人手不足とは
現時点では充足していても、事業や技術の後継者がいないといった問題も含める場合もある。
概要
労働人口の減少や雇用のミスマッチ、少子化など複雑な問題があり、企業にさまざまな影響を与えている。
少子化や過酷な業務を押し付ける事例が増えているため、アルバイトの募集を行っても集まらないため、数多くのチェーン店の中にはワンオペが常態化していたり、24時間営業を中止したところもある。
故事慣用に「猫の手も借りたい」とある通り、昔から人手不足という概念は存在していた。
- 労働環境(待遇・労働環境・給与)に文句を言わず黙ってこなすのが美徳
- どんな顧客・注文・意見であろうと企業は常に真摯で正確な対応するのが当たり前
- プロならできて当然なんだから安くしろ、送料無料にしろ、文句があるなら次から頼まない
- 「お客様は神様です」(※誤用)
- 現場の処理能力を超過していても根性論でなんとかしろ
- 若者や現場の意見なんて聞く必要などない、俺に意見など失礼にもほどがある
- 自殺・うつ病・過労死は甘えだから俺は悪くない
…といった高い理想やワガママ、一部は悪質クレーマー気質のため、しわ寄せを受けた側の収入減や人手不足はより一層加速することとなる。上層部などは現場を見ず売上の数字など表面的にしか見ていない、現場の処理能力を無視する、根性論で解決させるといった問題もある。
その他、人手不足ゆえに既存の従業員・アルバイトに対して、シフト強制・無休・ワンオペといったしわ寄せや、退職妨害や謝罪要求を行うトラブルも頻発しているものの、義務がないためは従う必要はない。(後述)
一時的なイベントなどで大人数が必要な場合にアルバイトやボランティアを雇う場合もあるが、後者の場合はやりがい搾取でタダ働きさせるといった「都合の良い労働力」として用いられる問題もある。
(→やりがい搾取)(→ボランティア)
職種
教師や警察官、自衛隊といった公務員、医療・介護、運送会社と例を挙げればキリがない。
いわゆる3K+α職場(くさい、汚い、きつい、給料安い、危険、帰れない等)が挙げられやすい。社会を動かすために居なくては困る職業も少子化や情報化(きつい実情がだだ漏れ)も相まって選ぶ人は減っている。現職や元職が分かりやすくYoutube等で語っていたりするため。
…かといってやる気のない人間に「警察官になれ」「教師になれ」「介護職をやれ」というのは憲法(職業選択の自由)に違反しており、やりたくもない仕事に無理やり放り込んだところで大半はグダグダや不正の温床になってしまうため根本的な解決策にはならない。
規制緩和によって同業者が一気に増えたことでコスパの悪い低価格競争となり、互いに首を絞めあっている状態になっている業種もある。
中には企業側が給与・年収・時給を上げて募集しても人が集まらないといった現状もある。(残業だらけで家に帰れない、金だけあっても使う暇がないなど)…かといって単純に時給が高すぎるとブラック企業で危険・激務だったり詐欺っぽいといった雰囲気も出てしまうため一長一短。
優秀な人材も定着しない
本当に優秀な人材は募集や就職活動の時点で見抜いてくるため、入ってこない。
「優秀な人材には報酬が高いのが当たり前」といった海外や外資系に取られることもある。
※無能だとさっさと解雇されてしまうため、一長一短ではある。
本当に優秀な社員を雇ったところで、魅力や将来性、働きに対して十分な報酬のない企業、自身の能力を発揮できなかったり、老害や無能がふんぞり返って偉そうに幅を利かせる問題のある社内環境では、さっさと見切りをつけて転職されてしまう。
判断力の欠けた「優秀な人材」が入った場合、コスパの良い駒として使い潰されてしまう。
低賃金・悪待遇で募集をかけて優秀な人材が来るわけがなく、それ相応の人材が関の山であるが
「金がない」「根性の無い奴」「若い奴は文句ばかり」といった勘違いで顧みることは絶対にない。
夢や憧れを破壊して退職される
