基礎データ | |
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空港種別 | 商業 |
IATA | NGO |
ICAO | RJGG |
滑走路 | 3500m(18/36) |
開港日 | 2005年2月17日 |
設置場所 | 愛知県常滑市 [GoogleMap] |
中部国際空港(英:Chubu Centrair International Airport)とは、愛知県常滑市沖の伊勢湾上にある第一種の国際空港である。中部空港と略して呼ばれる。
愛称は「セントレア」(セントラル=中部+エア⇒エアポート(空港)の略で作った造語)で、航空無線に置いても同様に呼ばれている。
概要
愛知県の伊勢湾上にあり、長崎空港、関西国際空港に続く日本で三番目の海上空港。2005年、同年開催の愛知万博(愛・地球博)に合わせて開港。中部地方の中核空港として、日本の真ん中に位置することからその拠点空港となることを夢見て建設された。伊吹おろし(北風)を警戒し滑走路は真北になるように作られたが、近年は鈴鹿おろし(西風)の方が多く、成田空港や羽田空港へダイバートすることもある。
最も現実的には名古屋空港(小牧空港)が航空自衛隊小牧基地との共用空港である上、市街地にあって拡張が困難であり、更には騒音問題により24時間運用が不可能であることから、利用客・発着便増加にいずれ追いつかなくなると予想されたのを解消する目的があった。この空港が出来たことによって、東京が都市直下型大地震で壊滅した場合に、小牧空港が国際空港に格上げされる可能性は消滅した……どころか、JAL系のJ-AIRが撤退したため、ローカル空港となっていた県営名古屋空港は一時民間空港としての存続が危ぶまれていた(その後、フジドリームエアラインズ(FDA)が路線の一部を継承した)。
常滑の地盤は固く、関西空港のような底無しではないので、土を入れる量を減らせた(更につっこむ土自体、市場破壊級の安値で購入)。これにより大いに税金の削減が可能となった。具体的にはおよそ1000億円の削減である。
開港以降の就航路線
開港後、リーマンショック~欧州金融危機の影響も受けた国際線の伸び悩み・撤退、更には東海道・山陽新幹線とFDAによる小牧空港発着便の強化、日本航空(JAL)の経営再建問題等でドル箱の福岡線を含む国内線の縮小に見舞われており、名古屋空港時代よりも利用旅客・貨物数が減少する事態に陥った。
2009年には開港時から14%減、年間利用客1000万人割れを記録。その後の景気回復に伴い、2015年にようやく1000万人を回復した。2017年度の年間利用客数は約1154万人。国際線では特に北米路線の減少が凄まじく、2014年現在ではアメリカ東海岸・西海岸両都市への路線が消滅し、デトロイトへデルタ航空が就航するのみとなっている。オセアニア方面に至っては完全に就航路線が消えている。
空港利用客は国際線では成田空港、関西空港、羽田空港に次いで日本4位であるが、国内線では伊丹空港、新千歳空港、福岡空港、それに那覇空港の後塵を拝して国内7位、全体の利用客数では国内8位である(いずれも2013年現在)。国内線の利用客数は鹿児島空港や国際線がメインの成田空港にも肉薄で迫られている。日本の二大都市圏である首都圏、京阪神圏方面で中京圏からは共に航空の優位性がなく、新幹線等鉄道に殆どのシェアを握られているのが大きく影響している。
中部発着の国内線はその大半を全日本空輸(ANA)が占めている。名鉄がANAの主要株主であるため、名鉄名古屋駅など同社の主要駅にANAと中部空港の宣伝広告を出していたこともある。また空港のターミナルカウンターも国際線、国内線共にANAが中央近くに来るように配列されている。
JALはメイン路線である福岡線などを小牧発着のJ-AIRにシフトした他(後にFDAへ移管~コードシェア化)、経営再建問題に絡んで不採算路線を整理したことにより、ジェットスター・ジャパンとのコードシェア便や日本トランスオーシャン航空(JTA)による運航便を除けば2014年現在で新千歳、成田、羽田線を有するのみとなっている。
羽田への路線は前身となる名古屋空港時代を含めても、新幹線と競合するため1982年以来設定がなかったが、2011年に一時的にスカイマークが就航した後、羽田から定期国際線が発着するようになると、それとの接続を目論んで2013年からJAL、2014年よりANAが就航している。
中部空港とLCC
中部空港は格安航空会社(LCC)に当初顧みられることがなかったが、2013年よりジェットスター・ジャパンが就航している。エアアジア・ジャパン(旧)も同年より1年間だけ就航していたが、バニラエアとなった際に撤退した(将来の就航予定はある)。その後、(新)エアアジア・ジャパンが中部をハブとして新千歳と台湾に向かう路線を運航していたが、2020年に撤退した。
スカイマークは2011年より就航している。就航当初、深夜に発着する羽田便が存在したが、搭乗率がわずか7%程度と低迷して3ヶ月で撤退したことがある。また茨城空港へも2度就航したが、いずれも1年持たず運休に追い込まれた。現在は新千歳と那覇線が運航されている、スカイネットアジア航空(ソラシドエア)やFDAにも中部への就航計画がある。
2019年にはLCC向けの第2ターミナルが設立され、エアアジアら5社の就航。訪日外国人観光客の獲得増を狙うことになっていたが、翌年からの新型コロナウイルス感染拡大により外国人観光客需要が激減したことや、エアアジアが撤退したこともあって、一時期は国内線のジェットスターだけが事実上使用している状態になっていた。
空港アクセス
- 鉄道は名古屋鉄道(名鉄)空港線が乗り入れている(中部国際空港駅)。全車特別車の「ミュースカイ」が名古屋・岐阜・犬山方面へ運行されている。また一部特別車特急や普通列車も乗り入れている。
以前は岡崎・豊橋方面に直通する特急も設定されていたが、利用が芳しくなかったのか廃止された。 - バスは栄・伏見・名鉄BC、藤が丘、豊田市、知立、安城、岡崎、浜松、掛川IC、桑名、四日市等への直通便が設定されている。
開港当初はJR東海バスが名古屋駅太閤通口側から直通バスを走らせるなど、他にも路線が多く存在したが、整理・淘汰されて現状に至っている。 - 航路も海上空港のため存在する。津及び松阪への高速船が発着している。以前は四日市や鳥羽への航路も存在した。
- 高速道路(自動車専用道路)は知多横断道路(セントレアライン)が空港まで直結している。この道路は知多半島道路を経て名古屋高速道路3号大高線や伊勢湾岸自動車道と接続している。
- 駐車場の料金体制は車社会であることを反映してか安めになっている。基本料金は24時間1,500円であるが、5日目から30日目までは7,500円の定額料金となる。これにより、空港周辺に存在していた民間駐車場の多くが姿を消したほどである。
周辺施設
開港以来空港敷地内及び常滑周辺では数々の新規施設が建設されており、宿泊施設は空港周辺だけでもセントレアホテルを含め5か所が配置、空港内にて様々な飲食店や売店を運営している。
近年は更に多様な目的に対応した施設が建設され、アミューズメント施設のフライト・オブ・ドリームズや有名アーティストのライブや音楽フェスなどに用いられる多目的スペースの愛知県国際展示場を展開。旅行以外の目的でも丸1日滞在出来る規模を持つ。
関連動画
関連項目
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