京葉線とは、東京駅と蘇我駅を結ぶJR東日本の路線である。路線記号はJE。
概要
京葉線 | |
基本情報 | |
---|---|
運行事業者 | 東日本旅客鉄道 |
総路線距離 | 54.3km(支線を含む) |
総駅数 | 19駅(西船橋駅を含む) |
路線記号 | |
軌間 | 1067mm |
使用車両 | 205系5000番台・0番台(武蔵野線車両のみ) 209系500番台 E233系5000番台 255系 E257系500番台 |
最高速度 | 100km/h |
主に東京ディズニーランドや幕張新都心、東京湾岸の工業地域へのアクセス路線。市川塩浜駅と南船橋駅から武蔵野線に乗り入れるための支線がある。
ラッシュ時には内房線や外房線に乗り入れる。また、特急「わかしお」「さざなみ」も乗り入れている。
使用車両は209系、E233系、E331系、255系、E257系など。
歴史
京葉線はもともと東京外環状線(貨物線)の一部として計画され、新木場駅~蘇我駅間ならびに武蔵野線への支線は現在とほぼ同じルートであるが、新木場駅から西は東京貨物ターミナル駅で東海道貨物線に接続する計画となっていた。
しかし、1970年代になるとモータリゼーションの進行で鉄道貨物輸送が減少したことや、混雑が激しい東京メトロ東西線のバイパス路線を作る必要が生じたことなどから、旅客線化されることになった。なお、東京貨物ターミナルへ向かうのは旅客線としては不便であるため、建設が中断していた成田新幹線の土地を活用して起点を東京駅に変更することになった。これによって、東京貨物ターミナル駅~新木場駅間は未完成のまま放棄されることになるが、後に建設が再開されて東京臨海高速鉄道りんかい線となる。
1975年に蘇我駅~千葉貨物ターミナル駅(現在の稲毛海岸駅~千葉みなと駅間・廃止)間が貨物線として開業。
1986年に西船橋駅~千葉貨物ターミナル駅間が開業し、西船橋駅~千葉港駅(現在の千葉みなと駅)間が旅客営業を開始した。その後、1988年に新木場駅~南船橋駅間、市川塩浜駅~西船橋駅間が開通(同時に千葉みなと駅~蘇我駅間の旅客営業開始)、1990年に東京駅~新木場駅間が開通して全通した。
これにより、総武本線(総武快速線)や東京メトロ東西線のバイパス路線としての機能を担うことになった。
比較的新しい路線であることから、長らくの間輸送管理システムとしてCTC・PRCが導入されていたが、2016年9月になってようやくATOSに更新されている。
東京~新木場を除くほぼ全区間に複々線用地が確保されている。地図上で見ると分かりやすい。しかし今の所は輸送力が間に合っているので建設予定はない。また、一部近隣施設に用地を売り払った部分があるので厳密には全線複々線化は買い戻さない限り不可能。
朝ラッシュ時にドアが閉まらなくなった際、テープをドアに張ってなんとか終点まで走らせた伝説もある。
最近はディズニーランドの混雑対策で舞浜駅のホームが100m延伸されて停車位置をずらしたり、新駅の「幕張豊砂駅」が2023年3月18日に開業したりしている。
運行種別
- 特急「わかしお」「さざなみ」
- 快速
- 平日朝を除くほぼ全時間帯に運行される。途中停車駅は八丁堀駅、新木場駅、舞浜駅、新浦安駅、南船橋駅、海浜幕張駅~蘇我駅。殆どが新浦安駅と海浜幕張駅で各駅停車に接続する。
- 設定当初は平日と土休日で停車駅が異なっていたことから、平日は「京葉快速」(停車駅:八丁堀駅、新木場駅、舞浜駅、新浦安駅、検見川浜駅、稲毛海岸駅)、土休日は「快速マリンドリーム」(停車駅:葛西臨海公園駅、舞浜駅、新浦安駅、検見川浜駅、稲毛海岸駅)と名乗っていた。2000年に「快速マリンドリーム」が新木場駅停車、葛西臨海公園駅一部通過となり、2002年に平日・土休日ともに「京葉快速」に統合されて現在の停車駅となった。なお、「京葉快速」と名乗っていたのは、「武蔵野快速」(後述)との区別のためだったが、「武蔵野快速」が廃止された後もATOS化されるまで「京葉快速」と案内されていた。
- 当初は朝ラッシュにも存在したが、ダイヤ改正でラッシュピーク時間帯は各駅停車のみ(と通勤快速)に統一された。
- 2024年3月ダイヤ改正では朝の上り2本を除いて、日中のみの運行となる予定である。当初は朝の上りも運行しない予定であったが、後述する通り沿線自治体からの反対によって異例のダイヤ改正内容の修正が行われた。
- 各駅停車
- 武蔵野線直通(各駅停車)
- 東京駅~市川塩浜駅~西船橋駅間と武蔵野線を直通する電車と、西船橋駅~南船橋駅(~海浜幕張駅)間と武蔵野線を直通する電車がある。南船橋駅・海浜幕張駅発着の一部電車は「しもうさ号」となり、大宮駅に乗り入れる。
