主人公とは、「中心人物」を指す単語であり、娯楽作品の物語の視点を提供する者か、主体となる登場人物を指す。
概要
「主人公」とは元々は「公」の「主人」を指す単語であり、「主人」の敬称として使われていた単語である。
娯楽作品における主人公
一般的には主人公が主体となって物語が進んでいく訳だが、物語の内容や演出によって印象や役割は異なる。
読み手やプレイヤーの分身、あるいは読者に「視点」を提供する者を主人公とする場合、ゲームなどでは人格が設定されていない場合がある。(主人公は、ゲーム上における「あなた」であると説明されるケースも多い)
また人格があるタイプの者でも「無口、寡黙」など自己主張の少ない性格にしたり、台詞をあえて描写しなかったりするなどして、プレイヤーの自己投影を妨げないような工夫がされている事も多い。
逆に、強い心や明確な意思を持って物語を引っ張っていく中心人物を主人公とする場合、プレイヤーはその人物の行動を第三者として見守ることになる。
プレイヤーが「軍師」や「守護霊」のような補助的な立場で物語に参加していると明示される場合もあり
この場合は、最悪主人公に一時的に裏切られるという事態もありえる。
マンガやアニメのような媒体の場合、物語で活躍するヒーローとしての役割が求められる事が多く、それなりに多弁だったり、内心の描写だったりと、1キャラクターとして主人公の考えが読者に伝わるようになっている事が多い。
主人公の類型
RPGや冒険ものなど
勇敢で正義感の強い少年や若者、といったのが代表的な主人公像である。
特にRPGなどでは、成長要素を表現するために最初は未熟な方が適している事も大きい。最初からベテランの場合は、「装備や能力などを失ってしまう」等の要素で弱体化するか、「敵にこれまでの経験が通用しない」等の設定がつけられる事が多い。
冒険に出る理由付けとして、「敵役との因縁」や、「ヒロインを助ける為の理由付け」などを持っている事も多い。また、多くのキャラクターを指揮する立場になるSRPGなどでは、王族の跡継ぎであるなど、指揮官として相応しい設定がつけられる事も多い。
恋愛シュミレーションゲームなど
異性と恋愛をするのが目的のゲームである以上、主人公は何かと異性との交流に恵まれている場合が多い。しかし、ただ恵まれているだけの者は少なく、油断すると愛する者を失ったり最悪niceboat.という危機的状況に同時に立たされている者もまた多い。多くの主人公はその状況を常人離れした能力や不屈の頑張りや抜群の立ち回りの良さで乗り切っているのである。
その頑張りぐらいは見習いたいものであり、見習えるなら現実でもきっと上手くいくはずである。
アクション、シューティングなど(ストーリーより体感やシステム重視のゲームなど)
マリオを始めとする任天堂のキャラ、シレン、博麗霊夢のように毎回同じ人物が主人公として登場し、そのシリーズと共に定番化している場合も多い。
ただし、この場合、主人公の物語も続くことになるため、極端にそれまでの話から逸脱したストーリーは作れない、という欠点もある。
この問題を解消するため、リンク(ゼル伝)やリュウ(BOF)のように、毎回別人だが名前と一部の設定を引き継いでいる、という者もいる。
格闘ゲームなど(プレイアブルキャラが複数から選択式のもの)
格闘ゲーム等、使用できるキャラが複数いる場合は、苦手の少ない癖のないバランス型だったり、そのゲーム自体を象徴するような性能だったりする事が多い。
あまりクセが強かったり、弱キャラだったりするともれなく主人公(笑)と揶揄される事も。
推理小説や探偵ものの主人公
いわゆる推理モノの場合、「謎解きに長ける、機知に富んだ探偵(ホームズ)役」と、「謎に翻弄されながらも、知識と常識を持ち、読者を助けながら謎に挑んでいく(ワトソン)役」が定番の主人公として登場する。
探偵が即座に謎をといてしまうと事件がそこで終わってしまう為、読者に謎解きを楽しませる場合、ワトソン役が主人公として視点を提供する事が多い。読者に世界観や状況を理解するだけの知識を提供しつつも、読者より少しだけ頭の回りが悪い(ので、読者は自分で謎を解きたくなる)のがテンプレートとされる。
海外作品の主人公
海外の娯楽作品における主人公は、日本作品に比べるとマッチョで大人が採用されることが多い。(特にアメリカ) 日本のように「小柄で機敏な優男が大男を倒す」ような話より、「マッチョなタフガイが悪党をぶっ飛ばす」方がメジャーである。
また、年齢層も高めで、成人して恋人がいたり、離婚歴があったりすることも多い。これは、「物語上でヒロインと恋愛させたいが、マッチョなタフガイに恋人がいないのはおかしい(ゲイではないかと疑われる可能性すらある)」という価値観のため。
主人公萌え
プレイ中は半分自分であるためか、主人公というポジション自体が萌え属性となるケースはあまり聞かない。
ただし、主人公の個性を押し出す作品においては、非常に魅力的な主人公が生まれ、人気投票で1位を取るなどといったケースも多々ある。
無口系でも、ネタ選択肢が豊富だったり、いざという時にカッコイイ行動が取れたりするとポイントが高い。
また、「主人公が女装・男装などの異性装をする」といったシチュエーションがあったりすると、この場合、女装、男装した主人公が一番のヒロイン扱いされる、といったケースが見られる。らんま1/2現象である。物語冒頭から性別を偽っている主人公なども存在する。
主人公補正について
一般に、主人公になるキャラは多くの点で他のキャラクターよりも何かと優遇されており
ゲームではステータス上も一回り強くなっていたり、エロゲでは妙にモテるなど特典が多い。
これを指して「主人公補正」という場合がある。
先の通り、原則として物語の最初から最後まで中心に居続けなければならないうえ、
負けると話が終了してしまうため常に高いポテンシャルが求められることに起因していると思われる。
ゲームでは強制出撃になったり死ぬとゲームオーバーだったりという理由で強くされているという事情もある。
ある種ご都合主義なのかもしれないが、中心に立ち重責を担う人間は強くなりやすい傾向はあり
逆に「強いから(潜在能力が高いから)主人公になったという見方もできる。
以上の「お約束」を逆手に取り、絶対に死なないことを正式な設定としたのが「装甲騎兵ボトムズ」のキリコ・キュービィーである。
降板された主人公たち
- 『天才バカボン』のバカボン(バカボンのパパに主人公交代)
- 『Dr.スランプ』の則巻千兵衛(元々1話のゲストだったアラレの方が人気になったため主人公交代)
- 機動戦士ガンダムSEED DESTINYのシン・アスカ
- 泥棒猫のマック(途中また主役の座が転がり込んできた)
- 宇宙猿人ゴリ(ゴリ)
- 『ドラえもん』の野比のび太(ドラえもんに主人公交代したものの出番や活躍は増加)
関連項目
- 主人公(笑)
- ヒーロー
- アンチヒーロー
- ダークヒーロー
- 鬼畜ヒーローシリーズ
- ライバル
- ヒロイン
- メインヒロイン
- メインヒロイン(笑)
- 主人公とコクピットに乗るヒロイン
- 最弱主人公
- かわいい主人公
- 主人公補正
- そんな主人公にきみもなってみないか?
- もうひとりの主人公
- 不殺主人公
- 前作主人公
- 女主人公
- ざまあと言われる唯一の主人公
- ※主人公です
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