官公省庁など、決して高い給料でなくとも夢や憧れで入ってきてくれる人もいるのだが…
時代遅れのノリ・方法・思想・機材・システムをであったり、頭が固く柔軟性がない、若手や現場の意見を一蹴する、前例主義で変化を嫌う。
装備・設備・訓練・法律の整備が不十分で活動に支障が出る。危険度に応じたサポート・バックアップ体制が弱く、相手側の手段・手口に対応できず穴だらけ、つまらない事で大きな問題や責任問題にされる、時代に応じた変化ができない、予算の配分や用途にセンスがなく的外れ…など。
結果的に、せっかく入った人間の夢や憧れを壊して転職される、悪評を言いふらされるといった本末転倒な負のスパイラルになっている。最悪の意味で「コレジャナイ」である。
利用する
逆を言えば、元々が人手不足な業界であれば就職活動においても比較的楽に入れる場合もある。
人手不足過ぎて門前払いどころか、かなり好意的に採用してくれるかもしれない。
人手不足(過疎)な田舎など、仕事・家付きで募集している場合も一応ある。
田舎なので家賃が安かったり、無駄に敷地の広い古民家を無償で貸してくれる場合もある。
コミュ障や田舎のノリについていけない人は不可能だが、鋼メンタルなら試しに行ってみるのも手かも。
- いずれにしても、ブラック企業である危険性を十分に念頭に入れておく必要がある。(最重要)
- 田舎などは若いからと面倒事を押し付けられる、変なノリや風習、村八分がある場合もある。
- 車が必須となる場合も多いため、多少は交通網のある場所を探したほうが良いかもしれない。
問題
待遇の悪さ+努力が報われない
極論だが、
- 一日8時間勤務、休憩あり、残業無し、有給休暇使用可能。
- 大きな体力的苦痛・心理的苦痛のない業務。
- 成績優秀者の給与に対し、効率・利益に見合う分を加算。
- 資格者・技術者・スキルのある人間を優遇し、十分な手当を支払う。
- 年齢・性別を問わず自由な発言権がある。
- 格安で利用できる社員食堂、その他福利厚生施設つき。
- 無条件で月収35万円以上+ボーナス年2回、昇給あり。
- 家族や子供の数に対する手当あり。
- 夏・冬ともに2週間以上の長期休暇あり。[1]
- 転勤無し。
- 勤務地近隣に駅・アパート/マンション多し。家賃手当・引っ越し手当あり。
- 上記の待遇は勤続年数問わず社員全員が必ず永続的に享受できる。(新入社員も含む)
…など待遇が良ければ(流石に盛りすぎで怪しいが)嫌でも人は集まるだろうが
人件費を「余計な経費」とし、現場の人員・意見・環境を軽視した活動も多い。
- 金銭的余裕のあったり、多大な利益を上げている大企業であっても
既得権益や自身の利益搾取のためにそういった投資を行う企業や団体組織は少ない。- いくら成績優秀であっても、利益に対して明らかに見合わない少額の報酬。
- 希少な技術者に対しても「プロならできて当然」と冷遇。資格手当が無いor安すぎる。
- 「会社の為に薄給で尽くすのは当たり前」「若い奴が俺より貰うのは気に食わない」
「若者を使い潰すのは当然の権利」といった時代遅れの人間も数多くいるのも実情。 - 仮にいくら儲かっても労働者に還元せず、上層部の搾取、年功序列で無能上司の懐に大半が吸い取られてしまうため、「優秀な若手は頑張って働くだけ損」といった風潮になりがち。
- 「最近は人手不足が加速して困る」など既知の問題を棚上げ・無視した挙句、何か言ってる。
- むしろ社畜が自殺・過労死・うつ病になろうが「根性がない」「代わりはいくらでもいる」程度。
→ブラックバイト → ブラック企業 →老害 →根性論
- むしろより多く搾取できるよう、労働者の人権や権利・健康よりも若手や派遣社員をより一層安価に使い潰せるよう法律を変更してくる。
→ レントシーキング - 日本人の給与では安くこき使えないため、外国人技能実習生を騙して連れてきては時給換算300円程度で酷使するといった問題も多く取り沙汰されている。
