線は、盛~吉浜間で運転を再開。2014年4月6日時点で全線で運転を再開した。
使用する列車の形式名は「36形」(さんりくがた)。今後南リアス線に復旧に合わせる形で新型車両が導入された。
復旧計画
2011年11月3日、岩手県が2011年度一般会計補正予算9月補正(設計費など5億7500万円)を確定したことにより本格的な路線復旧工事を始められ、以下の3期に分けて行われる予定となっている。
復旧費用はほぼ国が持つとされているが昨今の政治状況の中、今だ先行き不透明ともいえる(なお、復旧工事費は約110億円、地方過疎路線への投資額としては破格の多額出費となる)。
82.5kmという長大距離(1周34.5 kmの山手線の2.4周)の復旧ではあるが、元々三陸鉄道自体がトンネルが多い路線であること、三陸鉄道自身が早期に3分の1を自力で復活させたことなどによりこの金額にとどまっている。
- 北リアス線の陸中野田駅~野田玉川駅間(4.0km)に着手。2012年4月1日に陸中野田駅~田野畑駅間が運転再開。
- 2013年4月まで南リアス線盛駅~吉浜駅間(21.6km)、2014年4月までに北リアス線小本駅~田野畑駅間(10.5km)、南リアス線吉浜駅~釜石駅間(15キロ)の復旧を見込んでいる。2014年4月6日までに全線で運転再開。
復興工事そのものは鉄道・運輸機構が担当。久慈市内に鉄道建設所が開所されていた。
三陸鉄道の復興支援の為、鉄道むすめ三陸鉄道応援セット(久慈ありす・釜石まな)が2011年6月2日~9日に予約発売された。また、特別仕様のTOMIX36-100形ディーゼルカーが8月1日より予約発売されていたが予定数に達した為、2011年12月5日~16日に追加分の予約が受け付けられた。なお、これまでに販売された分から一部がトミーテックより寄付されている。
三陸鉄道の社員たち
鉄道むすめ
久慈ありす(CV:藤村歩)
vol.2より登場している三陸鉄道所属の運転士(北リアス線担当)。
詳細は久慈ありすを参照
釜石まな(CV:中村繪里子)
当初は出版社に勤務していたがUターンして三陸鉄道に就職、現在は盛駅駅員となっている。
名前の「まな」はハマナスから。
鉄道むすめ関連イベント
2009年にはコミック版『鉄道むすめ ~Terminal Memory~』の単行本発売を記念したスタンプキャンペーンが当鉄道を含む3事業者にて行われた。
なお、対象となったのはコミック版に登場している「外川つくし」(銚子電鉄)・「久慈ありす」(三陸鉄道)・「鷹野みゆき」(広島電鉄)である。
鉄道ダンシ
※ちなみに、公式サイトでは「鉄道ダンシ」を募集し、2012年4月1日付けで入社している。詳しくはこちら。
順調にグッツ販売を伸ばし現在は新章に突入している
レトロ列車さんりくしおさい
山田線
2014年12月26日、山田線不通区間(宮古-釜石間の55.4キロ)を三陸鉄道に移管することで、岩手県、関係12市町村と三陸鉄道が合意した。
移管後は、他路線と同様に保持は自治体、運営は三陸鉄道となる。
関連生放送
関連動画
関連静画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目・外部リンク
- 日本国有鉄道
- 岩手県
- 鉄道むすめ(久慈ありす)
- 北リアス線・南リアス線
- 山田線
- 台鉄
- 鉄道事業者・路線一覧
- 銚子電鉄
- 広島電鉄
- JR東日本(東日本旅客鉄道)
- 鉄道in東北
- 上下分離方式
- アチハ株式会社
- IGRいわて銀河鉄道
- 東北地方太平洋沖地震
- 鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- あまちゃん(連続テレビ小説)
- クウェート国
- 三陸鉄道公式サイト
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https://dic.nicovideo.jp/t/a/%E4%B8%89%E9%99%B8%E9%89%84%E9%81%93