- 東京駅発着は設定当初は平日は「武蔵野快速」(停車駅:八丁堀駅、新木場駅、舞浜駅~西船橋駅)、土休日は「快速むさしのドリーム」(停車駅:葛西臨海公園駅~西船橋駅)と名乗っていた(各駅停車は設定されず)。2000年に「快速むさしのドリーム」が新木場駅停車、葛西臨海公園駅一部通過となり、2002年に平日・土休日ともに「武蔵野快速」に統合され、停車駅は八丁堀駅、新木場駅、舞浜駅~西船橋駅(土休日のみ葛西臨海公園駅停車)となった。最終的に2013年に各駅停車化され、「武蔵野快速」は消滅した。
過去に運行されていた種別
東京“地下”駅
上り側始発駅は東京駅であるが、京葉線ホーム自体が地下5階であるのに加え、東京駅中央通路からかなり離れている為、山手線や京浜東北線からの乗換えには約10分ほど掛かる。ちなみに、有楽町駅へは5分くらいで行ける上、駅員の方に申し出れば乗り継ぎ券を無料で発行してもらえる(ただし品川駅方面⇔京葉線のみ)。また千代田線二重橋前駅、三田線日比谷駅、銀座線京橋駅も近いのでこれらの駅を使うのもあり。
長距離ゆえ、途中に「動く歩道」が設置されている。ディズニーリゾートへ向かう客にとって最初の(非公式)アトラクションとも言える。初めて京葉線へ乗り換える場合は、予め余裕を持たせた時間設定とその覚悟が必要だ。
なお、福岡市地下鉄七隈線の天神南駅はさらに距離が長い(地下街部分だけで550m)が、地下街の店舗への配慮により、動く歩道は設置されていない。そして七隈線が博多駅まで延伸し乗り換えの際は博多駅が推奨されるようになった。
また、東京駅・駅舎側、京葉線ホームへの通路出入り口、左右には東京土産物店やそのワゴン(主にお菓子関連)が所狭しと並び、浮き足だったディズニー客を目当てとした商魂たくましい販売合戦の応酬という実に微笑ましい光景が展開されている。
京葉線最大の敵
それは風である。
ほとんどの区間に渡って高架で構成され、なおかつ海沿いを走る特異な路線ゆえ、海風の影響を非常に受けやすい。従って、他地域ではやや強い程度の風でも、京葉線ともなると、軽々と運行規制風速をこえてしまい、運休に陥りやすい。
もっとも、常に京葉線を通勤通学に利用している常連客は、そういったことにはすっかり慣れてしまい、天気予報等で「今日は風が強くなりそう」という情報を常に把握しており、その様な日は運休する事を前提とした代替路線(メトロ有楽町線・東西線、JR総武線・総武快速線)の利用もあらかじめ想定してから出かける。
一方、そういう事に慣れていないディズニー客などの「一見さん」はそういった心構えに疎く、散々遊んだ帰路、最寄りの舞浜駅に辿り着いて、そこで初めて強風による京葉線運休を知り、パニック状態に陥る事も時として起こりうる。荒天時の京葉線利用にはくれぐれも注意されたい。
最近では防風柵のおかげで運転見合わせ、速度規制を受ける時間はかなり減っている模様。
2024年3月ダイヤ改正問題
2023年12月15日、JR東日本千葉支社からのプレスリリースによって朝夕時間帯の通勤快速・快速を全て各駅停車へ変更することが発表された。これは各駅停車に統一することで混雑を平滑化することを目的としたものであった。
しかし、千葉県・千葉市を始めとして直通先である内房線・外房線の沿線自治体は事前にこの話を聞かされていなかったようであり、乗車時間が長くなるとして強く反発することになる(関係して、幕張メッセでは主催者側の反応として快速が廃止されるのであれば会場として使用しないとの声があったと言う)。千葉支社側は快速の待避が無くなることで乗車時間の増加は少ないと説明するが、納得がいかない自治体側は通勤快速・快速の廃止を撤回するよう強く要求。
この反対によって、2024年1月16日には他線のダイヤへの影響が少ない朝の上り2本については快速を運行する異例のダイヤ改正内容変更が行われた。
ただ、全ての通勤快速の各駅停車格下げや、夕時間帯の快速の各駅停車格下げについては従前の発表通りであるため、廃止の撤回要求はヒートアップすることになる。
千葉支社は要求に対して「3月ダイヤ改正内容の白紙撤回はシステム上不可能であるが、今後の配慮は検討する」旨の回答をしており、2025年3月を待たずに再改正を実施する可能性が浮上している。
なお、このダイヤ改正では現在255系9両編成・E257系5両編成・10両編成で運行している特急「わかしお」「さざなみ」に関してE257系5両編成に統一する予定であったが(255系は定期運用から撤退)、2月になって6月28日まで255系9両編成・E257系10両編成での運行が続く形に変更された。
路線図
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