両国ピーターパンとは、DDTプロレスリングが2009年より毎年夏に開催する同団体における年に一度のビッグマッチである。
2009年〜2011年は両国国技館、2012年は旗揚げ15周年として日本武道館での開催となり、2013年からは再び両国国技館での開催となった(2013年は2日間興行を開催)。
概要
2008年12月28日のDDT後楽園ホール大会において、翌年の両国国技館への初進出が決定。翌年、大会名も「両国ピーターパン 〜大人になんてなれないよ〜」に決定。
当時はPRIDEの消滅やプロレス人気の低調な時期であり、団体の状況を一歩上のステップへのし上げるための大勝負でもあった。
両国ピーターパン 〜大人になんてなれないよ〜
2009年8月23日に両国国技館で開催され、今大会がDDT初の両国国技館でのビッグマッチとなった。
大舞台にふさわしく、挑戦者が一定の間隔で続々と入場するロイヤルランブル方式を採るアイアンマンヘビーメタル級選手権試合、「黒のカリスマ」蝶野正洋のDDT初参戦に象徴される大物・レジェンドレスラーの参戦、メインイベントのKO-D無差別級選手権試合、開幕セレモニーの肛門爆破、開幕前のダークマッチなど、現在に至るDDTビッグマッチのひな形がここで形作られたと言っても過言ではない。
大会はスカパーの格闘技専門チャンネル・FIGHTING TV サムライで独占中継され、入場者は8865人(超満員札止め)を記録した。
両国ピーターパン2010 〜夏休み ああ夏休み 夏休み〜
前回の大会終了後に発表され、2010年7月25日に開催された2度目の両国大会。観客動員数は8800人(超満員)を記録。
この時期は大日本プロレスの関本大介が”外敵王者”としてKO-D無差別級王者に君臨。団体一丸となっての王座奪還に乗り出した。前回同様、中澤マイケルの肛門爆破による開幕セレモニーで始まり、相手タッグチームを次々に倒さなければ先に進めないガントレットタッグマッチ方式の次期KO-Dタッグ選手権挑戦者決定戦、3WAY方式を採用した6人タッグ三冠統一選手権、男色ディーノとレイザーラモンHG・RGとのハンディキャップマッチなど、前回以上に密度の濃い激闘が繰り広げられた。
今大会の目玉は、何と言っても男色ディーノとレイザーラモンHG・RGとのハンディキャップマッチであろう。HG、ディーノとも関西学生プロレス界の人気レスラーでありながら、1度も対決が実現しなかった、まさに「15年越しの完全決着戦」である。
その激闘はDVDを観てもらうとして、内容はまさに「今大会屈指のベストバウト」にふさわしいものになっている。
試合後HGは、復帰を熱望する天龍源一郎からのビデオレターにも感銘を受け、名言は避けたものの、「いつになるかわからないが、再びプロレスに復帰して、またプロレス界を盛り上げたい!」と確約した。
なお開幕セレモニーは、「ケロちゃん」こと田中秀和氏がスペシャルリングアナとして登場、前回参戦した蝶野正洋が爆破スイッチを押すという大物ゲスト参戦で、異例の盛り上がりとなった。
この他、開幕セレモニー前にダークマッチとして、両国国技館全体を用いたCMLL認定KO-Dタッグ選手権・エニウェアマッチ(国技館内ならどこでも試合でき、なおかつフォールできる形式)も行われた。
両国ピーターパン2011 〜二度あることは三度ある〜
2011年7月24日に開催、観客動員数は8660人(超満員)を記録。
本年度の肛門爆破は現役引退のため世界中を転戦するディック東郷により盛大に行われた。ロイヤルランブル方式によるアイアンマンヘビーメタル級選手権試合、4WAYタッグ方式によるKO-Dタッグ選手権、高木三四郎の宿敵、鈴木みのるも参戦した5vs5イリミネーションマッチ、飯伏がプリンス・デヴィッドを迎え撃つIWGPジュニアヘビー級戦、男色ディーノとボブ・サップとのスペシャルシングルマッチなど、今回も趣向を凝らした試合が展開された。
全試合終了後に、「2012年の日本武道館初進出」が決定。これが後に、2012年夏のDDT旗揚げ15周年記念興行「武道館ピーターパン」となった。
両国ピーターパン2013〜プロレスの傾向と対策〜
2013年3月に入って、同年8月17・18日の両国2日間興行の概要が発表され、1日目は他ジャンルとのコラボ興行となる「DDT万博〜プロレスの進歩と調和〜」、2日目は「両国ピーターパン2013〜プロレスの傾向と対策〜」に決定した。
