世界五大厄とは、漫画『キン肉マンII世』に登場するキャラクター、ライトニングとサンダーによるタッグチームである。
本稿では、ライトニングとサンダーの個別記事も兼ねている。
概要
物語の第二部にあたる究極の超人タッグ編から登場するキャラクターたちであり、「キン肉マンII世」全体を通してのラスボスである。残虐超人の変種である時間超人であるが、ライトニングとサンダーは能力を悪用し、全宇宙を支配して21世紀の世界を悪行超人の楽園に変えてしまおうと目論む悪行・時間超人である。万太郎たち新世代超人が住む時間軸よりも遥か未来の住人。目的のためには手段を選ばず、作中でもトップクラスの極悪非道っぷりを見せている。
タッグチーム名は「地震・火事・疫病・戦争」に匹敵する5番目の災厄という意味が由来。本人たちが言うには長年チームを組んでいるらしく、お互いのことを「兄弟」と呼び合う程チームワークは高い(正義超人のような友情の絆で結ばれているわけではない)。
個々の超人強度は特筆して高いわけではないが、2人とも悪行超人でもトップクラスの実力者であり、エキゾチック物質を使った特殊能力やチートアイテムを使用することによって伝説超人や新世代超人を苦しめる。彼らの戦闘力はネプチューンマンの「審判のロックアップ」で測れないほど未知なものであり、超人強度にこだわる従来の超人たちを馬鹿にしている。……と劇中で描写されていたのだが、後に設定された彼らの超人強度は十分に高いものだった。
ネプチューンマンは、彼らを支えているものは強さではなく、純然たる殺意であると分析している。
正義・時間超人の国であるアヴェニール王国を襲撃し、国王のミニッツ・アヴェニールを惨殺。カオス・アヴェニール以外のアヴェニール一族を皆殺しにすることで王国を滅ぼすと、キン肉マンたち伝説超人を滅ぼして歴史を改変するために1983年の宇宙超人タッグ・トーナメント終了後にタイムワープ。さらに、トロフィー球根を手に入れることで超人界の覇権を自分たちのものにしようと企てる。
ライトニング
説明
スピードのあるファイトと狡猾な頭脳プレイを得意とする生粋の悪行・時間超人であり、世界五大厄のリーダー兼司令塔。笑い声は「ジョワジョワ」。当初はオーバーボディを着用していたが、キラーエリートとも呼ばれる真の姿は痩せた色白の悪魔のような不気味な風貌をしている。なお、真の姿を披露した当初はビキニパンツ姿だったが、流石に気持ち悪いと不評だったのを考慮してなのか、準決勝以降はロングタイツに変更されていた。
いわゆる知能犯タイプで、相手を精神的に追い詰め最大限に苦しめることを好む残忍な性格。作中で仕掛けた新世代超人と伝説超人の仲違いやケビンマスクを人質に利用すること、キン肉マンに呪いをかけること、自分たちの優位なデスマッチを提案するなどの卑怯な作戦はだいたいこいつが立案している。王位争奪編で数々の姑息な手段を講じたキン肉マンスーパー・フェニックスをさらに悪辣にしたキャラである。自らの策に溺れて詰めが甘いところがあるのもフェニックスと似ている。
本人いわく、天涯孤独の身であり、サンダーと違って愛や友情を全く知らず、親の顔さえも知らない。作中でも背景や生い立ちなどは明らかにされていない。だが、心の奥底には相棒サンダーに対する信頼や家族に対する憧れもあったようである。
プロフィール
サンダー
説明
世界五大厄のパワー担当。たくましい体を持った巨漢であり、マンモスマンとの真っ向勝負でも互角以上に渡り合えるほどの怪力の持ち主。マッスル・ミレニアムを喰らってもダメージをほぼ受けないほど耐久性も高く、パワーファイターながらも俊敏な動きも見せる。笑い声は「ヌワヌワ」。
