世界まるごとHOWマッチとは、1983年~1990年に毎日放送製作・TBSテレビ系で放送されたクイズ番組である。放送時間は木曜22時→木曜20時。
概要
司会は大橋巨泉。
世界各地の変わった商品やサービスを取り上げ、その値段を当てるという型式のクイズ番組である。
レギュラー出演者として石坂浩二とビートたけしが出演。
石坂とたけしが巨泉に食って掛かるトークも番組名物となる。
そもそも、50歳でセミリタイアをするつもりでいた大橋巨泉は当初あまりこの番組に乗り気ではなく、この番組を始めるにあたって「(50歳になるまでの)1年だけやってもいい」「石坂浩二とビートたけしをキャスティングしろ」等の半ば無理難題な条件を提示し、時には毎日放送や制作担当のイースト(現イースト・エンタテインメント)のみならず東京キー局のTBSや電通までもが説得に乗り出すなど、各方面を巻き込んでワガママを言っては振り回した。しかし、巨泉は「HOWマッチ」を通じてたけしの才能に惚れ込み、結果的にセミリタイアの時期を5年延長させてまで番組を続けることになった。
その他、準レギュラーとしてチャック・ウィルソンやケント・ギルバートといった外国人タレントも出演。彼らも人気を博した。
出題VTRのナレーターを務めたのが小倉智昭である。
元々は東京12チャンネル(現:テレビ東京)のアナウンサーであったが巨泉に誘われフリーとなったものの、長らく不遇時代の続いていた小倉にとっては大転機となった番組の1つとなった。
時にコミカル、時にシリアス、状況によって声色を使い分けて軽妙にナレーションを入れる小倉が話題を呼ぶことに。
時期をほぼ同じくして始まった「タミヤRCカーグランプリ」(テレビ東京)、「パソコンサンデー」(テレビ大阪)と共に、ナレーターから徐々に番組司会へとその活動の幅を広げ、平日昼前の情報番組「どーなってるの?!」(フジテレビ)を経て、「情報プレゼンター とくダネ!」(フジテレビ)でその地位を確立させることとなる。
番組ルール
問題は1回の放送につき4問。回答する際の金額は日本円ではなく、取材した国の通貨に換算した上で回答する。出題時に当日の為替レートがアシスタントより発表され、現地の紙幣が紹介された。全員の回答が出そろうと現地の出題者がフリップをひっくり返して正解を発表、画面一杯にその金額がスーパーで表示される。
得点はゴルフのルールに倣った名前が付けられており、巨泉が最も正解の値段に近いと判定した回答者には「ニアピン賞」が、見事に値段をピタリと当てた回答者には「ホールインワン賞」が与えられた。
逆に、正解から2桁以上離れた回答を出してしまった者にはペナルティとしてニアピン賞を1個没収される「ロストボール」となる。
ホールインワン賞が出るとスタジオが暗転し、ホールインワン賞を出した出演者にスポットライトが当たり、テーマ曲をアレンジしたファンファーレが流れ、セットの電飾が激しく光って祝福される。巨泉によりインタビューと巨大ニアピントロフィーと目録が贈呈された。
得点としてはニアピン賞10個とホールインワン賞1個が同じ価値とされ、これらを取ると番組から世界一周旅行が贈られた(実際には成田を出て好きな所を選んで成田に戻る権利)。なおニアピン3個で韓国や香港、シンガポールなどのアジア旅行。ニアピン5個でハワイ旅行。ニアピン7個でアメリカ西海岸旅行と交換もできた。
なお、ニアピン賞までは行かないもののそこそこ惜しい答えだった場合は「仮」が与えられ、同じ放送回にもう1回「仮」が出た場合は2回合わせてニアピン賞1個という扱いとなる。
レギュラー陣限定ルールとしてニアピンがゼロの状態でロストボールを出すとマイナスポイントとしてデビル人形が置かれる。ビートたけしがニアピンゼロの時に取られない事をいい事にムチャクチャな回答をしたためマイナスポイント制度が導入された経緯がある。この時点でニアピン賞を獲得するとデビル人形と相殺されて0に戻る。
週替わりのゲストや外国人枠のためにセットにはニアピンの保管棚、ロストボールで没収したニアピンの保管棚も存在していた。デビルが相殺されるとデビル人形がロストボール棚に置かれる。ゲストでロストボールが嵩むとロストボール棚に名前と共にニアピンが並び不名誉な状態となってしまう。高峰美枝子は1回の放送で3回のロストボールを記録している。
番組終了
1990年、55歳を迎えた巨泉がかねてより考えていた「セミリタイヤ」を宣言し、レギュラー番組をすべて降板。
当時同じく司会を務めていた「クイズダービー」は徳光和夫に司会を譲って番組を継続したが、「HOWマッチ」に関しては一度番組を終了し、山口美江司会のクイズ番組「世界まるごと2001年」にリニューアルすることなった。
そのため、番組終了の原因としてありがちな視聴率低迷や不祥事による打ち切りではなく、番組人気を維持したままでの終了という珍しいパターンで同年3月に終了した。
最終回は2時間スペシャルで放送され、前半は名場面集。中盤以降は名場面を振り返りつつ、石坂・たけしに常連ゲスト3名を加え1問ずつ交代で進行した。ニアピンはなく、ニアピンに準ずる回答の場合は問題が出題された当地への旅行がプレゼントされた。
関連動画
関連項目
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