システム上の問題
年功序列のシステムのおかげで「いくら優秀でも若いというだけでほとんど給与が上がらない」「俺より無能で役に立たない老害上司が勤続年数が多いだけで高給を受け取っている」といった本末転倒な事態も発生している。しかも優秀な若手に指示を出す権限を持っているのがその無能上司なのだからタチが悪い。[2]優秀な人間は早々と見切りをつけ辞職してしまうため、あっという間に人手不足である。[3]
近年は悪質な「年功序列」を廃し「能力給」で給与を決める企業も出てきているようだが
普及するにはまだ長い時間が掛かりそうである。
納得してはいけない
もちろん労働者側も「ああ、これが普通なんだな」と納得してしまい
違和感を感じることなく金銭的・精神的に搾取され続けるのが現状である。
(→残業・有給休暇・ノルマ・減給 …他項目参照)
※最低最悪な搾取や非人道的待遇、労基法違反という意味では、ブラック企業では「普通」である。
黙って従えば無能上司・無能経営者・ブラック企業の延命措置になってしまう。
もちろんあなたに入るはずの利益まで、ゴッソリ持っていかれる悲しい人生となる。
派遣会社など、都合よく利益を掠め取れないため「派遣先での雇用は禁止」といったルールが課される場合もあるが、憲法には職業選択の自由があるため法的根拠はない。
よくあるトラブル
退職は労働者の権利。
会社の許可は必要ないし、余計な条件も必要ない。
「人手不足なのに辞める気か!」
→ まったく問題ありません。
「代わりの人間を連れてこい!」
「代わりの人間を連れてくるまで辞めさせないからな!」
→ そんな義務は1ミリもありません。人材確保は企業側の仕事です。
「企業、他の社員や客に申し訳ないと思わないのか!」
→ 罪悪感の刺激はよくあるパターン。やりがい搾取などが良い例である。
→ 十分な待遇と報酬を支払ってから言ってください。
→ 逆に、気の合う仲間、他の社員と一緒にやめてしまえばボーナスポイントである。
「辞めるなら損害賠償するからな!」
→ 損害賠償には違法性・悪質性の法的証明が必要です。
→ 万が一訴えられても、ブラック企業側の盛大な自爆になる。
※バカッター・バイトテロレベルをやらかした場合を除く。
「雇用契約書をよく見ろ!(特定の条件)で辞めたら損害賠償を支払うと書いてあるだろ!」
→ 違法性のある契約内容は、印鑑を押してあろうが元から無効です。
罪悪感で騙される人も多いが、「辞めるのに特別な条件は必要ない」と覚えておくと良い。
(しいて言えば貸与品を返すくらい)
【実録】「辞めるなら100万円払え!」退職引き止めの悪質な手口|転職Hacks (ten-navi.com)
もちろん正社員だけでなく
派遣社員やパート・アルバイトに対しても行われる(ブラックバイト)ので注意。
※労働基準法は犯罪であり、「ちょっとした罪」「他もやってるから無罪」ではない。
関連項目
- ワンオペ
- 仕事 / 職業 / 職業の一覧
- 就職活動 / 転職
- ブラック企業
- ブラックバイト
- 老害 / 無能
- 年功序列
- アルバイト / フリーター
- 派遣 / 派遣社員
- 社畜 / 奴隷
- 残業 / 有給休暇 / ノルマ
脚注
- *海外では夏休みが数週間~1か月以上とかザラであり、日本は平均5日である。
- *優秀な若手だからこそその指示や目標に応えてしまい、無能上司の延命措置になってしまう
- *ちなみに米国など一部先進国では実力主義。若い新入社員だろうと優秀な人間・使える人間には金払いが良い(先行投資)。逆に無能で使えない人間はさっさと切られるため(一応、人材損失が惜しい場合は警告はしてくれる)、無能で何もしない上司は生き残れない。…そう聞くと残酷ではあるが、向こうは日本と比べて転職の敷居が低い。
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