上越新幹線とは、埼玉県の大宮駅から新潟県の新潟駅を結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線である。ただし実際の運転では東北新幹線の路線上を通ることによって、殆どの列車(大宮駅乗り入れの定期列車は全列車)は東京駅始発となっている。
概要
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全線が軌間1435mm、交流25kV(50Hz)で電化されている。越後湯沢駅~ガーラ湯沢駅までの支線(厳密には上越新幹線ではなく、上越線(在来線)の支線)もある。冬季のスキーシーズンのみガーラ湯沢駅行きの列車が存在する。
営業車両は、新潟新幹線車両センター所属のE2系およびE4系が運用についており、合間運用で新幹線総合車両センターE2系1000番台も運用につくことがある。大宮駅~高崎駅間は、北陸新幹線(長野新幹線)のE2系、E7系/W7系新幹線電車も見られる。
最高速度は大清水トンネル下り勾配[1]を除いて240km/hであり、フル規格の新幹線では現在一番遅い。なお、東北新幹線E5系新幹線電車の新造・置き換えに伴い、E2系J編成とE4系が上越新幹線へ活動の場を移しており、275km/hへの最高速度向上が期待される(2023年春から実施予定)。
現在、沿線自治体などは2015年3月14日に行われた北陸新幹線金沢延伸開業によって上越新幹線「とき」+北越急行「はくたか」という北陸短絡ルートが解消される事による旅客減少を危惧しており、これを「2014年問題」と呼んでいる。
2017年4月4日のJR東日本社長定例会見で、上越新幹線の車内サービス向上等を目的に、E7系を当該路線に導入し2018~2020年度までに当該系列を11編成132両を導入し、E4系全てを置き換えると発表された。これにより、長らく上越新幹線の顔として定着したE4系がすべて淘汰され、E2系とE7系の運用、将来的には2022年度末以降に全列車E7系のみ
による運行が予定されることとなる。
駅一覧
上越新幹線
正式路線名 | とき | たにがわ | 駅名 | 乗り換え路線 | 所在地 | |
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東北新幹線 | ● | ● | 東京駅[山][区] とうきょう |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
山手線・京浜東北線・中央線快速 上野東京ライン (東海道線・宇都宮線・高崎線・常磐線) 横須賀線・総武快速線・京葉線・武蔵野線 |
東京都 千代田区 |
東海旅客鉄道 (JR東海) |
東海道新幹線 | |||||
東京メトロ | 丸ノ内線(東京駅) 東西線(大手町駅) 千代田線(二重橋前駅) |
|||||
○ | ● | 上野駅[山][区] うえの |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
山手線・京浜東北線 上野東京ライン (東海道線・宇都宮線・高崎線・常磐線) |
東京都 台東区 |
|
東京メトロ | 銀座線・日比谷線 | |||||
京成電鉄 | 京成本線(京成上野駅) | |||||
● | ● | 大宮駅 おおみや |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
東北新幹線・山形新幹線・秋田新幹線 京浜東北線・埼京線・川越線 宇都宮線・高崎線 (上野東京ライン・湘南新宿ライン) |
埼玉県 さいたま市 大宮区 |
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上越新幹線 | 東武鉄道 | 東武野田線(東武アーバンパークライン) | ||||
埼玉新都市交通 | 伊奈線(ニューシャトル) | |||||
○ | ● | 熊谷駅 くまがや |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
高崎線・湘南新宿ライン | 埼玉県 熊谷市 |
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秩父鉄道 | 秩父本線 | |||||
○ | ● | 本庄早稲田駅 ほんじょうわせだ |
埼玉県 本庄市 |
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○ | ● | 高崎駅 たかさき |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
北陸新幹線・高崎線・湘南新宿ライン 八高線・上越線・両毛線・吾妻線・信越本線 |
群馬県 高崎市 |
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上信電鉄 | 上信線 | |||||
○ | ● | 上毛高原駅 じょうもうこうげん |
群馬県 利根郡 みなかみ町 |