ライトニング同様、当初はオーバーボディを着用していたが、その正体は獅子型の金マスクを着用し、ギリシャの古代戦士を思わせるようなコスチュームを着用している。正体を現してからは獅子の爪で相手を切り裂く攻撃も繰り出すようになる。知能犯であるライトニングとは対照的に、粗暴で短気な性格をしている。反面、精神的に不安定な一面もあり、過去のトラウマを刺激されると怒り狂って暴れまわる。ちなみに、幼少の頃の風貌から素顔もライオン顔だと思われる。
出身は美人が多いらしいポピュ星。正義超人である母ソフィが悪行・時間超人に誘拐され強姦されたことで生まれた子であり、一応母の愛情を受けて育てられた。しかし、父親譲りである魔時角が生えてきたことで襲われたトラウマが蘇った母はサンダーを捨てて失踪してしまう。これがきっかけで親子の絆に深い憎しみを抱くようになり、悪行超人の道へ進むこととなった。正義超人と時間超人のハーフのため、純粋な時間超人であるライトニングほどエキゾチック物質を生成することができない。
悪行・時間超人になってからは自らを天涯孤独の身と語り、相棒のライトニングにすら自分の素性を明らかにしていなかった。決勝で出生の秘密が明らかになったことが世界五大厄の不協和音に繋がり、ザ・坊ちゃんズに突破口を与えてしまう。
プロフィール
作中での活躍
大会前
魔時角の悪用を禁じるアヴェニール一族の方針に反発した2人は、アヴェニール王国を襲撃。国王であるミニッツ・アヴェニールを死時計の刻印で虐殺し、たった3時間で王国を滅ぼしてしまう。そして次の目的であるキン肉マンたち伝説超人の殲滅のために1983年の世界へとタイムワープする。その際、一族で唯一生き残った当時7歳の王子カオス・アヴェニールのことは無害だと判断し、殺さずに放置している。
タイムワープをした2人はアヴェニール王国を滅ぼしたことで追われる身となり、タイムワープを邪魔されることを避けるためにオーバーボディを着用していた。宇宙超人タッグトーナメント終了後のキン肉マンたちの前に現れると、「"伝説"破壊鐘」を使って伝説超人たちのトラウマを呼び起こし戦闘不能にしてしまう。仮面を付けていなかったことで唯一効力を受けなかったロビンマスクが戦いを挑んでくるが、死時計の刻印によって殺害。同時に21世紀の世界では、タイムパラドックスによってロビンの息子であるケビンマスクの肉体が消滅し始める事態が起こる。
ケビンを救うために21世紀からタイムワープしてきたキン肉万太郎たち新世代超人によってロビンマスクの殺害は阻止され、またもや歴史は改変される。しかし今度はロビンの妻であるアリサが死時計の刻印を受けて重体に陥り、ケビン消滅は阻止されなかった。このときライトニングの策略によって新世代超人は伝説超人から敵視されてしまい、両者の仲違いを引き起こす。伝説超人、新世代超人、時間超人と入り乱れたことで事態は混とん化し、宇宙超人タッグトーナメントのやり直しとして究極の超人タッグ開催が決定する。
間引きバトルロイヤル
大会の前夜、究極の超人タッグに参加しようとしていた20組以上のチームをトレーニング代わりに手にかけている。さらに、新世代超人たちがタイムワープしてきたタイムシップからケビンマスクをクリアベッドごと拉致。入場式の際には、ケビンが入ったクリアベッドをサンダーが抱えたまま入場し、ロビンや新世代超人たちに揺さぶりをかけている。
4チームが間引かれるルールとなった間引きバトルロイヤルが開始されると、ケビン救出で一枚岩になるはずだった新世代超人たちの結束が乱れていたところに便乗し、キン肉万太郎とキン肉マングレートⅢ(カオス)のマッスルブラザーズ・ヌーボーに襲いかかる。カオスが作ろうとしていたフィギュアを壊すことで挑発し、サンダーはカオスの手ごたえの無さに呆れてしまう。さらに、イリュージョンズ(字・アルファベット&マスターシャッフル)を殺害することで間引く。
1回戦
組み合わせ抽選によってシード権を得たことで本来1回戦は試合が無かったが、欲に目がくらんだハラボテ・マッスル大会委員長の発案で開催が決定したリザーブマッチに出場を立候補。同じく出場を志願したザ・テガタナーズ(ブロッケンJr.&ジェロニモ)と戦うことになる。
