中世西洋音楽とはクラシック音楽の分類の1つで、およそ6~15世紀に作られた楽曲の総称である。
概要
中世西洋音楽とは中世において創られた、歌われた音楽の総称である。現存する中世音楽のほとんどが宗教音楽である。代表的なものにグレゴリオ聖歌がある。中世音楽は謎多い分野ではあるが、クラシックの原点の中の原点であり、研究成果が待たれる状態である。
1つ昔は古代西洋音楽(6世紀以前)、1つ未来はルネサンス音楽(15~16世紀)。
代表的なものに、グレゴリオ聖歌がある。グレゴリオ聖歌は単旋律によって歌われる、ローマ・カトリック教会の、ラテン語による聖歌である。
多くの中世音楽は楽譜が存在しなかったことや、作者が明記されていないため、歴史の中で忘却されていった。つまり、音楽を作ることは、芸術ではなく極めて宗教的な営為であった。それらはパトロンといった存在を必要とせず、神へとささげられるものであった。聖堂の中で響き渡る単旋律の不思議な響きに、敬虔なキリスト教徒は確かな救済を認めたことだろう。
中世音楽はその始まりが明らかになっていない。そもそも、中世という括りに幾分かの問題を孕んでいるが。音楽史としての中世を語ることができるのは、「ネウマ」と呼ばれる転写法が用いられるようになってからである。「ネウマ」は今日の五線譜とは大きく異なり、歌詞の下部に「こぶし」のようなものを示す記号がついているもので、音の客観的表記には程遠いものの、記された音楽としてその史的価値は計り知れない。
客観的な音楽の記録方法は『ムジカ・エンキリアディス』と呼ばれる9世紀に書かれた理論書である。この書で出てくる楽譜は、五線譜の遠い原点とされ、2声オルガヌムの歌唱方法が記されている。この時点において、中世音楽は単旋律からの脱却を成功させたのである。2声とはいっても、四度、五度ていどの感覚で、グレゴリオ聖歌の影のように動くのみで単純なものだった。
中世西洋音楽の作曲家
関連項目
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