「フフッ……不知火を怒らせたわね……!」
不知火(しらぬい/しらぬひ)は、ブラウザゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」に登場するキャラクター(艦娘)である。モデルは日本海軍所属、陽炎型駆逐艦二番艦<不知火>。
徹底的に戦史を紹介してやる
特型駆逐艦の建造終了以降、軍縮条約の絡みから不本意な設計での駆逐艦建造を強いられてきた日本海軍は、条約明けに伴い、その間に得た諸々の教訓(第四艦隊事件等)を取り込み、朝潮型駆逐艦、そして満を持して陽炎型駆逐艦を建造した。その二番艦が<不知火>である。1939年竣工、生まれは五十鈴やネノヒダヨー、後には十和田丸や<あきぐも><たかなみ>も建造された浦賀船渠。
艦名の<不知火>は九州・有明海や八代海で発生する蜃気楼の一種を語源とするが、同一の語源をもつ柑橘類にシラヌヒがある。(特に糖度の高いシラヌヒはデコポンの商標で販売されている)
太平洋戦争時には<霞>、<霰>、<陽炎>らと共に三代目第十八駆逐隊に所属。南雲機動部隊の護衛として緒戦・真珠湾攻撃から参加。以後南方、インド洋と転戦しつつ一貫して機動部隊護衛の任にあり、ミッドウェー海戦でも護衛を務める。
1942年7月5日、濃霧のためキスカ沖に停泊中、第十八駆逐隊(<陽炎>は別任務で不在)は米潜水艦<グロウラー>の奇襲を受ける。雷撃を受けて<霰>が沈没、<霞>は艦首が吹き飛ばされ大火災、<不知火>も第一缶室付近で艦体が真っ二つに千切れかかる大損害を受けた。第十八駆逐隊がその場にいなかった<陽炎>を残して一撃で壊滅してしまったことで生き残った<不知火>と<霞>に非難が集中し、駆逐隊司令の宮坂大佐は責任をとって切腹自決してしまった。また、千切れかかった<不知火>を曳航するのは困難であり、仕方なく前半分を切断放棄した上で後ろ半分を後進で曳航することによってどうにか帰還することができた[1]
半分になってしまった<不知火>の修理は舞鶴で行われたが、1年以上かかった[2]。この間に、第十八駆逐隊は解隊、唯一残っていた<陽炎>は第十五駆逐隊に転出したまま、戻ることなく沈没している。<陽炎>の除籍に伴い、陽炎型駆逐艦は不知火型駆逐艦へと名称を変更された。
修理を受けて以降は<霞>と共に一水戦所属の第九駆逐隊、四代目第十八駆逐隊(第九駆逐隊から名称変更)として北方船団護衛や島嶼輸送任務に従事する。1944年10月25日、志摩艦隊の一員としてレイテ沖海戦に参加、スリガオ海峡突入をはかった。 しかし、旗艦<那智>が大破漂流中の<最上>と激突して損傷、さらに前方海上に息絶えた<扶桑>の残骸が炎上、<山城>が火だるまとなって突進する惨状が見えるに及んで、志摩艦隊は突入を断念して反転した。
直後の10月27日、輸送護衛任務中に敵航空機から襲われた<鬼怒>と<浦波>から救援要請を受ける。受け取った連合艦隊司令部は一水戦に<鬼怒>曳航を命令。
そのとき一水戦では動かせる艦艇が旗艦の<霞>と十八駆司令艦の<不知火>しかなく、どちらも重要なポジションだけに難しい判断だったが、たまたまその場に居合わせた十八駆司令の井上大佐が、「では私の不知火で」とその任務を引き受けた。
しかし、この時既に<鬼怒>と<浦波>は沈没しており、しかも2隻の後に続いていた輸送船によって生存者は救助済であった。その連絡が一水戦に届く前に、<不知火>は出航、目的地に到着するが当然<鬼怒>の姿はない。
仕方なく戻る途中で、<不知火>は前日に米軍に襲われ航行不能となってセミララ島の浅瀬に擱座していた夕雲型駆逐艦<早霜>を発見。<早霜>側は、前日に同様に自分達を救援しようとした<藤波>が沈められるところを目の前で見ており、『ワレ早霜、敵襲ノ恐レアリ、来ルナ』の発光信号を送るが、<不知火>側はそれに構わず沖合1000mで機関停止し、カッターを降ろし始めたところで米艦載機群が襲来。急遽離脱を図るが、機関出力が上がる前に追い付かれ、爆撃を受ける。その結果、爆弾の直撃を受け炎上、爆発を起こし艦を二分して轟沈するという壮烈な最期を遂げた。
乗員は前述した十八駆司令の井上大佐を含め、全員戦死。その最期の様子は、皮肉なことに助けようとした<早霜>の乗組員達によって伝えられることになる。
1944年12月10日、除籍。先んじる11月15日に、<霞>を残して四代目第十八駆逐隊は解隊となっている。
不知火です。ご指導ご鞭撻、よろしくです
怖い。駆逐艦なのに怖い。ツンデレとかでもなく龍田さんとも違うベクトルで怖い。我々の業界ではご褒美ですけれど。
陽炎型標準の服装に背負った12.7cm連装砲、後ろで纏めた薄ピンクの髪という出で立ちだが目が怖い。
木曽や天龍と違い、普段は上品な女の子口調(但し凄みたっぷり)にもかかわらず、一旦戦闘が始まれば「沈め」「弱いのね」「つまらないわね。もっと骨のある敵はいないの」と威圧感たっぷりの台詞を披露。中破などしようものならば、服が乱れているにも関わらずほくそ笑んで記事冒頭の一言を呟くなど、クールでデレないドSな言動で素質のある一部提督に大受けしている。かくいう編者もべた惚れ。