序盤はサンダーがテガタナーズに攻め込まれる展開となるが、「"伝説"破壊鐘」を使用。対戦相手の2人のみならず、試合会場にいた伝説超人並びにカオスがトラウマに苦しむようになる。しかし、間引きバトルロイヤルで顔の皮を剥がされたイリューヒンとバリアフリーマンの生霊?が激励したことで復活したジェロニモの「アパッチの断末魔」によって"伝説"破壊鐘が破壊される。力を使い果たしたジェロニモをサンダーが攻め立てるが、復活したブロッケンが眠っていた才能を開花させ、反撃を受ける。だが、交代で入ったライトニングがアクセレレイション(加速能力)使用し流れを取り戻すと、サンダーの爪によってブロッケンの胸を切り裂き、大きなダメージを与える。諦めないテガタナーズのツープラトン「友情の涙雨」をライトニングが喰らうが、たいしたダメージは受けず、逆にツープラトン技「正義崩壊の終曲」によってテガタナーズをKOする。さらに、死時計の刻印によってブロッケンの右腕を切断。テガタナーズは先の戦いで負った重傷を抱えたまま出場していたが、時間超人の圧勝という結果に終わった。
2回戦
2回戦ではジ・アドレナリンズ(ロビンマスク&テリー・ザ・キッド)と対戦。試合会場にはロビンがかつてアトランティスに負けたトラウマのある不忍の池特設リングを指定し、さらにケビンのクリアベッドを天井に吊るすことでロビンが思い切った攻撃をできなくなる卑劣な戦法を仕掛ける。いや、さすがに止めろよ委員長。明らかに有利なリングでの優位性を利用し序盤からロビンを痛めつけるが、意を決したロビンはクリアベッドをケビンごと池に放り投げる。アドレナリンズの反撃を凌ぎ、ライトニングがロビンを水中へ落とすが、水中でロビンは高濃度の酸素吸入が可能なケビンの仮面と交換することで水中戦への苦手意識を克服。反撃に出たアドレナリンズの関節技の共演に捕まってしまい、ライトニングがロビンの必殺技タワーブリッジを受けてしまう。
だが、タワーブリッジで真っ二つにされるかと思われたライトニングはオーバーボディを粉々にして真の姿(キラーエリート)を現すと、さらに強化されたアクセレレイションによってタワーブリッジから脱出する。さらにサンダーも獅子の爪によってキッドの腹部に重傷を負わせる。その場にいる全超人に対して高らかに宣戦布告すると、正義崩壊の終曲によってロビンとキッドを戦闘不能に追い込む。さらに、死時計の刻印によってロビン殺害を企てるが、キッドに阻止されてしまう。それでも、アドレナリンズの2人に戦う力は残されておらず、試合時間わずか11分という圧勝でアドレナリンズ相手に勝利する。そして、再びケビンをクリアベッドごと連れ去ってしまう。
2回戦の全試合が終了した後、ネプチューンマンとマンモスマンと一時的に協力関係となり、邪悪な心を持った4人によって大魔王サタンを召還する。ライトニングの言葉によってサタンは「黒後家蜘蛛」を作り出し、悪行4人は儀式によってキン肉マンに呪いをかける。目的が完遂できたことを確認すると、用済みとなったサタンを消滅させてしまう。サタン様のぞんざいな扱いは後のシリーズの伏線となるのであった。
準決勝
準決勝の前日、決戦に向けて特訓を行う他チームをよそに森林で一族に伝わるメンタルトレーニングにより合理的な準備を進める。その中で、あのナポレオンが実は時間超人の遠い先祖だったというオモシロ起源説を口にする。
綱引きによる組み合わせ抽選により、準決勝はネプチューンマンとマンモスマンの新星ヘル・イクスパンションズと第2試合で対戦することが決定。第1試合が終了し、3時間のインターバルの間に控室へ戻ろうとしたとき、自分たちに取り入ろうと近づいてきた悪行超人たちをサンダーがハグをするフリをしたベアハッグによって惨殺してしまう。この非道な行いに怒り心頭のカオスが控室へ殴り込みをかけてくる。カオスがアヴェニール一族の生き残りであり、あのとき見逃した子供の成長した姿だと聞かされると、両親を殺害された復讐心を抑えきれないカオスと一触即発となる。そこへトイレと間違ったという苦しい言い訳をした万太郎がカオスを止めに入り、ハラボテも騒ぎを聞きつけてやって来たことでその場は収まる。
