三頭池八尋とは、成田良悟原作のライトノベル『デュラララ!!SH』に登場する男子高校生である。
概要
怪物の存在を求めて、秋田県波布良木村から池袋に上京してきた少年。現在、親戚である渡草二郎の経営するアパートの一室で暮らしている。このため、渡草三郎とも知り合い。
生後すぐ秋田の秘湯にある温泉宿の入り口に捨てられていた彼は、その宿のオーナーである老婆に引き取られ、その娘夫婦の養子となった。家族からは愛情を注がれ育ったが、周囲の同級生には彼が拾い子である事をやっかむ者達も多い。
生来の『センス』として「相手を仕留める」という才能を持つが、それと相反するのか併存するのか、彼自身は「大変に臆病な気質の持ち主」である。この2つが合わさった結果、「"自身や家族の身に危険が及ぶかも知れない恐怖"の余り、相手が完全に攻撃を意思を失くすまで攻撃する」という考え方が身についている。
その為身体も常に鍛え続けてきており、自分に絡んできた相手を撃退し続けた結果、地元のみならず他県からも喧嘩を売りに来る相手が現れ、それすらも叩き潰す事で『化け物』と呼ばれるようになった彼は孤独となっていく。その為他者との関わりを諦め、世界から孤立する人生を覚悟していた。
だがある日、旅行者に「池袋」に住む自分以上の怪物達の存在を教えられた彼は、本物の『怪物』に出会い、もう一度世界と向き合う為に高校進学と共に池袋への上京を決意する。
人物
普段の性格は基本的に温和で、目上の人間への礼儀も弁えている。ただし、中学卒業まで友人が一人もいなかったため友人との会話で突拍子もない事や、空気の読まない発言が出てくる事が多い。
また危険に対する感覚や経験が常識外のため、自身の体験談で変人である琴南望美や精神的強者の辰神姫香を引かせたり、暗部に通じて荒事慣れしている黒沼青葉ですら戦慄する殺気を無意識に放つ事がある。
来神組のスペックでは平和島静雄に近く、園原杏里の人物評では竜ヶ峰帝人に似ている。
地元で『化け物』と呼ばれていただけあって喧嘩の実力は高い。というかとんでもないレベルで、平和島静雄と素手で互角に戦う事が出来る。
戦闘スタイルは静雄が「力」だとするなら、八尋は「技」といった感じで、周囲の人間が撮影動画で見ても分かる程に、異常なまでのキレと一撃必殺のみを常に連撃で繰り出す。静雄は「怒り」で簡単に人体限界リミッターを外していたのではと解説されていたが、八尋の方は極僅かの「恐怖」でリミッターを外せるのではないかと劇中で推測されている。
臆病者の彼は今まで自分から喧嘩を売った事はないが、友人の危機に際して生まれて初めて自分から喧嘩を売る。その相手が平和島静雄であるというのも凄い話だが、周囲と読者の予想に反して敗れはしたものの善戦するという偉業を果たす。
実際に素手喧嘩を行い、静雄からダウンを取る、脱臼させる、ダメージを与えるといった場面を多くの衆目に見られた為、彼は一夜にして池袋の有名人となってしまうが、八尋自身は「最強の平和島静雄に負ける人間は珍しくないだろう」と思っているため、そこまで大事には捉えていなかった。
が、この与ダメージは静雄の宿敵にであった折原臨也が全力で策を弄した上に、自らも命がけで戦って負わせた傷よりも大きく、劇中で静雄が負った怪我としては最大級のものであるため、当然目撃したギャラリーからは八尋自身も『化け物』として認識される事となった。
そして彼は池袋のもう一人の怪物セルティとの邂逅を果たし、彼女の完全な異形性と人間らしい情緒の併せ持った姿を目撃する。彼女にかけられた「どこまで化け物になっても、どこまでも三頭池八尋である」という言葉により、八尋は吹っ切れて自身の力と異形性を、友人の為に臆さず奮う事を決心する。
これによってダラーズに代わる池袋の新たな伝説『SH(Snake hands)』が生まれた。
SH
作品のタイトルにもなっている本作品を象徴する存在。命名者は初めて存在が確認された事件に居合わせていた『屍龍』のリーダー。意味は「存在し得ないもの」を意味する「蛇手」から。
黒衣の仮面とマントで身を包み、徒手空拳でありながら圧倒的な強さで大勢を制圧した異形の怪人。正体はセルティの影で作られた仮面とマントで正体を隠した八尋である。
九十九屋真一はSHを「首なしライダーが消えた半年の間に見つけてきた『首なしライダーの後継者』」と目し、メディア上でその見解を発表する。一見荒唐無稽なようで作品を読むとほぼ完璧にその通りなので困る困らない(新羅が池袋に導いて、セルティがメンタル的に吹っ切れるきっかけを与えている)。
ダラーズが透明なまま街を動かした「集団」であるなら、SHは完全な漆黒で街を動かす「個人」とされる。
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関連項目
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