二軍の帝王とは、主にプロ野球において、二軍の試合では大活躍するにも関わらず、一軍では結果を残せないでいる選手を指す愛称。
概要
二軍では好成績を残しているのに、たまに一軍に上がると期待に反してさっぱり打てなかったり、別人のように打ちこまれたりして、結局は例年二軍にいる期間の方が長くなっている選手のこと。
能力は高いがメンタルが弱かったり、守備に難があって守るポジションが無かったり、同じポジションに不動のレギュラーが居たりする場合が多い。そんな選手は、ファンからは期待と諦観を込めてこう呼ばれる。また一軍の戦力が充実しているために、そもそも昇格の機会が与えられずに帝王化する場合もある(一昔前の巨人に多い)。
もちろん、帝王期間を卒業後、一軍レギュラーになる選手もいる。また移籍先で開花する場合もあるが、一軍の実績が全てのプロ野球の世界では、大半の選手は帝王のまま、そのうちひっそりと解雇されて消えていくことになる。
主な帝王
現役の帝王 ※2020年シーズン終了時までのプロ歴年数と一軍通算成績を付記している。
イースタンリーグ
- 淺間大基(北海道日本ハムファイターズ) 通算6年、一軍出場203試合(494打席、打率.225)
- 谷内亮太(東京ヤクルトスワローズ→北海道日本ハムファイターズ) 通算8年、一軍出場228試合(402打席 打率.220)
- 王柏融(北海道日本ハムファイターズ) 通算2年、一軍出場140試合(435打席、打率.244)
- 北浦竜次(北海道日本ハムファイターズ) 通算4年、一軍出場10試合(1勝2敗、防御率7.06)
- 髙濱卓也(阪神タイガース→千葉ロッテマリーンズ) 通算18年、一軍出場195試合(411打席 打率.222)
- 森雄大(東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算8年、一軍出場28試合(3勝6敗、防御率4.58)
- 和田恋(読売ジャイアンツ→東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算7年、一軍出場43試合(138打席、打率.229)
- 髙田萌生(読売ジャイアンツ→東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算4年、一軍出場3試合(0勝1敗、防御率11.57)
- 古川侑利(東北楽天ゴールデンイーグルス→読売ジャイアンツ) 通算7年、一軍出場47試合(6勝14敗 防御率5.02)
- 石川慎吾(北海道日本ハムファイターズ→読売ジャイアンツ) 通算9年、一軍出場317試合(627打席、打率.225)
- 古賀優大(東京ヤクルトスワローズ) 通算4年、一軍出場45試合(78打席、打率.086)
- 愛斗(埼玉西武ライオンズ) 通算5年、一軍出場60試合(80打席、打率.135)
ウエスタンリーグ
- 江越大賀(阪神タイガース) 通算6年、一軍出場279試合(480打席 打率.192)
- アレハンドロ・メヒア(広島東洋カープ) 通算5年、一軍出場124試合(317打席 打率.239)
- 関根大気(横浜DeNAベイスターズ) 通算7年、一軍出場218試合(351打席 打率.204)
- 楠本泰史(横浜DeNAベイスターズ) 通算3年、一軍出場123試合(192打席 打率.199)
- 真砂勇介(福岡ソフトバンクホークス) 通算8年、一軍出場72試合(77打席 打率.221)
帝王に格落ちしてしまった現役選手
- 加藤翔平(千葉ロッテマリーンズ)
- 岡大海(北海道日本ハムファイターズ→千葉ロッテマリーンズ)
- 横尾俊建(北海道日本ハムファイターズ→東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 内田靖人(東北楽天ゴールデンイーグルス)
- 風張蓮(東京ヤクルトスワローズ→横浜DeNAベイスターズ)
帝王を卒業した(と思われる)現役選手
- 角中勝也(千葉ロッテマリーンズ)
- 吉川光夫(北海道日本ハムファイターズ→読売ジャイアンツ→埼玉西武ライオンズ)
- 中田翔(北海道日本ハムファイターズ)
- 會澤翼(広島東洋カープ)
- 大田泰示(読売ジャイアンツ→北海道日本ハムファイターズ) ※巨人時代
- 福田永将(中日ドラゴンズ)
- 安部友裕(広島東洋カープ)
- 秋山拓巳(阪神タイガース)
- 井上晴哉(千葉ロッテマリーンズ)
- 山川穂高(埼玉西武ライオンズ)
- 今村信貴(読売ジャイアンツ)
- 山田大樹(福岡ソフトバンクホークス→東京ヤクルトスワローズ) ※ソフトバンク時代