そしてようやく「最凶最悪決定戦」のときがやってくる。リングイン前に新星ヘル・イクスパンションズの奇襲を受けることになった中、ネプチューンマンが宇宙超人タッグ決勝でザ・マシンガンズに敗れたときと同じ「ソード・デスマッチ」を提案し、受理される。まずはマンモスマンとサンダーのパワーファイター同士の迫力のある戦いが繰り広げられ、その後喧嘩ボンバーを放つネプチューンマンの左腕を痛めつけにかかる。それでもお構いなしに放ってきたオプティカル・ファイバー・クロスボンバーをライトニングはアクセレレイションによってあっさりと攻略。さらには技の弱点まで見破ってしまう。
だが、マンモスマンのノーズ・ブリージングによってエキゾチック物質を凍結され、アクセレレイションを封じ込められてしまう。さらに、覚醒したマンモスマンの圧倒的なパワーの前に苦戦。すると、エキゾチック物質によって富士山の時間を活動期に戻すことで噴火させるトンデモ技を披露し、溶岩によってイクスパンションズにダメージを与える。苦戦していたマンモスマンをダウンさせるほど追い詰めるが、富士山の時間を戻したことによってマグネットパワーが復活したネプチューンマンの反撃を喰らう。だが、パートナーを助けるという完璧超人の理念に反した行動に出たネプチューンマンに対し不信感を抱くようになったマンモスマンは、裏切りのクロスボンバーによってネプチューンマンの左腕を破壊。造反したマンモスマンは、一方的に三下り半を叩きつけて試合放棄を宣言し、謎のフード男に連れられて会場から姿を消す。
左腕を破壊されたうえに、1人になってしまったネプチューンマンに対して容赦ない攻撃を加え、2vs1によるリンチ状態でなぶっていく。自分の行いの贖罪のためにも戦う意思を貫くネプチューンマンだったがもはや戦う力は残されておらず、必殺の死時計の刻印によって弱っていたネプチューンマンの心臓を貫き、最凶最悪決定戦を制する。試合が終わりすでに心臓が止まっているネプチューンマンの体を富士山火口に捨てようとする。カオスの助けによってネプチューンマンは一命をとりとめるものの、エキゾチック物質を使い果たしたカオスは命を落としてしまい、結果的に決勝を自分たちに優位なものにする。
決勝
決勝を前に例のごとくイメージトレーニングを行うが、そこでカオスが死んだことを知り、嘲笑う。その一方で相手が万太郎1人になったとしても侮ることはせず、気を引き締めていた。また、ウォーズマンのデバイスによって肉体が復活したケビンマスクがイクスパンションズとの試合中に脱走していたが、もはや人質の必要性はないという判断から探すことはしなかった。
三本勝負となった決勝は予想通り一人マッスルブラザーズ・ヌーボーとしてリングに上がったキン肉万太郎とのハンディキャップ・マッチになると思われたが、試合のゴングが鳴る前ににセオリー無視で攻撃を仕掛けた万太郎を捕らえたところでキン肉マングレートの姿をした超人が乱入してくる。万太郎がグレートをカオスだと認めたことで試合は本来のタッグマッチで行われることに。だが、グレートがカオスではないと見抜いたライトニングは時間超人に伝わるクイズによってグレートの正体が脱出していたケビンマスクであることを暴く。万太郎とケビンのザ・坊ちゃんズは早々に仲間割れを始め、ケビンとのタッチを拒否する万太郎を痛めつける。グロッキー状態の万太郎に対して死時計の刻印を放ち、ケビンのカットによって命は奪えなかったものの、左脇腹に重傷を負わせる。ダウンした万太郎は10カウントで立ち上がれず、一本目を先取する。
