井の頭公園バラバラ殺人事件とは、1994年に発生した殺人事件である。
※この項目は残酷な部分が存在するため、閲覧の際にはご注意ください。
概要
東京都三鷹市にある井の頭恩賜公園のゴミ箱から近隣に住む男性のバラバラ死体が発見された事件。
他のバラバラ殺人事件とは異なる奇異な点が多数みられ、一方で被害者の周囲にはトラブルも全くなく、謎が謎を呼ぶ怪事件であったが、2009年に時効となり迷宮入りした。
発覚と捜査
1994年4月23日、井の頭公園の清掃員が猫のエサになるようなものがないかとゴミ箱を開けたところ、袋詰めにされた人の足首が見つかった。通報を受けて警察官が公園の他のゴミ箱を確認したところ、全部で27個の遺体入りポリ袋が発見された。
DNA鑑定の結果、被害者は公園近くに住む一級建築士の35歳男性であることが分かった。この被害者は21日夜から行方不明になっており、翌22日夕方に捜索届が出されていた。また発覚当日の早朝にポリ袋を持って歩く30代ほどの男2人が目撃されている。だが、肝心の被害者の周辺を調査しても殺されるような動機が全く見つからず、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。
この事件の奇異なところは遺体の処理の方法にある。通常のバラバラ殺人であれば関節部分を切断していくことが多いが、本件の遺体は骨や内臓の位置も関係なく20センチ毎にまっすぐ切り分けられていた。遺体が捨てられた井の頭公園のゴミ箱の入り口は20センチ×30センチなので、ちょうどぴったり捨てられるサイズである。初めから公園に遺棄するつもりでこのサイズに切り分けたのかは謎である。
更に遺体を入れたポリ袋は二重にされており、結び方も特殊で固く結ばれていた。遺体からは血が完全に抜き取られており、指紋も両手両足全て消されていた(だが前述の通りDNA鑑定で特定できた)。また切断のパターンが3種類みられ、こうした大掛かりな遺体処理方法から複数犯による犯行が疑われた。公園から見つかった遺体は全体の1/3程度であり、残る2/3は行方不明である。この事件自体たまたまゴミ箱を開けて中身を確認した人間がいたから幸運にも発覚したのであって、普通であれば誰も知らないままゴミ収集車行きである。その為、残る遺体は既に他のゴミと共に処分されてしまった可能性もある。
このように組織的で計画的な殺人事件である事を感じさせるが、全くと言っていいほど証言や証拠は得られず、また約1年後には地下鉄サリン事件が起こった影響で本件の捜査本部は解散となってしまい、その後も捜査は続けられたが、2009年4月23日に時効を迎えた。
人違い暗殺説
時効から数年後の2015年、被害者は自分と勘違いされて殺害されたかもしれないと言う男性が現れ、ライターの猪俣進次郎氏が取材した。被害者と男性は知人から何度も見間違えるほどに見た目が(顔だけでなく背格好や年代も)驚くほどそっくりで、活動範囲も同じくしていた。
この男性は事件当時吉祥寺の露天商の元締め的な立場で、外国人露天商と縄張りを巡って争いが起こっていた。男性は「その筋」の力を借りて外国人露天商の締め出しをはかったが、実はその外国人の中に偽装した「某国」の工作員が混じっていたのだと言う。
このため「その筋」の人々も手を引いてしまい、男性は監視され命を狙われるようになり、その恐怖から都内のビジネスホテルを転々として逃亡生活を送っていたところ、この事件が発生したことを知った。テレビで被害者の写真を見た男性は「背筋が凍る思いをした。そして確信した。この人は私と間違えられて殺されたのだと…」と語っている。
真相は今も闇の中である……。
関連項目
- 1
- 0pt