中央自動車道とは、日本の高速自動車国道(高速道路)である。略称「中央道」
ただし法定上と実際との位置付けが異なるのでまとめると以下のようになる。
- 法定(高速自動車国道)上の「中央自動車道」
1. 中央自動車道 富士吉田線:高井戸IC~大月JCT~河口湖IC
2. 中央自動車道 西宮線:大月JCT~小牧JCT~名神高速道路 西宮IC
3. 中央自動車道 長野線:岡谷JCT~更埴JCT(→長野自動車道を参照) - 実際の「中央自動車道」
1. 中央自動車道(本線):高井戸IC~小牧JCT
2. 中央自動車道 富士吉田線:大月JCT~河口湖IC
本項では後者についてを説明する。
その他の中央自動車道
概要
高速自動車国道(有料) | |
---|---|
E20 (・ E52 )/ E19 / E68 中央自動車道 |
|
基本情報 | |
総距離 | 366.8km (高井戸IC〜河口湖IC 93.3km) (大月JCT〜小牧JCT 273.5km) |
開通年 | 1967年-1982年 |
起点 | 東京都杉並区 |
終点 | 本線:愛知県小牧市 富士吉田線: 山梨県富士吉田市 |
経由都市 | |
東京都 | 杉並区、調布市、 府中市、国立市、 八王子市 |
神奈川県 | 相模原市 |
山梨県 | 上野原市、大月市、 甲州市、笛吹市、 甲府市、甲斐市、 韮崎市、北杜市、 都留市、富士吉田市、 富士河口湖町 |
長野県 | 諏訪市、伊那市、 駒ヶ根市、飯田市 |
岐阜県 | 中津川市、恵那市、 瑞浪市、土岐市、 多治見市 |
愛知県 | 小牧市 |
道路テンプレート |
中央自動車道とは、東京都杉並区から愛知県小牧市及び山梨県大月市から富士吉田市までを結ぶ高速道路(高速自動車国道)である。全区間中日本高速道路(NEXCO中日本)が管轄する。
路線番号は高井戸IC〜岡谷JCTが E20 、岡谷JCT〜小牧JCTが E19 、大月JCT〜富士吉田ICが E68 となっている。また双葉JCT〜長坂JCT(仮称)までは E52 が重複する。
路線としての位置付けは東名高速道路より古く(東名高速道路と一体性が強い名神高速道路が法定上では中央自動車道西宮線と指定している点からもわかる)当初は山梨県甲府市(甲府盆地)や長野県諏訪市(諏訪盆地)といった現在のルートではなく、富士吉田市から富士五湖・南アルプス(赤石山脈)を縦貫し長野県の伊那地方(伊那谷)を経由して岐阜県へ向かうという壮大なルートが計画されていた。
しかし赤石山脈をトンネルで縦貫することに当時の土木技術や費用対効果から問題視され、現在のルートに落ち着いたとされる。現行ルートが長野県南部の木曽地方ではなく伊那地方を経由しているのはそうした背景に加えて、急峻な谷が続く木曽地方より比較的平坦区間が多い伊那地方の経由する方がコスト面に加えて幹線道路が少ない同地方を高速道路でカバーすることで地域振興にも一役を担わせる狙いがあったとされる。
ちなみにこの計画変更後の1980年にIC番号が是正されている。なお、開通当初は(5)八王子IC→(6-1)相模湖東出口→(6)相模湖IC→(7)大月IC→( )都留入口(現・都留IC)→(8)河口湖ICであった。是正時に八王子JCT(是正当時は元八王子IC)、上野原ICの番号が一時的に欠番となっていた。
東京から愛知県を結ぶという点では東名高速道路を補完する役割を担っていて、深夜東京から西日本方面へ向かう高速夜行バスはほとんど中央自動車道を経由していたが、新東名高速道路の開通後は中央自動車道を経由する高速夜行バスは減少している。また大型連休など東名高速道路が大渋滞するシーズンは大型トラックも同道路を経由することが多い。
しかし多摩地域は法定速度で設計されているのに2車線で交通量は多めだし、それを過ぎると上野原IC~大月ICの区間が21世紀になってから線形改良およびトンネル区間の付け替えで3車線化されているものの、勾配やトンネルが全体的に多い典型的な山岳ハイウェイ、特に長野県~岐阜県の区間はカーブも急で玉突き事故も過去頻発しており、東名と比べると明らかに「上級者向け」の色合いが強い。