- 田中靖洋(埼玉西武ライオンズ→千葉ロッテマリーンズ)
- 小野郁(東北楽天ゴールデンイーグルス→千葉ロッテマリーンズ) ※楽天時代
- 塩見泰隆(東京ヤクルトスワローズ)
- 堂林翔太(広島東洋カープ)
- 陽川尚将(阪神タイガース)
帝王を卒業したOB選手
- 山本和範(近鉄バファローズ→南海ホークス・福岡ダイエーホークス→大阪近鉄バファローズ) ※最初の近鉄時代
- 山崎武司(中日ドラゴンズ→オリックス・ブルーウェーブ→東北楽天ゴールデンイーグルス→中日ドラゴンズ) ※中日時代の前半
- 牛田成樹(横浜DeNAベイスターズ)
- 新井良太(中日ドラゴンズ→阪神タイガース) ※中日時代
- 森岡良介(中日ドラゴンズ→東京ヤクルトスワローズ) ※中日時代
- 松元ユウイチ(東京ヤクルトスワローズ)
- 武内晋一(東京ヤクルトスワローズ)
- 赤松真人(阪神タイガース→広島東洋カープ) ※阪神時代
- 後藤武敏(埼玉西武ライオンズ→横浜DeNAベイスターズ) ※西武時代
- 畠山和洋(東京ヤクルトスワローズ)
- 鵜久森淳志(東京ヤクルトスワローズ)
- 西田哲朗(東北楽天ゴールデンイーグルス→福岡ソフトバンクホークス) ※楽天時代
帝王のまま引退した主な選手
- 松谷竜二郎(読売ジャイアンツ→大阪近鉄バファローズ) 通算8年(1989-1997) 一軍出場59試合(4勝4敗、防御率5.06)
- 斉藤浩行(広島東洋カープ→中日ドラゴンズ→日本ハムファイターズ) 通算11年(1982-1992) 一軍出場228試合(本塁打16、打点41、打率.196)
- 中村良二(近鉄バファローズ→阪神タイガース) 通算11年(1987-1997) 一軍出場41試合(本塁打0、打点4、打率.098)
- 井上真二(読売ジャイアンツ) 通算14年(1985-1998) 一軍出場289試合(本塁打16、打点60、打率.253)
- 大森剛(読売ジャイアンツ→大阪近鉄バファローズ) 通算10年(1990-1999) 一軍出場132試合(本塁打5、打点16、打率.149)
- 斉藤肇(横浜ベイスターズ) 通算9年(1992-2000)一軍出場無し
- 河野亮(ヤクルトスワローズ→福岡ダイエーホークス→中日ドラゴンズ→オリックス・ブルーウェーブ) 通算12年(1990-2001) 一軍出場185試合(本塁打17、打点58、打率.234)
- コーリー・ポール(西武ライオンズ) 通算3年(1999-2001) 一軍出場106試合(本塁打16、打点47、打率.251)
- 衣川幸夫(近鉄バファローズ→ヤクルトスワローズ) 通算11年(1993-2003) 一軍出場50試合(本塁打0、打点3、打率.174)
- 厚澤和幸(日本ハムファイターズ) 通算9年(1995-2003) 一軍出場42試合 (0勝4敗、防御率5.37)
- 小野仁(読売ジャイアンツ→大阪近鉄バファローズ) 通算7年(1997-2003) 一軍出場36試合(3勝8敗、防御率5.77)
- 藤島誠剛(日本ハムファイターズ) 通算17年(1988-2004) 一軍出場405試合(本塁打23、打点86、打率.198)
- 善村一仁(近鉄バファローズ→中日ドラゴンズ) 通算11年(1994-2004) 一軍出場40試合(本塁打0打点3打率.250)
- 矢口哲朗(中日ドラゴンズ) 通算7年(1999-2005) 一軍出場4試合(勝敗なし、防御率7.45)
- 山下勝充(大阪近鉄バファローズ→東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算9年(2000-2008) 一軍出場196試合(本塁打2、打点29、打率.222)
- 中村泰広(阪神タイガース→北海道日本ハムファイターズ) 通算7年(2003-2009) 一軍出場29試合(3勝2敗、防御率4.22)
- 吉川元浩(大阪近鉄バファローズ→読売ジャイアンツ→福岡ソフトバンクホークス) 通算13年(1998-2010) 一軍出場45試合(本塁打2、打点5、打率.242)
- 小田嶋正邦(横浜ベイスターズ→読売ジャイアンツ) 通算9年(2002-2010) 一軍出場149試合(222打席 6本塁打 打率.201)
- 鞘師智也(広島東洋カープ) 通算8年(2003-2010) 一軍出場22試合(本塁打0、打点1打率.185)
- 森跳二(広島東洋カープ) 通算6年(2005-2010) 一軍出場27試合(1勝3敗、防御率6.03)
