概要
ある議会において政党・会派等が大きく2グループに分かれているとき、その状態を二大政党制を呼ぶことがある。小選挙区制の下でおこりやすいとされている。選挙において有権者は、比較的容易で直接的な政権交代の選択肢を取ることができる。詳しい定義はWikipediaとか参照。
主にイデオロギーの左右で二党の対立を解析することが多い。いわゆる社会主義政党や自由主義政党に対して保守主義政党が対峙するといった図式が好んで用いられる。しかしながら、両政党とも多くの支持票を得んとするため、政策距離は自然と近くなってくる。国家的危機が生じても、その政策距離が大きくなることはなく、むしろ大連立や挙国一致内閣を成立させて対応することも稀によくある。
主な二大政党制
イギリス - 自由党 vs 保守党 → 労働党 vs 保守党
二大政党制の典型例としてあげられるのがイギリスの議会である。
19世紀までは自由主義政党対保守主義政党という図式であったが、20世紀に入り社会主義政党である労働党が勢力を伸ばし、自由党から二大政党の座を奪取した。以後、保守党と労働党による政権交代が繰り返されたが、労働党による度重なる社会主義政策がイギリスの財政を悪化させ、結果として保守党の長期政権を招くこととなる。
世紀末に地滑り的勝利を手にした労働党であったが、十有余年で再び下野。イギリスにとって戦後初となる連立政権の一翼についたのは、かつての二大政党の一端であった自由党と、労働党を離党した右派によって結成された自由民主党であった。
アメリカ - 民主党 vs 共和党
自由主義政党である民主党と、保守主義政党の共和党による二大政党制である。結成時の共和党は必ずしも保守的ではなく、また民主党には様々な意見の対立があったが、年月を経て今日のイデオロギーに落ち着いた。
カナダ - 自由党 vs (進歩)保守党 → 新民主党 vs 保守党
自由主義政党と保守主義政党による二大政党制であった。進歩保守党が1993年に大敗北を喫して以降、保守側の政党は進歩保守党とは別の政党に交代となった。2011年に自由党が大負けし、野党第一党の座を社会主義政党がになうことになった。
ギリシャ - 全ギリシャ社会主義運動 vs 新民主主義党
やや急進的な社会主義政党と、宗教保守主義政党による二大政党制が続いていた。近年急進的な政党が飛躍を見せ、二大政党による大連立政権が続いている。
台湾 - 民主進歩党 vs 中国国民党
1949年に国民政府が台湾に移って以来、台湾は国民党による一党独裁体制が続いていたが、1980年代に民主進歩党が結成された (当初は黙認、やがて合法化) 。2000年には政権交代も起きており、二大政党制が成立している。
日本? - 民政党 vs 政友会 → 社会党 vs 自民党 → 民主党 vs 自民党
1927年に立憲民政党が誕生、立憲政友会との二大政党制が成立したが、1940年の大政翼賛会合流で全て終わった。
戦後は大きく自民党と社会党が対峙するかたちになっていたが、55年体制の後社会党が政権交代で与党になることは無かったので通例二大政党制として扱わないことが多い。小選挙区比例代表並立制の下では、小選挙区対策として寄せ集められた新進党ではなく、自社さ大連立 (中連立?) の一翼であった社さの合流新党である民主党が次第に下院 (衆議院) で議席を伸ばし始めた。2009年には政権交代も実現したため、民主党と自民党の対峙を二大政党制と呼ぶ向きもあるが、下院 (衆議院) にはいまだ小政党が乱立しているばかりか反体制政党も存在するので、純粋な二大政党制と呼ぶにはいささか無理がある。
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