人身事故とは、交通機関に関連する事故により人が負傷したり死亡する事故である。
概要
駅のホームからの滑落、踏み切りの無理な横断、飛び込み自殺などを一概に『人身事故』と呼ぶ。ただし明らかな自殺の場合は、人身事故ではなく輸送事故扱いとなる。
事故処理や現場検証のために社会インフラである交通機関をストップさせ、大量輸送の役割を担う鉄道では一度に大人数に影響が及ぶため、車の交通事故とは比べ物にならないほど社会に与える影響が大きい。
大抵の路線は鉄道システムが正常に稼働している事を前提とした設計になっており、上下線間に移動は終端や拠点駅でしか行えない場合が多い。そのため、1つの駅で人身事故が起きるとその前後も含めた区間がまとめて機能停止する。その残りの区間も中途半端に稼働させても混雑の集中等さらなる混乱を生む事があるので、全線まとめて停止する事もある。(事故が起きると分かっているにも関わらず冗長性を重視しない理由は主にこうした事から)
最も効果的な対策としてホームドアがあり、滑落は勿論の事、自殺も含めて転落をほぼ0近くまで減少させる効果がある。ただし、導入にはコストが掛かり、構造物やシステムの改修にも関わるので、簡単にすぐ設置できる訳ではない。
踏切の場合は一般的に遮断機や警報器があるのであまり議論に上がらないが、近年では視覚障害者のために踏切内に点字ブロックの設置をする動きがある。
注意
普通に鉄道を利用していると線路に落ちる事はまず無い。そのため人身事故=故意に飛び込んだ自殺、というイメージが働くが、現実には一日数百万にも及ぶ利用者のうちには個人が預かり知らないところで、自殺の意思がなくとも誤って滑落している人は存在し、人身事故において結構な割合を占める。例えばホーム先頭に並んで数十センチ鼻先を列車が通過している状況はごく普通の風景であるが、少しよろける・人と衝突する等しただけで突然命が終わってもおかしくない、本来は危険を伴う状況なのである。
踏切についても同様であり、自殺や無理な横断以外にも、踏切で転倒して動けなくなる場合や、視覚障害者を始めとして遮断機の外側・内側がわからず人身事故となるケースが存在している。
従って、事故理由が分からない状況で安易に自業自得等と評価するのは良くない事である。
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