……だが例の中破絵、実は不敵な笑みでなく<涙を堪えた何とも言えない顔>をしていたのである。セリフの勇ましさと通常グラフィックの解像度から勘違いした提督が続出していた(中破のまま改修を受けさせた提督は気づいたらしい)が、『艦娘型録』の発売によって笑顔でないことが確定した。このため強がりっ子の可能性も浮上している。ただくり返すがセリフは怖い。ちなみに普段でも秘書艦にしていると時々とっても不機嫌そうなドスの利いた声で「なんでしょうか、不知火に落ち度でも?」とか言ってくれる。怖い。
↓以下轟沈セリフあり(反転で表示)
こんな不知火さんだが、駆逐艦なので無理をさせるとあっさり沈んでしまう。放心して悲しみに暮れる提督の前で最後に、と「死なばもろとも……あなたも一緒よ……!」とあらゆる轟沈セリフの中でも群を抜いて凶悪な言葉を贈ってくれる。怖い。多分敵の深海棲艦に対して言っていることは理解できても、やっぱり怖い。
以上から、「戦艦クラスの眼光」がこの記事にリダイレクトされてるほど威圧感すごい。怖い。
一方で装備換装時に「あら、いい強化。感謝します」入渠時には「まだ航行できますが……ご命令ならば」などなど、提督を軽んじているわけでは決して無く、その忠義心の高さや堅物ぶりは個性豊かな艦娘たちの中でも際立っている。でも大人びた振る舞いに反して一人称は「不知火」。一人称は可愛い……えっ、あっ、睨まないで下さい不知火さん
この一人称のおかげか、ファンからの愛称は「ぬいぬい」。そして出撃の時に「すいらいせんたん(水雷戦隊)、出撃します!」と噛む。ああぬいぬい可愛い……すみません連装砲で殴らないで下さい
そういった幼さが残る部分も愛でたい、弄りたいという憲兵さんの指導待ったなしの提督も巻き込んで人気のある艦娘であるといえよう。
上記のような特徴的な性格から二次創作などでも多く登場し、小説「陽炎、抜錨します!」でも主人公陽炎の戦友として印象に残る姿を見せ、なんと十四駆メンバーを差し置いて2巻の表紙を飾っている。相方は圧倒的に陽炎が多いが(かげぬい)、最近は後述の早霜とのペアも認知されつつある(はやぬい)。キャラクターとしても厳格な軍人キャラからへたれ受けキャラまで幅広い。
いっぽう、レア駆逐艦雪風と同じ陽炎型であることから、同じ建造時間を持つ陽炎、黒潮ともども自己紹介台詞の頭文字をとって「yaggy」と呼ばれちょっとばかし疎まれていたようなこともあった。詳細は該当記事へ。
2014年夏になって、その最期を見届けた早霜が実装され、その時報セリフに不知火が登場した。一聴すると邪険にしているようで、実際にはもう不知火を巻き込むまいとしているとか考えると色々とはかどる。
2015年節分限定voiceで、この件からか不知火は鬼怒・早霜を探して豆を投擲するようになった。限定グラフィックは長くなかったが、2017年秋に「秋の私服mode」としてパーカーにリュック姿が実装されてとてもかわいい。
2018年、陽炎につづいて待望の改二が実装。よりキリっとしていてすごくかわいい。連装砲がC型改二となり手持ちになったためか白手袋は外してしまったが、黒の指ぬきグローブとなってより実戦的にぬいぬいかわいい。戦力としても陽炎改二と同等で司令部施設も装備可能になり、一部装備に+補正が付くようになった。補正内容は陽炎改二の項目を参照。徹底的に敵を追い詰めるぬいぬいカッコかわいい。
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関連静画が入ってます
良い関連商品ですね。助かります
あら……いい関連コミュニティ。感謝します
つまらないわね。もっと骨のある関連項目はいないの
陽炎型駆逐艦(陽炎型姉妹) |
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1.陽炎 - 2.不知火 - 3.黒潮 - 4.親潮 - 5.早潮 - 6.夏潮 - 7.初風 - 8.雪風 - 9.天津風 - 10.時津風 - 11.浦風 - 12.磯風 - 13.浜風 - 14.谷風 - 15.野分 - 16.嵐 - 17.萩風 - 18.舞風 - 19.秋雲 |
脚注
- *このときキスカから幌筵まで<不知火>を曳航したのが<電>なのです。ちなみに<電>はこの直前、<霞>も幌筵から石狩湾まで曳航してたのです。頑張ったのです。
↑ちょっとぉ、<霞>をキスカから幌筵まで曳航したのは<雷>なんだけど?。
↑おいおい、補修資材と修理要員を横須賀から連れて行ったのは<長波>様だぜ? - *このとき舞鶴海軍工廠はとにかく忙しく、<島風><初月><浜波><沖波>を建造中のうえ、<大潮>や<那珂>に加え<霞>の修理もしていた。さらに<不知火>達が修理に入った後に<初春>、<龍田>、<阿武隈>、<多摩>、<巻波>、<名取>とひっきりなしに修理にに来ている。このほか、後に<不知火>の最後を看取ることになる<早霜>もこの時舞鶴で建造されている。
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