インターバル中に坊ちゃんズは和解し、二本目が開始。ケビンの「ひっつき虫作戦」によってアクセレレイションが攻略されたかと思われたが、アクセレレイションのスピードアップによって発火させることでひっつき虫作戦を逆に攻略する。さらに、一本目の死時計の刻印を受けた万太郎の左脇腹の出血が悪化したことで優位に試合を進めるようになる。ケビンが悪行超人時代のファイトを解禁し、必殺技のOLAPを繰り出すも、サンダーはダメージを受けず、正義崩壊の終曲で坊ちゃんズを仕留めにかかる。だが、火事場のクソ力と大渦パワーによって巻き起こした風によってエキゾチック物質が吹き飛ばされ、アクセレレイションが完全に攻略されてしまう。流石にこれで形勢が不利になるかと思われたが、奥の手である「肉体時計逆回転(ボディクロックバックスピン)」と使って肉体の受けたダメージを全回復させてしまう。いやいや、さすがにそれはなしやろ!だが、神業に等しい技を使った代償として2人の体への負担が大きくなり始め、瀕死のダメージを受けながら何度も立ち上がってくる万太郎とケビンの姿に精神状態が揺らぎ始める。特にサンダーはエキゾチック物質を生成できなくなり、必殺の死時計の刻印を失敗してしまう。さらに、坊ちゃんズのNIKU⇒LAPによってサンダーがKOされ、二本目を取られてしまう。
失態を犯したサンダーを脚蹴りにしたライトニングは、「こいつはもうダメだ」とパートナーを見限ってしまう。万太郎、サンダーがダウンした状態のため三本目はケビンとライトニングのシングルマッチのような形で開始する。ケビンを追い詰めるが、復活した万太郎によって阻止され、ライトニング1人による死時計の刻印を万太郎に放つが、技を返されてしまう。精神的に弱っていたライトニングは、見限ったはずのサンダーに思わず助けを求めてしまい、心の奥底ではサンダーを信頼し続けていたことが明らかになる。パートナーの信頼の声を聞いたサンダーは立ち上がり救出に入るが、坊ちゃんズの放った「マッスル・キングダム」によって2人ともKOされ、敗北。
試合後、ライトニングとサンダーの体は肉体時計逆回転を多用した影響によって一気に衰弱して年老いた姿となっており、瀕死の状態となっていた。二人の体を回復させようと考えた万太郎は、トロフィー球根をちぎって2人に食べさせる。これによってサンダーの体は回復するが、時間超人のプライドからライトニングは吐き捨ててしまう。そして、サンダーと最後の会話を交わしたライトニングは、自ら富士山の火口へと身を投げ、命を絶つ。パートナーの死に号泣するサンダーは後を追おうとするが、万太郎とケビンの説得によって思いとどまる。しかし、タイムシップのエネルギーが空になって未来に帰れなくなった新世代超人たちのために体内のエキゾチック物質を全て放出することでタイムシップを動かし、サンダーもまた息絶えるのであった。
評価
キン肉マンⅡ世におけるラスボスとして描かれた超人たちだが、実際のところ評判はあまりよろしくなく、究極の超人タッグ編そのものが不評な原因のひとつとしてたびたび挙げられている。そのおもな要因を挙げてみると
- チート能力とチートアイテムの多用
- 王位争奪編の知性チーム以上に姑息な手段を多用
- 上記によってロビンマスクやネプチューンマンが悲惨な扱いを受けたこと
- 不評にも関わらず、作中彼らの試合が4試合も描かれたこと
などである。もちろん、彼らだけが究極の超人タッグ編が不評だった戦犯というわけではない。
万太郎のセイウチンに対するいじめのような仕打ちに対してフォローが無かったこと、散々成長を描いていたカオスを途中で退場させたこと、ネプチューンマンのキャラ崩壊レベルの悪辣化、マンモスマンの二度の裏切り、1試合1試合の尺が異常に長すぎたうえに試合以外の話にまで尺を使いすぎて1シリーズだけでコミック28巻分も費やしたことなど様々である。
