九州新幹線とは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が所有し、九州旅客鉄道(JR九州)が運行する鉄道路線である。区間については以下の通りで、本ページでは2.について記載する。
なお、1.の西九州ルートについては、武雄温泉駅〜長崎駅間の路線名は「西九州新幹線」で決定している。
概要
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1973年に整備計画が決定された路線で、1991年にスーパー特急方式で八代~西鹿児島間で着工し、1998年に船小屋信号場~新八代間がスーパー特急方式で着工した。2000年の博多~船小屋信号場間着工の際に全区間をフル規格に変更し、2004年3月13日に新八代~鹿児島中央間が開業。2011年3月12日に全線が開業した。全線開業までは、九州新幹線「つばめ」は、特急「リレーつばめ」に接続していた。
運行管理はCOMTRACで以前より管理されている博多南線を含む博多駅~新鳥栖駅間は東京の新幹線総合指令所にて管理され、残りの区間の運行管理と全線の指令業務は博多総合指令センターにて行われている。
全線開業後はN700系7000・8000番台「さくら」「みずほ」にて山陽新幹線と相互直通運転を行うこととなり、直通列車は毎時1本程度の運転で、開業当初の新大阪~鹿児島中央間の所要時間は「さくら」で最速4時間10分、「みずほ」で最速3時間45分とされた。
九州新幹線内は博多~熊本間は1時間に2本程度、博多~鹿児島中央間は1時間に1本程度(800系は九州新幹線管内のみ。但し、山陽新幹線乗り入れには対応しており小倉駅には停止位置案内もあった)。
またJR東海の方針により東海道新幹線には乗り入れできないが、名古屋・京都方面からの乗客に対応する為、一部の列車では博多駅で東京駅発着「のぞみ」との対面乗り換えが可能なダイヤが組まれている(例えば鹿児島中央7:42発「さくら544号」の場合、途中の博多駅到着ホームの向かい側で、当駅発東京行き「のぞみ18号」に乗り換え出来る)。但し、ダイヤ改正で博多駅での対面乗り換えが不可能なダイヤ設定に変更される事もある。
なお、博多駅から博多総合車両所までの区間は山陽新幹線の回送線として国鉄時代に整備されていた事もありJR西日本の管理区間である(同区間は九州新幹線開業前から旅客扱いをしている博多南線が在来線扱いの為、九州新幹線も速度制限を受けている)。
e5489やJR九州インターネット列車予約には対応しているが、長らくエクスプレス予約には対応しておらず、ICカードで乗車することは不可能であった(山陽新幹線から乗り越すと精算が必要)。
2022年6月25日にようやく対応し、東京から鹿児島中央までICカードで乗り通せるようになる。
2011年3月12日、九州新幹線全線開業に伴う出発式が予定されていたが、前日に発生した「東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)」の被害があまりにも甚大だったため、被災者を配慮して開通イベントは全て中止となった。しかしダイヤ改正は予定通り行われ、新幹線も出発式なしの密かな開通となった(なお、1年後の2012年3月17日にはダイヤ改正により「みずほ・さくら」が増発された事などから新大阪駅・博多駅で出発式が行われている)。
なお、九州新幹線に大幅なダイヤの乱れが発生した場合は山陽新幹線博多駅では特発が出る他、山陽新幹線との直通が打ち切られる事もある(この逆の場合もある)。
2016年4月14日に発生した熊本地震により、回送中だった800系U005編成の6両全てが脱線。路線設備面でも軌道や橋脚、駅舎の窓などが損傷する甚大な被害を受けたが、復旧工事が迅速に進められ、わずか13日後の4月27日には、一部区間での徐行を余儀なくされながらも全線で運転を再開。その後、2017年3月4日のダイヤ改正で徐行区間が全て解消され、被災前と同等の運行形態に回復した。
山陽新幹線区間で2017年2月から導入された新ATCの効果で、新大阪~鹿児島中央間は最速3時間41分となり、熊本地震被災前よりさらに所要時間が短縮されている。
この新幹線が開業したことにより、福岡~鹿児島の交通のシェアが航空40%、鉄道47%、バス13%(部分開業前の2000年)から航空3%、鉄道84%、バス11%(2012年)と鉄道のシェアが2倍近くになった
「みずほ」はジャパンレールパスの利用が不可能であったが10月の価格改定時に「【ジャパン・レール・パス専用】のぞみ・みずほ利用券」購入で利用可能になった。
2021年より客貨混載の宅配便輸送やドクタートレインと呼ばれる「急患搬送協力体制」を整えている。