17日のDDT万博がこれまで関係を築いてきた異業種との組み合わせによるエンターテインメント色の強い大会。18日の両国ピーターパンは、後述のダブルメインイベントに加え、KO-D3大タイトルマッチが開催される、DDT色の強い大会となっている。
観客動員数は、DDT万博は8500人(超満員)、両国ピーターパン2013は9000人(超満員札止め)を記録した。
今回のビックマッチでは、飯伏幸太vsオカダ・カズチカという話題性のあるスペシャルシングルマッチ、KO-D無差別級選手権というDDTビッグマッチ史上初のダブルメインイベントとなった。
またこの他に”総研グループプレゼンツ”アイアンマンヘビーメタル級王座バトルロイヤルや、赤井英和の娘であるタレントの赤井沙希の、6人タッグマッチによるプロレスデビュー戦(パートナーはマサ高梨とチェリー、対戦チームは福田洋・世IV虎・志田光組)、KO-Dタッグ王座・6人タッグ王座選手権も開催された。さらに煽りPVのナレーションには、なんとあの人気声優・若本規夫氏を起用するといった豪華なものになった。
両国ピーターパン2014~人生変えちゃう夏かもね!~
新日本プロレスのG1 CLIMAXに並ぶ夏の風物詩として定着した8月17日開催のビックマッチ。今回は興行前に用意した席が初めて前売り時点で全て完売という躍進を見せ、9100人(超満員札止め)の動員を記録した。
本年度も多方向へのアプローチを見せた対戦カードであり、恒例の新日本枠はあの100年に一人の逸材・棚橋弘至が満を持しての参戦。竹下幸之助とのシングルマッチに挑んだ。その直前のカードには飯伏幸太vs近藤修司という、飯伏にとっては特別な意味のあるカードも組まれている。
他にもアイアンマンヘビーメタル級時間差バトルロイヤルでは映画コメンテーターやタレントとして活動するLiLiCoが特別リングアナウンサーとして参加、DDT EXTREME選手権試合では南海キャンディーズの山里亮太氏が肛門を爆破されるなど、プロレス人気再燃の時世もあり、これまでプロレスを観た事の無い人々にも話題となる試合を提供した。
そんな中での王座戦は、KO-D6人タッグとKO-D無差別級選手権。後者は初の3WAYマッチとなり、シングル戦とは違う雰囲気での試合が行われた。
両国ピーターパン2015~DDTより愛をこめて~
同年2月のさいたまスーパーアリーナ・コミュニティアリーナ大会を成功させ、今年度は11月に大阪府立体育館第一競技場での大会を控える中行われる8月23日開催のビッグマッチ。女性ファンの増加やプロレス人気向上もあり、前年度より早い段階で全席完売となった。観客動員数は6670人(超満員札止め)。これまで4人掛けだったマス席を2人掛けに変更し、ゆったり興行を楽しめる設計に。
昨年参戦した棚橋が今年はG1優勝という手土産を持って参戦、今回はDDTのエース的存在であるHARASHIMAとのシングルマッチ。団体の象徴同士がぶつかる対決の発表直後から大きな話題を呼んだ。更に前年度はリングアナとして参戦したLiLiCoが何と選手としてデビュー。時間差タッグバトルロイヤルでアジャ・コングの持つアイアンマン王座を狙う。また天龍源一郎引退ロードの一環としてDDTでも6人タッグが組まれ、天龍が石川修司、樋口和貞、里村芽衣子と肌を合わせる。
KO-D各種の主要王座戦もバラエティに富んでおり、熱の入った全9試合が展開される。勿論、キング・オオブ・ダーク選手権もあります。
両国ピーターパン2016~世界でいちばん熱い夏~
3月には両国全面形式でのビッグマッチを実施した本年度は、8月14日に行われるG1優勝決定戦など他イベントとの兼ね合いもあり、最終週の28日に開催。夏の終わりのビッグマッチとして初めて開催されることとなった。観客動員数は5394人(超満員)。新日本枠と飯伏幸太の不在もあるが、世代交代への新たなステップを踏まえればここから数年間は踏ん張りどころだろう。
今回はザ・グレート・カブキや、テリー・ファンクが腹壁ヘルニアで欠場した代替して名乗りを上げた越中詩郎ら元・平成維新軍勢、東京女子プロレスへの参戦を始めた筋肉アイドルである才木玲桂、DDT旗揚げメンバーであるNOSAWA論外らが参戦。特にNOSAWA、カブキ、越中は6人タッグで激突することもあり、東京愚連隊興行くらいでしか実現しそうもないカードが両国で観られる数少ない機会が実現することとなった。王座戦は世界ジュニアヘビー級を含む6タイトル。(キング・オブ・ダーク王座含む)
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