上杉風太郎とは、漫画「五等分の花嫁」に登場するキャラクターであり、主人公である。
概要
誕生日 | 4月15日 |
好きな食べ物 | なんでも (特にらいはが作ったもの) |
好きな飲み物 | 麦茶 |
嫌いな食べ物 | 焼き魚 |
好きな動物 | ゴリラ |
よく見るテレビ | なし (家にテレビがない) |
得意教科 | なし (どの教化も得意) |
日課 | 一円貯金 |
好きな映画 | 特になし |
お気に入りスポット | 机 |
本を読むなら | 辞書 |
本作の主人公。父子家庭である上杉家の長男であり、父親の勇也と妹のらいはと3人でアパートで暮らしている。
常にテストで満点を取る学年主席の優等生。家が借金を抱えているため過度の節約生活をしている。苦しい家計を救うために父からの紹介を受けた家庭教師のアルバイトを引き受け、落第寸前で同じ学校に転校してきた中野家五つ子の面倒を見ることになる。
目つきの悪さと頭頂部から生えた枝分かれ状のアホ毛が容姿の特徴。家が貧乏なため学食は「焼肉定食焼肉抜き」。貧乏舌なため、普通の味覚の人が食べるとまずいと感じてしまう三玖の料理を苦もせず食べることができる。ファッションにも無頓着で、高校三年間を同じ服でやり過ごしている。身長は178cmと長身の部類に入るが、勉強ばかりしているせいか身体能力の方はかなり低く、運動打神経抜群の四葉からは「本当に男の子ですか?」と言われるほど。恋愛に関しては鈍感で、物語の初期は「学業から最もかけ離れた愚かな行為」と切り捨てるほどだった。
真面目な勤勉家だが、独りよがりで社交性は皆無に等しく、他者に対して高圧的な態度を取ることが多く(ただしらいはの言うことは当初から聞いていた)、思ったことを口走ってしまい五つ子と衝突してしまうこともしばしば。しかし、本質的には信頼を得るために努力を重ねたり、ひたむきに相手と向き合うなど実際の性格は相手に寄り添える思いやりのある性格である。持ち前の洞察力の鋭さによって姉妹の悩みや個人の問題などにも気付いており、解決に導いていくことで五つ子からの信頼を得ている。当初はお金のためとしか考えていなかった家庭教師の仕事も、次第に五つ子を卒業に導いてやりたいと本気で向きあうようになり、卒業後を見据えて将来の夢を見つけることを目標にしている。
小学生の頃は、粗暴な容姿で髪を金色に染めピアスを付けており父に似てワイルドな男だった。だが、物語から5年前に修学旅行先の京都で出会った少女の影響により、勉強を通して人の役に立ちたいという思いから勉強に取り組むようになった。高校生になっても生徒手帳の中にその子の写真を挟んでおり、いかに重要な存在であったかが窺える。
『五等分の花嫁』という作品に於いて、風太郎は結婚式中に過去を振り返るという"語り手"を担う。元々ツンデレ気質な所もあるせいで天邪鬼な態度を取る事が多く五つ子に対する当たりも強いが、自身のモノローグで本音を語ったりする事で読者も風太郎の性質を理解する事が出来る。しかし後半からはそのモノローグすら完全にシャットアウトし視点も外れ、何を考えて行動しているのかイマイチ掴めない、ミステリーに於ける"信用できない語り手"となる。最終的にその思いが開示される事で、再び物語を振り返るとシャットアウトしてた部分で「どう思い何を考え行動・言動していたのか」がある程度理解出来るようになっている。
ここから先は、ネタバレ成分を含んでいます。 ご注意ください。 |
物語中盤に二乃に告白され、旅行中に鐘の下で五つ子の誰かにキスされた事により、「あれだけ真剣な気持ちに前ほど馬鹿にする気が起きないな」と、恋愛について前向きになる。加えて四葉に姉妹との恋愛を応援され三玖・一花の好意を知ると、"高校生のための恋愛ガイド"といった俗っぽい本に手を出すほど「恋愛」について真剣に考え始める。
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三玖に水族館で告白され、すぐ返事を出来なかった風太郎は、自分たちの取り巻く関係や想いが自身の決断で無駄になってしまう事を恐れるが、五月に「どんな結末を迎えようと私達が出会った事を後悔する事は無い」とアドバイスされ、5人を呼び出し学園祭中に自分の恋愛感情に「答えを出す」決意をする。しかし直後、一花に答えを先に教えて欲しいと強請られた時には「誰も選ばない」という非常な決断をした。
学園祭での経験を経て、最終的に風太郎は五つ子の四女、中野四葉に告白した。
実は上杉風太郎という男は、「答えを出さなければ」「誰も選ばない」「気持ちを整理しきれてない」「俺の本当の気持ちを見つけ出さなければ」とは言っていたが「姉妹の中から1人を選ぶ」といった事は一言も言っておらず、「四葉への恋愛感情を自覚し始め、告白するか/しないか」で悩んでいた。
上述している「誰も選ばない」は、「例え四葉に告白しないとしても他の選択肢は無い」という風太郎の四葉に対する真っ直ぐな気持ちを示唆している。その為、他の姉妹がキスをする等どれだけ恋愛アピールしてもひっくり返す事が出来なかった。