ちなみに昔は中央高速道路と呼ばれていた。
トンネルと渋滞
中央自動車道は東西に渋滞の難所となるトンネルが存在する。主に以下の4箇所を上げてみた。
- 小仏トンネル(上り線1,642m 下り線2,002m)
東京都八王子市と神奈川県相模原市緑区とを結ぶトンネルで、上下線ともトンネルの坑口手前に急勾配が存在するため大渋滞(交通集中のピークで約40km前後)が発生しやすい。またトンネルの八王子側には圏央道と接続する八王子JCTやこのトンネルに向けての勾配の起点となる元八王子バス停があり、これらの地点でも渋滞が発生しやすいポイントとなっている。 - 笹子トンネル(上り線4,784m 下り線4,717m)
山梨県大月市と甲州市とを結ぶトンネルで、同県の地域区分上でも境にあたるトンネルである。かつては危険物積載車が通行可能なトンネルで日本一長いトンネルだった。トンネルの甲府側の勾配が急で約9kmに渡って続く。このため上り線は速度低下による渋滞がしばしば発生するほか、下り線ではこの勾配であっという間にスピードが出てしまう危険な区間である。トンネル内は時速70キロの速度制限が課せられている。2012年12月2日に発生した天井崩落事故は上り線のトンネル。詳しくは笹子トンネル天井板落下事故を参照。 - 網掛トンネル(上下線ともに1940m)
園原IC~恵那山トンネル間にあるトンネル。高井戸方面へは、出口直後にある阿智の魔のカーブに注意。 - 恵那山トンネル(上り線8,649m 下り線8,489m)
中央道で長さ1位、日本の道路トンネルの長さ第5位。長野県下伊那郡阿智村と岐阜県中津川市とを結ぶ長大トンネルで、交通情報ではよく上り線で渋滞が発生しやすいと伝えられる。また下り線はこのトンネルの手前にある阿智PAとの区間に高速道路では急カーブにあたる半径300mのカーブが勾配とセットで連続する難所となっていて重大交通事故が多発する区間である。なお全長が5kmを超えるトンネルのため法律で危険物車の通行が禁止されている他、下り線は当時の工事技術が祟って天井が設けられており、車高4.1m以上の車両の通行も禁止されている。トンネル内は時速70キロの速度制限が課せられている。
施設一覧
本線
※上り線は高井戸方面、下り線は小牧方面
富士吉田線
IC番号 | 施設名 | 備考(接続道路など) | 所在地 |
---|---|---|---|
11 | 大月JCT | E20 中央自動車道本線に接続 | 大月市 |
TN | 花咲トンネル | 富士吉田線内唯一のトンネル。 上り620m,下り702m。 |
|
都留市 | |||
- | 小形山BS | ||
1 | 都留IC/BS | ||
- | 谷村PA | ||
- | 西桂BS | 南都留郡 西桂町 |
|
1-1 | 富士吉田西桂SIC | 富士吉田市 | |
- | 富士吉田BS | ||
2 | 河口湖IC | 大月方面出入口 国道137号線に接続 |
南都留郡 富士河口湖町 |
3 | 富士吉田IC 富士吉田本線料金所 |
富士吉田市 | |
E68 東富士五湖道路 山中湖・須走方面 |
関連動画
関連項目
- 日本国:高速道路一覧
- 高速道路
- 渋滞
- 中央フリーウェイ
- 東名高速道路 / 新名神高速道路 / 長野自動車道 / 中部横断自動車道 / 三遠南信自動車道
東海環状自動車道
首都圏中央連絡自動車道 - 東京都 / 神奈川県 / 山梨県 / 長野県 / 岐阜県 / 愛知県
- 国道19号 / 国道20号 / 国道153号
- 中央本線 / 飯田線
- 笹子トンネル天井板落下事故
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