中華フォント現象とは、日本語文の一部漢字が中国語のフォントで表示されてしまう現象である。
概要
日本で使用する漢字は時代によって変化してきた。1923年に初めて常用漢字が制定され、戦後の1949年に発行された「当用漢字字体表」によって、俗字・略字・筆写体を多く採用した「新字体」が使われるようになった。このような歴史的背景もあり、他の漢字圏で使用されている漢字と微妙に形が違うことがある。
例えば「直」という文字、日本語及び韓国語では「目」と「乚(いん)」が離れているが、中国語(簡体字・繁体字)やベトナムの漢字では「目」と「一」が合体したような形になる。他にも「将」「刃」などもよく挙げられる。 → [例: 2021年2月に投稿されたツイート (ウェブアーカイブ)]
この現象は日本人にとって、読めなくはないもののかなりもどかしい気持ちになる。先述の通り漢字の形が違うのに加え、中華フォントは当然ながら日本語のことは一切考慮されていないため、平仮名・片仮名と漢字で文字の太さ・大きさがまばらになりがちなのも、更に違和感を抱く原因となっている。更に外国人(日本以外の漢字圏含む)が、日本語を学ぶ際に間違った漢字で学んでしまう恐れも懸念されている[1]。
原因
- Unicode
- 世界中の様々な言語の文字を収録し通し番号を割り当て、同じコード体系のもとで使用できるようにしたもの。Unicodeの設計段階において、漢字をひとつのコードにまとめることが決定された(CJK統合漢字)。
- 中華フォント現象になる漢字は同じコードが割り当てられていることが殆ど。先程例に挙げた「直」はThe Unicode Standard, Version 15.0 の文字表
を確認すると、どの言語も「U+76F4」というコードに集約されていることが分かる。 - 言語設定・言語の優先順位
- 言語を英語に設定していると、漢字は中華フォントで表示されることが多い。Android、MacOS、iOS、Windowsなどでは日本語を優先言語にしないと中国語が優先されてしまい、結果的に中華フォント現象が発生してしまう。
対策
前者のUnicodeは一度定まってしまったものなので、もうどうしようもできないとされる。
そのため基本的に後者の対策をすることとなる。日本語表示ではちゃんと日本語フォントを使用するようソフト開発者に問い合わせる、日本語学習者には日本語を優先的に表示できるよう設定させるなど。本現象を説明し、より多くの人に認知してもらう必要がある。
関連動画
関連リンク
- ソフトウェアの日本語文字が中華フォントに侵食されていて想像以上の危機らしい「違和感すごい」 - Togetter [トゥギャッター]
- 中華フォントはどうにかならないか?→ならない – yokkin.com
- Your code displays Japanese wrong | Your Code Displays Japanese Wrong
- 海外の開発者に向けて中華フォント現象を解説、及び注意喚起するページ。
関連項目
脚注
- *ここで言う「間違った漢字」とは、日本政府が定めた「常用漢字表」で定められていないものを指す。異体字だの旧体字の方が中国語に似ているだの、「本来の漢字としての正しさや在り方」は少なくとも日本語を使用するだけなら深く考えなくていい概念である。
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