不要不急とは、特に用事も無く特に急がないもの全般である。
概要
不要「特に必要のないもの」と不急「急がない物」が組み合わさった日本語で 、基本的には、生活(社会基盤)・生命(病院・保健)の維持以外に関わる物以外を不要とするが、この辺を突き詰めると、「500円のおやつ」の様に一体何が必要なのかの収集がつかなく議論しているだけで色んな物が終わらない。
「不要不急の○○を控えてください」という言い回しで用いられることが最も多い。「○○」に入る言葉の代表としては「外出」だが、それ以外にも「往来」「渡航」「出張」「受診」「面会」「通話」「電気の使用」などなどが用いられ、要するに「移動」「接触」「社会的リソースの消費」に関連した用語が伴うことが多い。すなわち、この言葉が用いられる場面は「移動」や「接触」に危険が伴ったり、あるいは社会的リソースを切り詰めなければならない状況、すなわち何らかの難事であることが多い。
Googleトレンドでこの言葉の使用状況をグラフ化しても、この言葉が急上昇した時期は災害や極端な悪天候など、何らかの危険が迫った時期に一致している。
2011年3月の急上昇はもちろん東日本大震災によるものである。2018年1月の上昇は首都圏を大雪が襲った際のもの。2018年9月の上昇は非常に強い勢力で日本に上陸した台風21号によるもの。
2020年2月以後に突然グラフが未曽有の急上昇をしているが、これはウイルス感染症「COVID-19」(いわゆる新型コロナウイルス感染症)の蔓延によるものである。この疾患の蔓延を食い止めるためには「社会的距離」を取ることが重要であると見なされ、「3つの「密」」などの標語とともに不要不急の外出の自粛が呼びかけられた。
またこのCOVID-19の蔓延状況においては、「不要不急の○○」の「○○」に入る言葉として、「外出」などのそれまでよく用いられていたものだけではなく「経済活動」「労働」「出勤」と言った言葉までが入れられていく[1]という、あまり類を見ない事態となった。
不要不急線
第二次世界大戦期にも「不要不急」の語は使われていた。代表的なものには鉄道における不要不急線の休止がある。
この不要不急線指定は国民の外出統制というよりも、金属回収令によるレールなどの供出という側面が強かった。また、重要度の低い路線を休止して軍事的に重要な路線へ資材などを注力させる意味もあった。
例えば北海道の札沼線はこの不要不急線指定を受け、当時の終点である石狩沼田駅から石狩当別駅までの区間が休止されていた(その後復活したが、2020年5月までに石狩当別駅~北海道医療大学駅以外の区間が廃止)。
またこの指定を受けてそのまま廃線となってしまった路線もあり、東急御陵線(現・京王高尾線の一部)の山田駅~多摩御陵前駅があげられる。
一方で指定を受けながらも単線化で済んだ例として、御殿場線などがある。また東急江ノ島線(現・小田急江ノ島線)も単線化されたが、その後複線に戻っている。
逆に一度指定を受けつつも結局休止されなかった例もあり、長野電鉄河東線(現・長野電鉄屋代線 その後廃止)が該当する。これは沿線の松代に大本営を建設するため。
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関連項目
脚注
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