- 吉本亮(福岡ダイエーホークス→東京ヤクルトスワローズ) 通算13年(1999-2011) 一軍出場149試合(本塁打1、打点34、打率.227)
- 大廣翔治(東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算7年(2005-2011) 一軍出場37試合(61打席 打率.125)
- 大島裕行(埼玉西武ライオンズ) 通算13年(2000-2012) 一軍出場50試合(本塁打23、打点106、打率.253)
- 仲澤忠厚(中日ドラゴンズ→福岡ソフトバンクホークス) 通算13年(2001-2012) 一軍出場142試合(241打席 打率.203)
- 金剛弘樹(中日ドラゴンズ) 通算8年(2005-2012) 一軍出場27試合 (0勝1敗、防御率8.16)
-
山本一徳(北海道日本ハムファイターズ→千葉ロッテマリーンズ) 通算6年(2007-2012) 一軍出場35試合(先発登板2 防御率5.39)
- チキンハムだぜ!も参照。
- 中西健太(福岡ソフトバンクホークス) 通算9年(2005-2013) 一軍出場105試合(227打席 打率.210)
- 迎祐一郎(オリックス・バファローズ→広島東洋カープ) 通算15年(2000-2014) 一軍出場299試合(579打席 打率.196)
-
尾崎匡哉(北海道日本ハムファイターズ) 通算12年(2003-2014) 一軍出場25試合(36打席 打率.176)
- 晩年は妖精(後述)的な存在だった。
- 神戸拓光(千葉ロッテマリーンズ) 通算8年(2007-2014)一軍出場92試合(176打席 打率.198)
- 加治前竜一(読売ジャイアンツ) 通算7年(2008-2014) 一軍出場109試合(130打席 打率.210)
- 森田一成(阪神タイガース) 通算7年(2008-2014) 一軍出場44試合(83打席 打率.227)
- 小斉祐輔(福岡ソフトバンクホークス→東北楽天ゴールデンイーグルス) 通算10年(2006-2015) 一軍出場165試合(341打席 打率.209)
- 隠善智也(読売ジャイアンツ) 通算8年(2007-2015)一軍出場65試合(92打席 打率.230)
- 横川史学(東北楽天ゴールデンイーグルス→読売ジャイアンツ) 通算8年(2007-2015) 一軍出場185試合(440打席 打率.216)
- 梅田尚通(埼玉西武ライオンズ) 通算8年(2008-2015) 一軍出場4試合(12打席 打率.182)
- 土屋健二(北海道日本ハムファイターズ→横浜DeNAベイスターズ) 通算7年(2009-2015) 一軍出場18試合(2勝3敗、防御率10.80)
- 竹原直隆(千葉ロッテマリーンズ→オリックス・バファローズ) 通算12年(2005-2016) 一軍出場441試合(1052打席 打率.212)
- 巽真悟(福岡ソフトバンクホークス) 通算8年(2009-2016) 一軍出場24試合(1勝4敗、防御率7.50)
- 二神一人(阪神タイガース) 通算7年(2010-2016) 一軍出場27試合(0勝3敗、防御率5.31)
- 猪本健太郎(福岡ソフトバンクホークス→千葉ロッテマリーンズ) 通算9年(2009-2017) 一軍出場16試合(27打席 打率.120)
- 江柄子裕樹(読売ジャイアンツ) 通算6年(2012-2017) 一軍出場34試合(1勝5敗、防御率4.10)
- 坂田遼(埼玉西武ライオンズ) 通算10年(2009-2018) 一軍出場255試合(808打席 打率.244)
- 佐藤祥万(横浜ベイスターズ→北海道日本ハムファイターズ→広島東洋カープ) 通算11年(2008-2018) 一軍出場56試合(0勝1敗、防御率4.09)
- 白根尚貴(福岡ソフトバンクホークス→横浜DeNAベイスターズ) 通算8年(2012-2018) 一軍出場15試合(17打席 打率.176)
- 新垣勇人(北海道日本ハムファイターズ) 通算6年(2012-2018) 一軍出場12試合(1勝3敗、防御率7.89)
- 江川智晃(福岡ソフトバンクホークス) 通算15年(2005-2019) 一軍出場345試合(877打席 打率.235)
- 阿部和成(千葉ロッテマリーンズ) 通算12年(2008-2019) 一軍出場52試合(3勝6敗、防御率4.92)
- 塚田正義(福岡ソフトバンクホークス) 通算8年(2012-2019) 一軍出場74試合(113打席 打率.206)
- 美間優槻(広島東洋カープ→福岡ソフトバンクホークス) 通算7年(2013-2019) 一軍出場46試合(63打席 打率.129)
