『京騒戯画』(きょうそうぎが)とは、東映アニメーションとバンプレストによるアニメーション作品である。
概要
2011年3月に公式サイトとTwitterアカウントが開設。
同年8月27日に、『キャラホビ2011 C3×HOBBY』にて制作発表が行われ、同日にコミカライズと、本編公開日が発表された。
本編公開日は2011年12月10日で、公開前に東京と京都で試写会が開催された。
公式サイトでは、インターネットでの配信を予定していることが明記された。
バンダイチャンネル、ニコニコ動画、Youtube で配信。配信期間は2011年12月10日(土)~2012年1月15日(日)。
ニコニコ動画での動画はエンコードミスがあったため再度うpされた。
ニコニコ動画で2012年3月4日から2012年3月31日まで再配信された。
ニコニコ動画で2012年7月31日から2013年1月31日まで再配信された。また、他短編の公開期間も同様。
現在は全て公開が停止されている。
2013年秋に何の前触れもなくTVアニメ化されることが決定。
TOKYOMX、BS朝日の他ニコニコ動画での配信も行われた。
作品内容
京都であって京都でない、独自の発展を遂げた箱庭のような空間、「鏡都」。 ひょんなことからそんな世界に迷い込んでしまった女の子・コト。 謎の坊主に出会ったり、メカオタクの女の子に追いかけられたりと波 乱万丈の日々をけっこう楽しんじゃったりもしていた彼女だが、知らぬところである計画が動きだしつつあった・・・。 妖怪と人間が入り交じった不思議な街で、いま、祭りが始まる!
公式プロモーションビデオから公開され、
第一弾が2011年12月10月に一話完結作品として配信、
第二弾が2012年8月から全5話、独立した短編エピソードが公開された。
そして2013年秋アニメに登場。本記事は第一弾からの内容を扱うが、全て内容は共通している。
映像作品としての色が強い作品だが、エピソードが公開されるごとに少しずつ世界観の全容や謎が明らかになっていっている。
一貫して公式サイトでも飄々とした文章でしか紹介がなく、世界観の説明、主人公達の境遇や立ち位置などはあえての説明は作中ではなされない為、視聴者の解釈にゆだねられる事の多い作品であるのが一番の特色とされる。
序盤からハイスピードな展開だが、視聴者は登場人物より情報量が極端に少ない為、様々な論争を招いている。
いわゆる異世界から来ちゃった系の主人公であるが、彼女自身がある意味一番謎を秘めているため最初は視聴者は誰の視点も頼れない状況になるが、それは当然の事なので理解できなくても安心するよう。
京都をモチーフにした「鏡都」は、日本の日常風景にありながら目を引く色彩効果に妖怪、ホログラム、果ては巨大ロボが一緒くたに存在する非日常の坩堝で、京「騒」とあるようにハイテンションなお祭り騒ぎを中心とする群像絵巻となっている。表面上ではわからない登場人物の行動理念も観る上で大きなキーポイントになっている。
ニコニコで留意すべき点
「京騒戯画の作品解説生放送(要約)」というものもあるように、本作品を見た人には、少なからず大きな困惑を抱く層が存在しています。
他の多くのアニメのような一般・大衆向けの表現を取っていない作品であり、難解、不親切、奇抜な演出などの要素が多数あり、内容の予想や推理から、アニメ持論・論争に至るまで様々なコメントを招くことになっています。
この通り、この作品は好きな人は一気にハマれるものの、合わない人にはトコトン合わないものであり、かなり人を選ぶ内容なので、苦手な人も当然発生することになります。
よって過去の例に漏れず、本作も言葉を尽くすほどにファンとアンチの溝は埋まりようがないものです。
動画が荒れやすいのは動画の性質上であること、またコメント・掲示板での騒乱はアニメ中のお祭り騒ぎのようには収束を生まないということを承知しておきましょう。
アニメファンのたしなみとしては、人を選ぶ作品は苦手、という自覚がある人は縁がなかったと思い、「つまらない」と思うなら、早めに視聴をやめることをオススメしています。
ハマった人もそうでない人も、本意でない形で京騒戯画を楽しみに観ている人のニコニコを害することのないよう方法をとるようにしてください。
生放送に出演した監督の松本理恵からは「個々のシーンの説明はしない」という主旨の発言があることからも、それぞれの場面でどういった意図が込められているか、どう感じるかなどは、視聴者のひとつの楽しみとして託されている。
ファンになった視聴者は、このことをまず理解しておくと良い。
TVアニメ版
かつて、幾つかの星々が存在し
人とカミの境が曖昧だった頃
出演者ら曰く前よりわかりやすくなっているらしい。以前の配信限定版では断片的にしか明かされなかったことを、TV版ではより深く描いていく様子。本編は全10話。
TV視聴者向けにマイルドにされており、これまで見てきた視聴者に関しても、第二弾までに解らなかった部分がある程度明かされる内容となっていることは確か。