逆に、
など世界五大厄を高く評価する声も多い。
ただ、原作者も不評だった意見を重く受け止めたのか、連載終了後にスタートした『キン肉マン』の新シリーズ「完璧超人始祖編」では、世界五大厄と対照的な姑息な手を一切使わない、真面目すぎるが故に歪んでしまった威厳のあるキャラクターをラスボスとして登場させている。
ライトニングとサンダーの反省を踏まえたからこそ、次のシリーズが大好評だったという意見も見られる。
必殺技・能力
タッグ技
- 死時計の刻印
- 世界五大厄最大のフィニッシュ・ホールド。サンダーが逆さ状態にした相手を抱え上げたままブリッジすることで土台となり、サンダーの太ももに手を付いて倒立したライトニングが両足を「両足の針(フット・ニードル)」と呼ばれる鋭い時計の針へ変化させ、相手の体を突き刺す。
本来は相手の心臓を貫き、一撃で命を奪う技だが、ブロッケンJr.に使用したときは照準を絞って右腕を切断している。 - 新・死時計の刻印
- 通常は相手1人を貫く技である死時計の刻印のライトニングの足を二つに分けることで二人同時に貫くバージョン。
- 正義崩壊の終曲
- 世界五大厄のもう一つのフェーバリット・ホールド。アクセレレイションによって合体し、各々が相手をリバース・フルネルソンの体勢で回転しながら空中へ放り投げ、同じくジャンプしたライトニングが相手2人の片腕と片足を掴んでエビ反り状態にして落下。下で仰向けになって待ち受けるサンダーの両足に叩きつける。
技名は、かけた相手の属性によって変わるらしく、ネプチューンマンに仕掛けたときは「完璧崩壊の終曲」(パーフェクトほうかいのフィナーレ)になり、試合前のイメージトレーニングの時には「世界崩壊の終曲」となっていた。連載初披露時は、「正義崩壊の序曲」という技名になっており、ネーミングがこれほど定まらない技も珍しい。 - 雷三角絞め
- 2人で1人の相手を同時に決めるダブルの三角絞め。両側から相手を引っ張るような形になり、有名な大岡越前の「大岡裁き」を思わせる。
一度目の歴史改変の際には、この技でロビンマスクを失神させている。 - ハイボルテージ・クラッシュ
- サンダーがパワーボム、ライトニングがエクスプロイダーをそれぞれ仕掛け、そのまま相手同士の頭部を激突させる技。
- 魔境・時間旅行
- アクセレレイションによって捕らえた相手を2人同時にジャーマン・スープレックスを仕掛け、互いの頭を激突させる。巌流島コンビのレインボーブリッジ・スープレックスの加速版。
- ディザスタープレス
- ライトニングが相手を空中でウラカナン・ラナに捕らえ、下でサンダーがもう一方の相手をボー・アンド・ローに捕らえて待ちかまえ、ライトニングが落下することで両者を激突させる。
- アトモスフィア・クラッシュ
- ライトニングが相手を首四の字に捕らえたままジャンプし、さらにサンダーも飛び上がってネックブリーカードロップの形で合体し、そのまま落下する。
- ディザスターズ・ドライバー
- 相手1人を2人で逆さまにして担ぎ上げ、ジャンプして尻餅をついて相手を頭からマットに叩きつける。
- 巨獣火葬落とし
- ライトニングが相手の首を両足でロックした状態で、 サンダーがライトニングをリバース・フルネルソンで抱きかかえ、 そのまま相手を頭部から落下させる。
- ディザスターズ・コースター
- コーナー最上段でライトニングがトップロープを掴んで倒立しながら開脚し、ここにサンダーもライトニングの足を掴んで倒立。このままサンダーに押し出されたライトニングが遠心力とロープの伸縮性を利用して両足蹴りをコーナーにもたれかかっている相手の顔面に叩き込む。
ブロッケンJr.のハンブルクの黒い霧をタッグで実現させたような技であり、万太郎のマスクに亀裂を入れる程の威力がある。 - クロック・キャノン