駅一覧
つ ば め |
さ く ら |
み ず ほ |
駅名 | ■乗り換え路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
● | ● | ● | 博多駅 [福] はかた |
■西日本旅客鉄道(JR西日本): |
福岡県 | 福岡市 博多区 |
● | ● | | | 新鳥栖駅 しんとす |
■九州旅客鉄道(JR九州):長崎本線 | 佐賀県 | 鳥栖市 |
● | ● | ▲ | 久留米駅 くるめ |
■九州旅客鉄道(JR九州):鹿児島本線・久大本線 | 福岡県 | 久留米市 |
● | ▲ | | | 筑後船小屋駅 ちくごふなごや |
■九州旅客鉄道(JR九州):鹿児島本線 | 筑後市 | |
● | ▲ | | | 新大牟田駅 しんおおむた |
大牟田市 | ||
● | ▲ | | | 新玉名駅 しんたまな |
熊本県 | 玉名市 | |
● | ● | ● | 熊本駅 くまもと |
■九州旅客鉄道(JR九州): 鹿児島本線・三角線(あまくさみすみ線)・豊肥本線 ■熊本市交通局(熊本市電):A系統(熊本駅前電停) |
熊本市 西区 |
|
● | ▲ | | | 新八代駅 しんやつしろ |
■九州旅客鉄道(JR九州):鹿児島本線 ■B&Sみやざき |
八代市 | |
● | ▲ | | | 新水俣駅 しんみなまた |
■肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線 | 水俣市 | |
● | ▲ | | | 出水駅 いずみ |
■肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線 | 鹿児島県 | 出水市 |
● | ● | ▲ | 川内駅 せんだい |
■九州旅客鉄道(JR九州):鹿児島本線 ■肥薩おれんじ鉄道:肥薩おれんじ鉄道線 |
薩摩川内市 | |
● | ● | ● | 鹿児島中央駅 かごしまちゅうおう |
■九州旅客鉄道(JR九州): 鹿児島本線・日豊本線・指宿枕崎線 ■鹿児島市交通局(鹿児島市電): 2系統(鹿児島中央駅前電停) |
鹿児島市 |
全線開業CM 「祝! 九州」
「沿線の皆さんと一緒に開業を祝う」というコンセプトで全線開業CM「祝! 九州」が制作された。内容はマイア・ヒラサワの楽曲「Boom!」をBGMに、新幹線に向けて手を振る人々を車内から撮影した動画が流れるというものである。
撮影は2011年2月20日、特別列車を仕立て、本番一発勝負で行われた。あらかじめ新幹線ホームなど沿線の14地点は「指定撮影場所」として定員を決めて公募していたが、結果的にはそれ以外の場所にも多数の一般市民がつめかけ、撮影は大成功をおさめた。参加者は合計で1万5000人を超えたという。
CMは30以上のバージョンが制作され、九州全土で放映された。その中には180秒というCMとしては破格の長さのものも含まれていた点は特筆すべきである。テレビ放映は九州ローカルであったが、公式サイト及びYouTubeにより配信され、他地域の人々も視聴可能となった。
放映開始後わずか1週間で東日本大震災が発生、被災地への配慮のためにテレビ放映が自粛されたが、明るい内容と「みんなが一つになる」というテーマには被災地の人々からも「元気づけてもらった」と好意的な意見が寄せられ、全国ネットのワイドショーなどでも取り上げられた。4月24日からはテレビ放映が再開されている。また、4月29日の東北新幹線全線運転再開当日、このCMを見て触発された一般市民がTwitterなどで呼びかけ、下り一番列車「はやて・こまち115号」を仙台市内や田沢湖線沿線で手を振って迎えるイベントが実施された。こちらもYouTubeやニコニコ動画に配信されている。
6月にはカンヌ国際広告祭ではアウトドア部門で金賞を、メディア部門では銀賞を受賞。11月のロンドン国際広告賞では銀賞を受賞し世界的にも高い評価を受け、12月には第51回ACC CM FESTIVALにおいて、最高賞の総務大臣賞/ACCグランプリを受賞した。
関連動画
全通CM・新八代部分開業時代のやつ
関連静画
関連項目
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の使用車両 |
0系 - 100系 - 300系 - 500系(WIN350) - 700系 - 800系 - N700系 - N700S - ドクターイエロー |
東海道新幹線・山陽新幹線・九州新幹線の列車名 |
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