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○ | ● | 越後湯沢駅 えちごゆざわ |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
上越線・ガーラ湯沢支線 | 新潟県 南魚沼郡 湯沢町 |
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北越急行 | ほくほく線 | |||||
○ | 浦佐駅 うらさ |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
上越線 | 新潟県 南魚沼市 |
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○ | 長岡駅 ながおか |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
信越本線・上越線 | 新潟県 長岡市 |
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○ | 燕三条駅 つばめさんじょう |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
弥彦線 | 新潟県 三条市 |
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● | 新潟駅 にいがた |
東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
信越本線・白新線・越後線・磐越西線 | 新潟県 新潟市 中央区 |
上越線ガーラ湯沢支線
正式路線名 | 駅名 | 乗り換え路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
上越線 | 越後湯沢駅 えちごゆざわ |
東日本旅客鉄道(JR東日本) | 上越新幹線・上越線 | 新潟県 南魚沼郡湯沢町 |
北越急行 | ほくほく線 | |||
(臨)ガーラ湯沢駅 がーらゆざわ |
ガーラ湯沢スキー場ゴンドラ「ディリジャンス」 | 新潟県 南魚沼郡湯沢町 |
延伸計画
全国新幹線鉄道整備法では東京都-新潟市間が上越新幹線の路線となっており、計画上の起点は新宿駅となっている。そのため新宿駅-大宮駅間は未成である。
構想では大宮駅から戸田公園駅付近までは東北新幹線の上を二重高架で通り、戸田公園駅付近から国道17号線(中山道)に沿って荒川を渡ってから地下へ潜り、都営地下鉄三田線の地下を通って板橋駅付近で埼京線(赤羽線)の地下に移り、そのまま埼京線(山手貨物線)の地下を通って新宿駅まで到達する予定とされる。ただし正式にこの計画が発表されているわけではない。
開業当時は輸送量に余裕があったため、東京駅~大宮駅間の東北新幹線の路線だけで十分と判断されたが、現在は東海道新幹線の東京駅-新横浜駅間を超える過密区間になっており、さらに北海道新幹線や北陸新幹線の建設が進めばますます過密が進むこととなる。現状では大宮発の列車を増やすことで対処するとされているが、将来的にはこの路線が必要になると考えられている。ただしリニア中央新幹線が完成すれば北陸新幹線の輸送量には余裕が出てくると想定されるため、楽観視する声もある。
また、昭和40年代当時の大新宿駅構想では中央新幹線と直通する予定であった。これは当時、第2東海道新幹線がリニアで、中央新幹線は通常の鉄路として構想されていたためである。
すでに建設用の準備もいくつかの地域ではされている。
- 埼玉新都市交通伊奈線の鉄道博物館駅の前後は勾配となっている。これは新幹線の新宿方面への分岐を避けるためである。
- 東北新幹線と埼京線の大宮駅付近から戸田公園駅付近までは広大な空き地がある。JR東日本の公式発表では「環境空間」という騒音対策用の緩衝地帯と説明されており、長い間整備も進んでいなかったため、新宿延伸用の土地ではないかという噂もあったが、近年はこの空間も公園や店舗の開発が進められている。
- 東京メトロ副都心線の池袋駅から雑司が谷駅の間は急勾配となっているが、これは地下を通る新幹線を避けるためと言われている。
- 京王新線・都営地下鉄新宿線の新線新宿駅は地下4・5階、都営地下鉄大江戸線の新宿駅は地下6・7階にあるが、当時の計画では新幹線のコンコースが地下2階、ホームが地下3階に造られる予定であったことから、これを避けるためである。
関連動画
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関連コミュニティ
関連項目
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
脚注
- *大清水トンネル下りにおいて275km/h運転が行えたのは騒音を気にする必要がなかった為。この速度は500系登場まで日本の新幹線においては最速であった。なお、現在は全ての列車において同区間での275km/h運転は行われていない。
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