ただし第0話となる予習編は配信版の第一弾をややカット+音楽担当を変更した内容であるため、初見の人にとってはかつての配信版のような混乱が繰り返されている模様。
先述のように、第1話や過去編というより、途中のエピソードを描いてる作品なので、予習編だけで全てをすぐ理解出来るわけではないことを留意されたし。
TVアニメ版が初見という視聴者の中で、もしこの作品についていろいろ気になった人は、先の配信版エピソードが全て収録されたBD / DVD零巻の入手をオススメ。
主題歌や使用楽曲など
その他第二弾では挿入歌が使用されていたが、詳細は不明。楽曲は第一弾のみ高木洋が担当していた。第二弾以降は椎名豪が製作。
TV版OPの『ココ』と、第二弾以降の椎名豪が手がけた楽曲は発売が決定している。
主要な登場人物
- コト - 声:釘宮理恵
- 別世界から来た制服少女。帰郷を夢見つつ、鏡都で好き勝手している。甘酸っぱい青春を奪われた。カワイソス。
- 阿、吽(あ、うん) - 阿の声:日高のり子/吽の声:白石涼子
- コトの弟分的な式神の兄弟。どっちがどっちかは実はどうでもいいらしい。とりあえず二人とも生意気な性格。
- 明恵(みょうえ) - 声:鈴村健一
- 絶倫坊主。なのにコト達を面倒見ている保護者。どことなくお人好しで妙に家庭的な苦労人。
- 鞍馬(くらま) - 声:中原茂
- ポーカフェイスの住職、いわゆる黒幕で、自分ではあんま動かない。断じてズボラなわけじゃないらしい。断じて。
- 八瀬(やせ) - 声:喜多村英梨
- ドレスを着ている、一々行動が芝居くさいお姉さん。怒ると怖い、怖すぎる。金持ちでいつも茶会を開いている。
- ショーコ博士 - 声:斎藤千和
- 白衣にメガネだけど住職一派の偉い人。ゲーマーメカオタク。コト達を敵視するが、あしらわれ気味。唯我独尊。
- 伏見(ふしみ) - 声:竹本英史
- ショーコの部下。超優秀でいつも定時あがりっぽい。上司より頭がキレる二枚目。女子層に人気が出そう。
- 稲荷(いなり) - 声:石田彰
- 白い軍服を着た謎の人。公式でも珍しくマジに解説されている。コトの師匠らしい。第二弾からイケボがついた。
- コト(古都) - 声:久川綾
- 紛らわしいので、ママと呼ぶといいだろう。年頃の女の子にトラウマを植えつけた。
用語解説
- 鏡都
- 本作品の舞台となる世界観で、人間と妖怪が暮らすもう一つの京都。元は明恵上人の描いた都の絵である。絵で描いた世界のため時が止まった世界という設定だが、朝夕夜が一応存在し、時期によって起こるイベントがあったりもする。絵で描かれたものなので、ここに存在するモノは壊しても基本的には自動修復される。そのため住人は破壊活動に関してかなり無頓着である。ただし壊れないということは壊せないということでもある。名前の由来は八瀬から都の名前を聞かれた明恵上人が「向こうも京都でいいよ」とあまりにも捻りのない答えが返ってきたので、鞍馬が「せめて字面くらいは変えろ」とツッコミを入れたことから来ている。
- 三人議会
- 鞍馬、八瀬、明恵の似てない三兄弟が開催している謎めいた議会。「三人の間には名誉があり、秘密はない」という誓いの言葉がある。ここでの決定は絶対らしく、逆に何も言ってこないなら黙認、ということらしい。ちなみに場所は鏡都の中心にあるタワーの最上階。鞍馬と八瀬は何故か勢力を形成して縄張り争いを行なっているが、明恵は特に大きな派閥は持っていない。
- 鞍馬寺
- 鞍馬が幼い時に自分で建造したらしいお寺で、同時に鞍馬一派のことを指す。お寺なのにショーコ博士ら先端テクノロジーを駆使する人々が揃っている。いつも安全点検と称して町の一部を封鎖しているらしく、住民からはちょっと呆れられているようだ(主にショーコのせい)。
- 金剛巨人ビシャマル
- 鞍馬寺が所持している仏像のようなスーパーロボット。どこぞの鉄人よろしくPSPリモコンで操縦する。逆に言えばリモコンがないとまったく使えない。管理と開発責任はショーコ博士に一任されている模様。ショーコ博士がコトと敵対しているのは、本来はビシャマルの武器であるハンマー“アラタマ”をコトが持ち逃げして使用しているため。
- アラタマ
- 伸縮自在のハンマー。上述の通りビシャマルのものだったらしいが、今はコトが使っている。色がなんとなくサイケ。コトはかつて現実世界で稲荷からこのアラタマの元となったらしいものを貰っている。
- 白服 - 声、新井良平、小川慎太郎、半田祐典、阿座上洋平
- 鞍馬寺に所属している白いスーツの怖いオジサン達。主にショーコ博士の命令で行動する。平気で銃をぶっ放したり屋根の上を車で走り回る迷惑な方々だが、一番苦労してそうな人達である。銃の腕はノーコンレベルの疑いがあるが、親分のショーコはかなりの腕前、どこで生まれたこの差。漫画版においては『液晶兵隊』と呼ばれており、ホログラムトークンなるモノらしい。本編でも声に微妙なエフェクトがかかっているので本当の人間かどうかは微妙。