- 対角線上のトップロープで互いに相手を抱え、ロープの反動を利用しながら同時に飛び上がって相手の頭と頭を激突させる。
- ディスターズ・メリーゴーランド
- 互いの足首をつかみ合って車輪を作り、回転しながら相手に体当たりをする。ザ・坊ちゃんズの超人メリーゴーランドに対抗するために繰り出した。
- トゥエルブ・オクロック・クラッシュ
- 空中で互いに一人ずつ敵の両足をクラッチし、 敵の体同士をおもいきっりぶつけ合う。
- ツーフォーティーファイブクラッシュ
- 空中で互いに相手の両膝を掴み、回転しながらジャンプして相手の足と足をぶつけると同時に四の字に絡めさせ、そのままショルダーバスターの体勢に切り替えて落下し、絡んだ足の部分をリングの鉄柱にぶつける。相手の足はもちろん、首や背骨にもダメージを与えることができる。
ライトニングの必殺技
- 煮えたぎる鎌
- 下腕部から飛び出す鎌状の刃物。すれ違い様に 対象を切り裂き、一撃で相手に致命傷を負わせる。キラーエリート時は鎌が熱く煮えたぎっている。
なお、オーバーボディ装着時は「ライトニング・カッター」もしくは「アメージング・カッター」という名称になっている。
ジョジョ2部に登場するカーズの「輝彩滑刀」を思わせる技である。 - フォーポイント・インパクト
- 空中に飛び上がった後、両手両足を突き出した体勢で相手に向かって落下し、一度に四発の打撃技を繰り出す。
- フォーポイント・シックル・インパクト
- 煮えたぎる鎌(ボイリング・シックル)を出した状態で放つフォーポイント・インパクト。手足の計4本の刃で同時に対象を突き刺す。
- ライトニングビート
- ロープの反動を利用しながらドリルのように回転し、トペ・スイシーダの要領で相手に頭からダイブする。
- ノースサウスヘッドバット
- ジャンプして落下しながら相手に放つヘッドバッド。
- 腕絡みスープレックス
- 相手の両腕をハンマーロックによって固定し、その状態のまま後方へと投げ飛ばす。
- ホット・ロック・ジャイロ
- シックス・ディザスターによって噴火させた富士山の溶岩の塊を相手に投げつけるトンデモ技。あのマンモスマンですらダウン寸前に追い込まれた。
- 死時計の刻印
- 本来はツープラトン技だが、サンダーを見限ったライトニングが相手の頭と両足をリングにめり込ませブリッジ状態に固定し、トップロープから倒立することによって一人で実現させた。しかし、サンダーのときほど土台が安定しなかったため失敗し、坊ちゃんズに敗れる原因となってしまった。
サンダーの必殺技
- 獅子の爪
- 左肩に装備した肩当てから巨大な獅子の爪を出し、その爪によって相手を鋭く切り裂く技。大魔王サタンさえもこの技で切り裂いている。
- 獅子のひと撫ぜ
- 空中から前転を行いその勢いのまま狙った敵を獅子の爪(リオン・フィンガー)で突き刺して切り裂き、行動不能にする技。
- 獅子の権威
- 相手の足を逃げられないようにロックし、その状態のまま獅子の爪(リオン・フィンガー)で容赦ない攻撃を加える拷問技。
- カラミティー十字架
- 相手二人を十字に重なるようにキャッチし、同時に後方に投げるスープレックス。作中でもトップクラスの怪力を誇るサンダーならではの荒技であり、オーバーボディ装着時の最大の技ともいえる。
バッファローマンの超人十字架落としと似ているが、あっちは真っ逆さまに落下させるのに対し、こちらはスープレックスで放り投げている。 - 雷の槍
- 鋭い爪の生えた両足で放つドロップキック。
- リオン・クリニエール
- 鬣を回転させることによってノコギリ状にして相手を切り刻む技。マンモスマンのブランチ・タスクを迎撃し切断している。
- サンダービート
- ロープを身体に巻きつけ、ロープの勢いを利用して体を回転させながら飛び上がって体当たりをする。「ライトニングビート」のサンダーver.