自分に好意をぶつけていた一花・ニ乃・三玖への返事が遅れた理由は、多数の要素は絡むものの主に「何かを選ぶ時は何かを選ばない時」「要らないものは捨てていけ」という風太郎が子供の頃から持つ独特の価値観から「自分の恋愛感情を優先して他の全て切り捨てる選択に疑問を持ち始めた」事と、「他姉妹に比べ四葉自身の好意が全く見えず、告白が成功する気がしない」事が大きいとされる。前者は自身が告白する事で姉妹仲、そして自分と五つ子の絆崩壊の危惧を恐れていたが、学園祭での五つ子との交流を経て前言撤回し「捨てる必要なんて無かったんだ」「あいつらは常に全力投球だった」と五つ子のように思うまま全力で生きる決意をし、後者は告白の際に「俺が嫌いならそれでいい」と言及する程四葉が隠し続けていた想いを見付ける事が出来ず、思い詰めてた事が明らかになる。
「勉強を頑張る」という、かつての約束通りに生きてきた筈なのに他者には必要とされず孤立してしまい、「誰かに必要とされるために勉強してきた」風太郎からすれば、スポーツに秀でて助っ人として様々な成績を残し色んな人に親しまれる四葉は「自分の理想の体現者」であり、「一番の悩みの種」「姉妹で一番の問題児」と言いながらも「未熟者の俺だがお前の横に立って並べる男になれるよう精進する」と言及する程に強い劣等感を抱いていた(2人ともかつての約束を半分ずつ達成し、残りの半分に劣等感を感じていた構図となる)。
四葉は風太郎に対し恋愛アピールを殆どしておらず、「上杉さんが学園生活を楽しめるよう」に全力を尽くしたが、これが勉強以外を全て切り捨てた風太郎の心に誰よりも深々と突き刺さり、小学生時代の頃のように学園生活やイベントを心の底から楽しめるようになっていた。特に「後悔のない林間学校/修学旅行/学園祭にしましょうね」と事ある毎に言い続けてくれたのが風太郎の中で印象的だった。やがて四葉と過ごす学校が楽しくなり、自分を「凡人」に戻したその四葉の在り方は、かつて孤独感から落ち込んでいた時に手を差し伸べ、共に笑って遊んだ「写真の子」と姿が重なっていた。そんな淡い恋を無意識に抱いてる最中に、四葉とキスをするというハプニングで自分の恋愛感情が徐々に表に溢れ始める。
四葉がキスしてきた要因が分からなかったが、ニ乃が投げキッスしてきたのを見て「自分に好意があってしたのでは?」と考えた風太郎は会話から探ろうとするものの、好意は愚か姉妹との恋愛を応援され、「事故だった」もしくは「四葉と思い込んでただけ」と処理し、一花に掘り返されるまで深く考えないようにしていた。この件が原因で、自分の気持ちに蓋をして四葉に対する恋愛感情を無理矢理抑えつけるようになる。
写真の子が姉妹の中にいると判明すると誰よりも早く四葉を疑い、零奈の名前を出して探ったりするものの、五月の働きで四葉が写真の子では無いと判断すると、写真の子探しは有耶無耶になり感謝だけ伝えその正体に拘らなくなった。しかし心の何処かでは「四葉が零奈であって欲しかった」と思っていたのか、「零奈を騙る四葉がキスしてくる」という夢(実は現実)を見てしまい頭を抱える程恥ずかしがっている。
四葉が学園祭で倒れると、四葉のメンタルの弱さを垣間見た風太郎は「俺も四葉に世話になった一人だ」「たまには四葉が持たれたっていいんだ」「四葉は俺の支えであり、俺は四葉の支えでありたい」とハッキリと恋愛感情を自覚し告白の決心をする。この事は一花にだけは探られこっそり事前に伝えていた。
「誰も選ばない」と言っていた風太郎もまた、学園祭中に五つ子から大切な事を教わった。一花から「素直な気持ちを大切に」と背中を押され、ニ乃から「恋は攻めてこそ」と恋愛観を叩き込まれ、三玖から「どんな関係も修復可能」である事を教えられた。これらは全て風太郎の糧となって、四葉への告白に向ける勇気へと変換された。
体力が無い事を四葉に逐一言われていた事を気にしていたのか、四葉の前で重い荷物を運ぼうとしたり、欲しい物を5つと言う三玖の要求に金の次に体力を求め、公園では四葉とのブランコジャンプを超える為に練習する姿が確認出来る。最終的にそのブランコジャンプで四葉の隣にまで跳ぶ事でプロポーズを行った。
四葉にプロポーズした後は、四葉を気にしている間ずっとしていなかったリボン鷲掴み等、いつものじゃれ合いを解禁して姉妹との変わらぬ日常を過ごしている。
数年が経過し結婚式を終えた後は、2人の父のように「1人の女性を愛し続ける」事を決意し、五つ子ファイナルゲームを全員当てる事で姉妹との愛を証明し難なくクリア、学生時代以上に深くなった五つ子の絆に安堵しながら未来を思い描いた。
なお、上述しているような風太郎の想いの動きは、四葉と交流している時のみ演出してるコマを敢えて小さくしたり、風太郎の表情を映さなかったりする事で巧妙に隠しており、モノローグが意図的に削られている上にそこに至るまでの種明かしがある訳でもないので殆ど説明が無く、答えを知った後に読み返し風太郎の態度や言動・コマに映されてない表情等から読み取る事でしか読者なりの回答を得ることが出来ない作りになっている。
五つ子からの呼称
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