「二人共バカなんすか!兄弟ゲンカで死ぬとか!マジ笑えないっすから!」とは、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の第23話「譲れない優しさ」で登場した台詞である。発言者は「フェルシー・ロロ」
概要
様々な出来事からミオリネに怒りを覚えることとなったラウダ・ニールはガンダム・シュバルゼッテを駆り、クワイエット・ゼロがいる宙域で同要塞停止作戦を実行しようとしていたミオリネと地球寮一行に襲撃を仕掛けた。専用のディランザに搭乗するグエル・ジェタークはこれを阻止するべく立ち塞がり、兄弟同士による殺し合いに発展してしまう。
操縦技術はグエルが上だが機体性能差を覆す事は出来ずに両脚部が損傷。その最中にラウダが抱いていた思いを知ったグエルは、敢えてシュバルゼッテの突撃を迎撃する事なく受け止めて抱擁、父親殺しの事を告げられなかった事を語りシェルユニットを砕く。
「ガンダムなんて…もう乗るな…!」
そう言い残しシュバルゼッテから離れるグエルのディランザ。機体に風穴が空き戦闘によるダメージでまともに動く事が出来ずに爆発、自らの過ちに気づいたばかりのラウダの眼前でグエルが死亡する――かと思われたその瞬間、何処からか放たれた消火剤がディランザに着弾、唐突な事態に呆気にとられるグエルに通信が届く。
「二人共バカなんすか!兄弟ゲンカで死ぬとか!マジ笑えないっすから!」
消火剤を放ち続けながら通信したのは、密かに別のディランザで出撃していたフェルシー・ロロであった。様々な感情が入り交じった発言を受け、それを聞いたグエルは深く息を吐いた後に……
「そうだな……ほんと……笑えないな」
と苦笑いするしかなかった。
余談
- グエルのディランザは爆発寸前、それをぎりぎりで防いだフェルシーの行動は誰もが予想不可能であり、兄弟に起きたかもしれない最悪の結末を防ぎ、兄弟喧嘩で済まされた事から高い評価を受け、23話のMVPと言われる事となった。
- グエルから来るなと言われながらも逃げる事なく地球寮のメンバーに同行し、二人の戦闘が始まるや地球寮艦のブリッジを離れて出撃したフェルシー。このようにして進んだ結果、死亡寸前だったグエルと兄殺しの罪を背負う寸前だったラウダ、この二人を救えた形になったが奇しくもそれは「逃げたら一つ、進めば二つ」と一致していて、しかも最善の方向に進める事となった。
- フェルシーが行った「ロボット同士の対決に介入する」という行為はガンダムシリーズでは何らかの死者が出て数多くの悲劇を発生させていて、該当人物に大きな禍根を残している。しかしながらフェルシーは介入した結果誰も戦死者が出ないかつ和解させているという過去のガンダムシリーズでも例を見ない偉業[1]を達成した。結果として視聴者から今までの評価である「グエルの取り巻きその1」から大きく見直される事になった。
- フェルシーのディランザが持っていた消火剤を発射する銃はデザイナーの刑部一平氏がこのためにわざわざ設定を書き起こしている。2023年6月末現在ではガンプラでのフォローはないが、モデラーの間では早速スクラッチを試みる者が出るなど反響は大きく、何らかの拡張パーツセットへの組み込みが期待されるところである。
- その後、ミオリネによるクワイエット・ゼロ停止作戦は成功し「作戦成功っす!」というフェルシーの喜びの報告を聞き再び深い息をつくグエルであったが…議会連合という新たな敵が惑星間レーザー送電システム「ILTS」というソーラ・レイ級のとんでもないものを持ち出してくるのであった…
関連動画
関連静画
関連項目
脚注
- *唯一「ガンダムW」にて闇落ちしたカトル・ラバーバ・ウィナーとヒイロ・ユイとトロワ・バートンとの間で犠牲者無しでの和解があったが、それとてトロワがしばらく生死不明になった上に再登場時には記憶喪失になっているなど完全な無傷とはいかなかった。
親記事
子記事
- なし
兄弟記事
- なし
- 13
- 0pt