- 笠原大芽(福岡ソフトバンクホークス) 通算7年(2013-2019) 一軍出場7試合(0勝0敗、防御率4.82)
- 中川大志(東北楽天ゴールデンイーグルス→横浜DeNAベイスターズ) 通算11年(2009-2019) 一軍出場168試合(419打席 打率.204)
- 相内誠(埼玉西武ライオンズ) 通算8年(2013-2020) 一軍出場21試合(0勝7敗 防御率10.05)
- 石川駿(中日ドラゴンズ) 通算6年(2015-2020) 一軍出場31試合(45打席 打率.244)
主な妖精
野球における「妖精」とは、一軍出場がほぼ0にもかかわらず、なぜか毎年チームに残留する選手のことを指す。
代用のききにくい捕手が、チーム事情から比較的妖精化しやすい傾向にある。
本項では、「プロ入り7年目以上で、野手なら一軍出場約15試合以下、投手なら一軍登板約10試合以下」を暫定的に妖精の定義とする。6年目に突入した選手は妖精候補として記載。妖精該当選手が移籍した場合、移籍先でも一軍出場機会が無ければ記載する。
引退した妖精
- 本田明浩(福岡ダイエーホークス→阪神タイガース・捕手。通算10年[1992-2001] 一軍出場なし)
- 鮫島秀旗(東京ヤクルトスワローズ・捕手。通算14年[1992-2004] 一軍出場8試合、6打数無安打)
- 鈴衛佑規(広島東洋カープ・捕手。通算11年[1996-2006] 一軍出場2試合、打席なし)
- 鈴 衛 残 留
- 駒居鉄平(北海道日本ハムファイターズ・捕手。通算8年[2001-2008] 一軍出場1試合、1打数無安打)
- 牧谷宇佐美 (東京ヤクルトスワローズ・投手→外野手。通算11年[1999-2009] 一軍出場2試合、2打数無安打)
- 山本翔(広島東洋カープ・捕手。通算9年[2002-2010] 一軍出場なし)
- 田村領平(阪神タイガース→千葉ロッテマリーンズ・投手。通算8年[2003-2010] 一軍出場なし)
- 市川卓(北海道日本ハムファイターズ・内野手。通算8年[2005-2012] 一軍出場7試合、4打数無安打)
- 荒川雄太(福岡ソフトバンクホークス→埼玉西武ライオンズ・捕手。通算8年[2006-2012] 一軍出場なし)
- 定岡卓摩(福岡ソフトバンクホークス→千葉ロッテマリーンズ→東北楽天ゴールデンイーグルス・内野手。通算9年[2005-2013] 一軍出場16試合、32打数5安打)
- 辻内崇伸(読売ジャイアンツ・投手・通算8年[2006-2013] 一軍登板なし)
- 水野祐希(東京ヤクルトスワローズ・捕手・通算8年[2006-2013] 一軍出場なし)
- 柴田亮輔(オリックス・バファローズ→福岡ソフトバンクホークス・内野手。通算8年[2006-2013] 一軍出場なし)
- 山本大明(東北楽天ゴールデンイーグルス・捕手・通算7年[2007-2013] 一軍出場なし)
- 橋本良平(阪神タイガース・捕手・通算7年[2007-2013] 一軍出場なし)
- 鈴木将光(広島東洋カープ・外野手。通算10年[2006-2015] 一軍出場6試合、11打数2安打)
- 植松優友(千葉ロッテマリーンズ・投手。通算8年[2008-2015] 一軍出場2試合 防御率7.88)
- 中村憲(広島東洋カープ・外野手・通算8年[2008-2015] 一軍出場なし)
- 荒張裕司(北海道日本ハムファイターズ・捕手・通算7年[2008-2016] 一軍出場なし)
- 鬼屋敷正人(読売ジャイアンツ・捕手・通算8年[2010-2017] 一軍出場なし)
- 伊藤大智郎(福岡ソフトバンクホークス・投手・通算7年[2011-2017] 一軍出場なし)
- 成瀬功亮(読売ジャイアンツ・投手・通算8年[2011-2018] 一軍登板なし)
- 西田直斗(阪神タイガース・内野手。通算7年[2012-2018] 一軍出場1試合、2打数無安打)
- 藤澤亨明(埼玉西武ライオンズ・捕手。通算7年[2012-2018] 一軍出場なし)
- 中田祥多(埼玉西武ライオンズ・捕手。通算12年[2008-2019] 一軍出場12試合、20打数1安打)
- 森本龍弥(北海道日本ハムファイターズ・内野手。通算7年[2013-2019] 一軍出場5試合、9打数1安打)
現役の妖精・妖精候補(2020年シーズン終了時点)
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関連項目
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