二重反転プロペラとは、その名の通り同軸上に配置した2個のプロペラが反転するプロペラである。航空機以外では船舶に使われることがある。
概要
プロペラを回転させると、作用反作用の法則でエンジン側を反対方向に回そうとする力(カウンタートルク)が発生する。従って、通常のプロペラを搭載した乗り物ではその対策が必要である。例えば飛行機では、エンジンや垂直尾翼をわずかに斜めに配置したり、主翼のどちらかを長くしたりしている(ゴム動力飛行機を作ったことがあれば、その効果を体感できるだろう)。しかし、これらの対策も完璧ではなく、エンジンを急に吹かしたときなどには機体が曲がろうとしてしまう。この現象は大馬力エンジンを採用した場合、特に顕著な問題となる。
一方、二重反転プロペラの場合、お互いのプロペラの発生するカウンタートルクが相殺し合うため、このような対策は不要である。
また、二重反転プロペラは高速化にも有効である。プロペラ先端の速度はその流体の音速によって制限を受ける。そのため回転数や直径には限界があり、高速な機体では小さい直径のプロペラを、回転数を抑えて大きなトルクで回す必要がある。その方法としてプロペラの枚数を増やすという手段があるが、これはプロペラ効率の低下を招く。しかし、二重反転プロペラなら同じ直径で同じプロペラ枚数であっても、枚数を2倍に増やした場合と同じだけのトルクをプロペラに伝える事が出来る。
欠点としては、高い工作精度が必要であることが挙げられる。中空のプロペラ軸の中をもう一つのプロペラ軸が貫通しているため、お互いの軸同士は相対的に2倍の速度で回転していることが原因である。つまりプロペラ軸自体や軸受けは通常の2倍の回転数でも問題が無い精度で製作する必要がある。
また構造が複雑であり、重量やコストの増大、耐久性の低下が挙げられる。これはお互いに逆回転する動力が必要であるため、回転方向の異なるエンジンを2つ搭載するか、ギヤボックスで時計回りと反時計回りの回転を作り出す必要があるためである。
関連動画
また、高速を追及する一部のレーサーにも使用されている。
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関連項目
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