京急2000形とは、京浜急行電鉄(京急)が保有・運用していた電車である。2018年3月28日を以て全ての車両が営業運用を終えた。
概要
快速特急やWing号の専用車として活躍し、後年は格下げ改造により3扉ロングシート車の通勤型車両として運用された。
改造前は2扉クロスシート車で現在の2100形の立場にあり、快適・俊足を誇っていた。
サービス向上を目的として1982年に登場。京急の速達列車には特別料金が不要であるにもかかわらず、2000形は車内をオールクロスシートとしてデビュー、快適性が高く評価されていた。
一方でラッシュへの対応として、乗降扉には伝統の片開きに替わり京急初の両開きを採用した。
制御機器は800形をベースとしているが、モーターの出力増強に加え車輪とのギヤ比を変更、加速度は劣るが設計最高速度130km/hとする高速性能を持つ。ギア比が低いため車内の静粛性は抜群で、後続の車両を含めても京急随一と言える。
大型ガラスが取り付けられた前面は“く”の字に傾斜し、スピード感抜群である。
連結を目的に8連と4連が製造された。その際初めて採用されたのが自動連結開放が可能な密着連結器である。
これは現在の分割併合ダイヤの鍵となる非常に重要な装備となった。
格下げ改造
登場より華々しい活躍を続けていたが、1998年に後継の2100形が登場、2000形はエースの座を追われる身となった。同時に大規模な車体の改造が行われ、車端部以外のクロスシートを撤去、車体中央に新たな扉を設け3扉ロングシート車として余生を送ることになる。
当初、2000形以外との連結運転は電気連結器の問題でできなかったが、2000年に設定変更され、他形式とも連結できるようになっている。
クロスシート時代の面影
改造により平凡な通勤型となってしまったが、車内には華やかだった時代の面影がいくつか残されていた。
引退
以前は優等のロングラン運用ばかりを受け持っていたことに加え、3扉化改造も行われたため、車体の老朽化がかなり進んでいたと思われる。
また、高速域での加速性能を重視したことが通勤型車両としての運用(後述)では裏目に出てしまい、4連は普通車運用でしばしばダイヤに乗り切れなかったり、快特・特急の増結運用で加速のズレによる衝動が大きくなるなど、少々クセのある車両だったようだ。
こうした事情や運用上の制約が影響してか、新1000形の増備によって優先的に置き換えが進められることとなった。4両編成は2016年10月11日を以て消滅、8両編成も2018年3月28日を以て全編成が運用を終了。先輩格にあたる800形よりも一足早く、2扉時代からの通算35年にわたる活躍を終えた。なお最後まで残ったのは、2013年から登場当時の塗装を施されていた最古参の2011編成だった。
運用(3扉化後)
前面に非常用扉が無いため、泉岳寺~品川を除く京急線内での運用が基本だった。
8連
都営線方面(含泉岳寺)への直通も、京急線内の普通車になることもできない。そのため少々使い勝手が悪く、3扉化改造後は平日朝夕以外に全く運用がない時期もあった。
2010年以降は平日朝夕ラッシュに加え、毎日の日中に羽田空港と新逗子を結ぶエアポート急行で使われるようになった。同列車には2000形以外の8連や4連*2の編成も充当されるが、他の用途が無いことから2000形による運転はよく見られていた。
4連
直通運用には使用されず、京急線内(含大師線)で普通車と快特・特急への連結・増結車として使用されていた。
なお2000形や800形の前面には非常扉が設けられていないが、空港線の地下区間は断面が大きい長大トンネル(≠地下鉄)であるため、省令上地下鉄としての縛りが適用されず入線可能である。ただし、先頭車の全長が他形式よりも若干長いため、2000形4連を2本繋いでの空港線乗り入れは不可能だった。
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4両編成は大師線でも運用された。
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