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不毛地帯とは山崎豊子原作の小説である。シベリア抑留を経て、商社マンとして生きる男を描いた。
あらすじ
太平洋戦争の敗戦時。
大本営の陸軍参謀であるせじ・・・壱岐正は、降伏を潔しとしない関東軍を説得する為に満州へ赴く。
日ソ不可侵条約をソ連が一方的に破棄して満州へ侵攻してくると、壱岐の身はソ連に捕らえられシベリアで抑留される。
ソ連は東京裁判でアメリカに対し有利な立場を得る為に、壱岐に天皇の戦争責任を認めるように要求するが、壱岐はこれを拒否。
以後11年にわたってシベリアで厳しい抑留生活を送ることになった。
日本へ帰国した壱岐は、繊維商から興った大阪の商社、伊藤忠近畿商事の大門社長から入社の誘いを受ける。
近畿商事は繊維取引で勢力を伸ばした企業だが、商社として躍進する為に大門は壱岐の力を用いようとしたのだ。
迷った挙句に入社した壱岐は、慣れない繊維部門で仕事をし始める。
その頃近畿商事は、航空自衛隊の次期戦闘機(F-X) としてロッキードF-104を防衛庁へ売り込んでいたが、グラントを売り込む東京商事の鮫島の後塵を浴びていた。
壱岐の才能を活用しそうとした大門社長は壱岐を航空機部へ移動させ、F-X選定の為に活動をさせる。
元参謀としての才覚を活かした壱岐は次々と手を打ち、劣勢を挽回しつつあったが、F-104の墜落事故に近畿商事への機密漏洩や収賄問題と、選定の障害が次々と出てくる。 さらに副社長である里井との確執も鮮明となった。
グラントとロッキードの選定競争は第一次F-X問題となるが、結局のところ防衛庁が採用したのはF-104であった。
壱岐は東京商事との競争には勝ったものの、空幕防衛部長にして壱岐の盟友・川又空将補が機密漏洩・収賄問題に巻き込まれて自殺し、耐え難い苦しみを味わうのだった。
大門社長の信頼を得た壱岐は、国際的視野にたって経営戦略を立てるせじ...「業務本部」を社内に設置する。
これは大本営の陸軍参謀部を参考にした組織であった。
こうして壱岐は石油や自動車を巡って、弱肉強食のビジネスの世界で戦っていくのだった。
言っておくけど、このあらすじを読んで誰かに似ていると思っても、全部偶然なんだからね！
べ、別にあんた達の為にノンフィクションなんて書いてないんだから！全部フィクションなんだもん！とよこ
瀬島龍三
この作品はフィクションではあるが、モデルは伊藤忠商事の会長であった瀬島龍三と言われている。
経歴は壱岐とほぼ同じようなもので、大本営参謀からシベリア抑留を経て、帰国後に伊藤忠商事に入社した。
瀬島機関の設置については、本人は否定している。
中曽根内閣時代には、総理のブレーンとして辣腕を振るった。
晩年は映画「男たちの大和」の制作に協力するなどしていた。
2007年死去。
山崎作品にはもう一人の瀬島龍三がいる。
日本航空をモデルにしたといわれる小説「沈まぬ太陽」で、国民航空再建に取り組む利根川総理のブレーン、龍崎一清がそれ。
実際に瀬島は中曽根総理のブレーンであった。
2009年11月現在、両作品とも連続ドラマ及び映画として放送・公開されているが、小説の建前がフィクションの為か瀬島に言及する記事はあまり多くない。
ザ・テレビジョンは「沈まぬ太陽」の紹介記事において、ドラマ「不毛地帯」の壱岐と龍崎を比較し、両者のモデルが瀬島龍三と言われている事を紹介した。
映像化
不毛地帯は今までも幾度か映像化されてきた。
最初の映像化は1976年に仲代達也主演で映画化されたが、これはまだ連載中の映像化であった。
次に1979年に毎日放送がドラマ化し、2009年にはフジテレビが唐沢寿明主演の連続ドラマとして放送を始めた。
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映像化作品
関連項目
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