中華鍋とは、主に中国料理に用いられる、底が浅く丸い鍋のことである。
概要
炒める・煮る・焼く・揚げる・蒸すなど、さまざまな調理法に対応できる万能の鍋。
最近では、軽くて手入れも簡単なチタン製やテフロン製のものも多く製造されているが、やはり中華鍋といえば無骨な鉄製にかぎる。
ということで、この記事では他の素材でできたものは無視して、鉄製の中華鍋のことだけを説明していくこととする。チタン製やテフロン製のものが気になる方は、自分で調べていただきたい。
中華鍋は、その形状により何種類かにわけられるが、その代表としてあげられるのが北京鍋と広東鍋であろう。
両者の大きな違いは把手部分。把手が片側だけにしかないのが北京鍋で、両側についているのが広東鍋である。
北京鍋の把手は長い棒のようなものになっているので、初心者向きで、家庭で使うのに適していると言える。
対して、広東鍋の把手は耳になっており、調理するときは片耳を濡れふきんを使ってつかんでおかなくてはいけないし、 その持ち手が火に近いのでやけどの恐れもある。こちらの方が上級者向きであろう。
中華鍋は他の多くの鍋と違い、購入してすぐに使えるわけではない。
購入したての中華鍋には錆止めの薬剤が塗られているので、それを落とすために[空焼き]と[鍋ならし]いう作業をおこなう必要がある。
空焼きの工程は以下の通りである。
[空焼き]
- 中性洗剤をつけたスポンジで鍋を洗い、付着している汚れやほこりを落とす。
- 表面の水分をふき取ったら鍋をガスコンロに置き、全体が焼けるように鍋をゆっくりまわしながら火にかけていく。
火加減は最初は中火で、煙が出はじめたら強火に変更。 - 鍋の表面が青白くなったら火を切り、鍋を自然に冷やしていく。
- 鍋が十分に冷めたら、再び中性洗剤とスポンジで軽く洗い汚れを落とす。
空焼きがすんだら、次は鍋ならし。これは中華鍋に油をなじませる作業である。
[鍋ならし]
- お玉一杯分のサラダ油を鍋に投入、全体になじませて、中火で加熱。
- 油が十分になじんだら、余分な油を捨て、鍋に野菜を投入。軽く炒めていく。
- 野菜を捨て、もう一度鍋を洗う。ここで重要なのが洗剤を使わないこと。
洗剤を使うと、せっかくなじんだ油がおちてしまうので、たわしなどで表面軽く洗うだけでOK。 - 鍋の水分をふき取り、仕上げに油を薄く塗りこむ。
こうした手順を踏んで、ようやく中華鍋を調理に使えるようになるのだ。
二回目以降も、まず鍋を強火にかけて十分熱し、それから油をいれて全体になじませ、そして調理を開始する、という使い方をするとよい。そうすることで、材料が焦げ付くのを防ぐことができる。
また、手入れで重要なポイントが、鍋を洗剤で洗わないこと。
余熱が残っているうちに、たわしを使って水で洗うようにする。汚れが落ちにくい場合は、お湯で洗うとよい。
もし、間違って洗剤を使って洗ってしまった場合は、また最初の[空焼き]から[鍋ならし]の手順を踏む必要がある。
洗い終わった鍋は、錆防止のために、サラダ油を塗って保管しておくとよい。
このように、他の鍋と比べると多少取り扱いも面倒な中華鍋だが、しっかり手入れをして使っていけば、油がなじんでいい感じに黒光りしていくし、長く使うこともできるので、育てがいのあるアイテムだといえるだろう。
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関連項目
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