- クォーラルクラッシュ
- 宙返りしながら飛び上がって腕に対して 頭から落下する。ネプチューンマンの左腕を痛めつけていたときに使用。
特殊能力
- 加速能力
- 時間超人の代表的なチート能力。エヴォリューションマウスピースと呼ばれるマウスピースを噛むことによってエキゾチック物質を頭部の鍵穴から噴出し、肉体の周りの時間軸をコンマ1秒程ずらし未来へと移動する。これによって伝説超人たちのフェーバリット・ホールドの数々から脱出し、世界五大厄の代表的なツープラトン・ホールドもこの能力が前提となっている。
- タイムワープ
- 頭部に生えた魔時角(まじかく)と呼ばれる角をへし折ることによって生涯に一度のみタイムスリップできる能力。ライトニングとサンダーは、この能力を使って1983年の過去の世界へとやって来た。
- “伝説”破壊鐘
- 能力というよりは普段はサンダーが所持しているチートアイテムであり、サンダーが打ち鳴らすことで破壊共鳴波を発生させ、予めインプットしていた伝説超人の過去のトラウマを呼び起こすことにより、行動不能に陥らせる。
また相手に打ち付ける凶器としても使用している。
イリューヒンのボイス・レコーダーに共鳴したジェロニモのアパッチの断末魔によってシリーズ序盤で破壊されている。 - スリラリールリクトリー
- 両目から光を発射して、血を媒介にして元の超人をバーチャルとして具現化させる。ライトニングとサンダーは、これを使って対戦相手とのイメージトレーニングを行っている。
- シックス・ディザスター
- 体内に蓄えられているエキゾチック物質を放出することによって周辺一帯の時間軸を変化させる。これによって富士山を宝永の大噴火が起こった江戸時代の活動期に戻すことで噴火させ、マンモスマン攻略に利用している。もっとも、先の宇宙超人タッグ決勝でキン肉マンによって封印されたネプチューンマンのマグネットパワーまで復活させてしまった。大技のためエキゾチック物質を大量に消費する。
- 肉体時計逆回転
- 時間超人の奥の手であるチート中のチート技。エヴォリューションマウスピースを逆さに咥えることにより放出したエキゾチック物質を鍵穴に戻し、自分の肉体を前の時間に逆戻りさせる。つまりは、試合で受けたダメージを全回復させ、無かったことにしてしまう。
この能力によって読者は対戦相手はげんなりさせられ、心が折られてしまう。
もっとも神業にも等しい難作業のためその代償も大きく、肉体への負担がきわめて強い。究極の超人タッグ決勝の後、これを多用したことでライトニングとサンダーは体が衰弱して老人のようになっていた。結果、回復技なのに消耗する自殺行為という意味が分からん事になった。このことについてライトニングは「神の定めた摂理に逆らった者への罰」と表現している。
関連項目
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 7
- 0pt