- 四神 - 声:中山恵梨香、照井春佳
- 四聖獣の名前を冠した美少女達。第二弾二話では探索活動のため呼び出される。メンバーの名前はそれぞれ、青龍アオイ(警察服)、白虎ハク(白衣っぽい)、朱雀シュシュ(チャイナドレス)玄武ザクロ(ゴスロリ)。一言しか台詞がないにも関わらず、動画上のコメントでは俺嫁投票が行われている。流石おまえら。
- お茶会
- 八瀬の集落で行われている最大の道楽。どうやらわがまま放題にお金を使っているらしい。八瀬本人を含め、参加者は自分の一派に所属する妖怪達である。たまにコトが顔を出している。
- 駅開き
- 第二弾・3話のメインイベント。年に一度起こる事象で、ゴミを粉砕出来ない鏡都において、ゴミを処理するために利用される。そのためゴミは「捨てる」ではなく「駅に流す」と言われる。流されたものがどこに行くかはわからず、また誰がどう流すものを決めているかもよくわかっていない。一応所有者がゴミと見なせばなんでも流せるが、必要か不要かで揉めるなどして起こる事故も多い。
その後の話
2013年に超ヒロイン戦記-スーパーヒロインクロニクル-に参戦することが決定した。他の参戦作品と比べるとやや浮いている側の枠であるが、実質バンプレのオリキャラのような存在だっただけに扱いやすかったのかもしれない。
上記のように2013年秋にはTVアニメ化が決定、放送が開始されている。念願の映像ソフト化などが開始されるなど、2013年末期は京騒戯画の展開がより活発となっている。
裏を返せばTVアニメバージョンがこれまでの総括的(完結編)なものになる可能性もある。
漫画版
mercreによるコミカライズ作品。内容は本編の設定・世界観を踏襲したオリジナルのストーリー展開となっている。
本編では不明瞭だった点の幾つかを補完する内容が含まれており、より京騒戯画の世界を楽しむ事ができるかもしれない。第一弾のストーリーをなぞりつつも、謎の多さによる取っ付き辛さはだいぶ解消されている。
コマの一つ一つに目を凝らしてみると思わぬネタが隠されている事も………?
2012年2月号より電撃マオウにて連載開始(コチラが第一弾)。
同年11月号からは第二弾の外伝として『京騒戯画 鏡書院と迷子の栞』が連載された。
各話リスト
WEBアニメ版
第一弾は30分、第二弾は基本10分程度の短編。
第一弾はそれだけで完結している長編。第二弾はその世界観をさらに膨らませた作品。
BD/DVD第零巻に収録。
話数 | タイトル | 動画 | 配信期間 |
---|---|---|---|
第一弾 | 京騒戯画 | 2012年7月31日~2013年1月31日 | |
第二弾 | |||
第1話 | コト、主人公かく語りき | 2012年8月31日~2013年1月31日 | |
第2話 | ショーコ、科学者慌て窮す | 2012年10月27日~2013年1月31日 | |
第3話 | 八瀬、妖怪鏡都通信 | 2012年11月10日~2013年1月31日 | |
第4話 | 明恵、坊主かく語りき | 2012年12月8日~2013年1月31日 | |
第5話 | 古都、黒兎回想録 | 2012年12月22日~2013年1月31日 |
TV版
0話はWEBアニメ版の第一弾にOPを追加し編集した物、音楽が第二弾以降担当の椎名豪に変更されている。
BD/DVD第壱巻に映像特典として収録予定。
特別編にあたる5.5話と10.5話はそれぞれ参巻と伍巻に収録予定
話数 | タイトル | 動画 |
---|---|---|
#0 | 予習篇 | |
#1 | ある一家の事情とその背景 | |
#2 | やってきたのは妹 | |
#3 | 長男と愉快で科学な仲間 | |
#4 | 次女と素敵な妖怪達 | |
#5 | 若き三男の悩みと始まりと終わり | |
♯5.5 | 京都実録篇 | |
#6 | 二人が計画し一人が悩む話 | |
#7 | 母が帰還してついでに父も帰還した | |
#8 | あっちとこっちでもめる話 | |
#9 | どうしたらいいかみんなで考えよう | |
#10 | 今日を騒がしく戯れ生きる人々の漫画映画 | |
♯10.5 | 復習篇 |
ラジオ
TV版の放送開始日と同じ日の2013年10月2日にWebラジオ「京騒戯画 ~コトと明恵のお茶の間通信~」が日本コロムビアにて配信開始されて12月25日配信分で終了し、ラジオCDとして発売された。隔週水曜日更新。
パーソナリティは、ラジオでは初共演となる釘宮理恵(コト役)と鈴村健一(明恵役)。
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関連項目
外部リンク
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