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中尾孝義（1956年2月16日～）とは、中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツ、西武ライオンズに所属していた元プロ野球選手である。
現役時代は体に大きな負担がかかる捕手というポジションを務めながら、守備で俊敏・積極的なプレーを見せ、それまでの「捕手は鈍い、ただ座っているだけ」というイメージを変えた人物である。
概要
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高校卒業後は慶應義塾大学へ進学を目指すが受験に失敗し一浪、翌年再チャレンジするものの再び失敗し専修大学へ進学。
大学卒業後はプリンスホテルへ入社し、入社2年目の80年にドラフト1位で中日に指名される。（ちなみに当初は西武も中尾の指名を考えていたようだが、直前で同じプリンスホテルの石毛宏典に切り替えた。）
入団1年目の81年、当時中日にはベストナインを5度受賞するなどの実績を持つ木俣達彦がいたが、中尾は木俣がブロックなどのプレーに消極的という情報を聞くと、他球団のOBなどに助言を求めるなどして守備を磨き、さらに監督がこの年から近藤貞雄に代わっていたことも追い風となって開幕一か月後には木俣からレギュラーを奪取し、ルーキーながら116試合に出場した。
2年目の82年は手さぐり状態だった1年目より磨きがかかり、リードでは内角を徹底的に突くなど強気なリードで若い投手陣を牽引、23歳だった都裕次郎は16勝を、21歳だったくみてふ牛島和彦は7勝17セーブという好成績を残している。
また中尾は打撃でも打率.282、18本塁打47打点という成績を記録し、チームは巨人とのデッドヒートを制して見事に優勝、優勝決定戦である大洋戦では中尾は見事なリードで小松辰雄の完封勝利を引き出している。
日本シリーズでは西武に敗れたものの中尾は優秀選手賞を受賞。
またセ・リーグの捕手としては初めてシーズンMVPに輝いている。
普通に考えればこの年16勝を挙げた都裕次郎や、首位打者は逃したものの打率.350を記録した田尾安志などが受賞しそうなものだが、投手陣を引っ張り、守備でもブロック・バント処理で度々チームを助けたプレーを当時の記者たちはしっかりと目に収めきちんと評価していたことがうかがえる。今のイメージ優先で投票している連中にも見習ってもらいたいもんだ。
84年にはオールスターで江川卓とバッテリーを組み、江川の8者連続奪三振をアシストしている。
しかしプロ入り前から腰痛持ちであったことや、持ち前の積極的なプレーで体に大きな負担がかかり続けたことで中尾は故障がちになり、87年に星野仙一が監督に就任すると自身の故障や中村武志の台頭もあり出場機会が減少、またピッチングコーチともめたこともきっかけとなり、88年は外野手として試合に出場し、1試合もマスクをかぶることは無かった。
そしてこの年のオフ、捕手強化を図る巨人との間に行われたトレードにより、中尾は西本聖・加茂川重治とのトレードで巨人に移籍する。
89年、再び捕手に復帰した中尾は山倉和博から開幕スタメンを奪い取り、伸び悩んでいた斎藤雅樹に「インコースをもっと使え」とアドバイスし、さらに「絶対に構えたところに投げろとは言わない。内角付近でいい。」と付け加えたことによって斎藤の心理的負担を軽減させ、この年斎藤は20勝を挙げ、さらに11試合連続完投勝利という記録まで達成したことでこの年のMVPに輝いている。
中尾自身も出場は87試合ながら5年振りにオールスターに出場し、カムバック賞も受賞している。
その後は92年途中デーブこと大久保博元とのトレードで西武に移籍し、93年に現役を引退。
その後は阪神タイガースでスカウトを務めていたが、2016年12月に同球団を退団し、2017年2月に学生野球資格の回復認定を受け、3月から専大北上の監督に就任した。
人物・プレースタイル
どちらか言えば強気な性分の持ち主で、中日時代は打たれるたびに「もっと考えてリードしろ！」と漠然とした説教をする監督やコーチに対し「じゃあどうすればいいんですか！」と言い返すこともあった。
88年にマスクをかぶらなくなったきっかけも、ピッチングコーチと言い争いになったことが原因であり、最終的に中尾は監督だった星野に「あのコーチの下では捕手は出来ません」と直訴した。
試合では守備で機敏な動きを見せ、バント処理では勢いがない打球が転がればそれまでのろのろとした動きを見せていた捕手が多い中、中尾は素早くボールに駆け寄って二塁に送球しランナーをアウトにしており、特にフィールディングが良い郭源治とバッテリーを組んだときには他球団から「バントを殺し過ぎるな」という指示が出るほど当時その守備は脅威に見られていた。
ブロックでも絶対にランナーを塁に触れさせまいと捨て身のブロックを見せていた。ただそのせいで股間のボールを蹴っ飛ばされたこともある。
ちなみに守備を鍛えるようになったきっかけは中日でチームメイトだった川又米利が優れたバッティングセンスを持っていたにもかかわらず、守備の問題で中々レギュラーを獲得できない姿に衝撃を受けたからとのこと。
リード面などでも球界屈指の名捕手である野村克也に認められており、「あいつはセ・リーグナンバーワンの捕手」と高く評価されていた。
通算成績
| 通算:13年 | 試合 | 打席 | 打数 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 犠打 | 犠飛 | 四球 | 死球 | 三振 | 打率 | 出塁率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NPB | 980 | 2954 | 2653 | 699 | 109 | 335 | 45 | 53 | 27 | 207 | 12 | 463 | .263 | .317 |
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関連項目
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