人間シリーズとは、西尾維新によるライトノベルシリーズである。web連載においてスタートし、2004年講談社ノベルスより発刊された『零崎双識の人間試験』を皮切りに、2010年までで全7巻が刊行された。
概要
このシリーズは西尾維新の代表作『戯言シリーズ』(以下戯言)のスピンオフにあたるシリーズ。
戯言において主人公いーちゃんの「表裏」とされ、本来は戯言内で起きた出来事の中核に据えられるはずであった零崎人識と、"殺し名"として戯言にも名前は登場していた『零崎一賊』の物語。
人間シリーズは人識が中学生の頃から、戯言本編終了後までの数年を舞台として、時系列はバラバラにして書かれている。その為何作かは、戯言の事件と時間的に重なる箇所が存在する。
戯言が上遠野浩平の『ブギーポップシリーズ』のオマージュであるのに対して、本作は同じく上遠野浩平の『ビートのディシプリン』のオマージュとなっており、戯言では執筆上設けていた制約(多視点や時系列の前後など)を全て解除して書かれている。
著者曰く、零崎一族の話は言ってしまえば、打ち上げ二次会のお祭りであり。純粋に愉しんでいただくためオールスター戦を書きました。いーちゃんがアメリカで真心といちゃいちゃして日本にいなかったとき、つまり戯言シリーズ以前の話ですから、作者もやりたい放題と述べている。
登場人物
- 零崎 人識(ぜろさき ひとしき)
「究極の殺人鬼」零崎零識と「絶対の殺人鬼」零崎機織の近親婚の間に生まれた生粋の殺人鬼。戯言遣いは彼を《人間失格》と称した。表の世界での名前は汀目 俊希(みぎわめ としき)。年齢は戯言初登場時には大学生くらい。身長は140cm代。オシャレを頑張っちゃってる感じの服装のセンス。性格はやたらネアカで息をするように人を殺す。戯言遣いの対偶存在にして唯一の男友達。殺人鬼達が集まって作り上げた一族、<零崎>においてすら変わり種として見られている殺人鬼。鏡に映したようにいーちゃんとそっくりで、そしてどこからどこまでも似ていない。いーちゃんがいーちゃんとなることを選ばなかったらこうなるだろうという、もう一人の自分である。「殺人鬼」の言葉に恥じず、意図しないとは別に人識は次々とまわりの人間を殺してしまう。災厄のように厄介なやつだが、実はかなりいいやつである。適当そうな言動とは違って面倒見がよく、殺されそうになったいーちゃんを救ったり、怪我の治療をしてくれたこともある。 - 零崎 双識(ぜろさき そうしき)
《零崎一賊》の長兄にして家長、つまりリーダー。二つ名は《自殺志願(マインドレンデル)》など。眼鏡男子(伊達)。 人識が唯一「兄」と思っている存在。哀川潤の大ファンで、その影響から大の漫画好き。「妹」という存在や「女子中学生」などにかなり特別な思い入れがあるらしく、なんとか自分の妹になってくれる娘を探している。愛用の得物には、二つ名と同じ名前の大鋏を使っている。 - 零崎 軋識(ぜろざき きししき)
零崎一賊三天王の1人。二つ名は《愚神礼賛(シームレスバイアス)》。一賊史上最も荒々しく、最も容赦のない手口で、最も多くの人間を殺した殺人鬼。麦わら帽子によれよれダブダブのズボン、白いシャツにタオル、そしてサンダルとかなり牧歌的な出で立ち。語尾に「ちゃ」と付く。愛用の得物には、二つ名と同じ名前の鉛でできた釘バットを使用している。そして彼のもう一つの顔が”式岸軋騎”である。この時の彼はフォーマルなスーツ姿で釘バットも持たない。キャラ作りもしない。機械の解体・組み立てが得意で、ある程度なら工具なしで出来る。シリーズでは珍しいふたつの特性を持っているキャラクラ―である。 - 零崎 曲識(ぜろざき まがしき)
零崎一賊三天王の1人。 二つ名は《少女趣味(ボルトキープ)》。燕尾服着用に、胸にはハンカチーフ、軽くウエーブのかかった長髪など、どっから見ても音楽家。そして使う技能も音楽家極まりない殺人鬼。口癖は「悪くない」。性格は天然で蛋白、そして思い込みが激しい。 - 無桐 伊織(むとう いおり)
女子高生。17歳。赤いニット帽は夏でも脱がない。背丈は高め、目方は軽め。4月23日生まれのA型。成績優秀。ある事がきっかけで殺人衝動に目覚め、零崎入りする。双識の待ち望んだ「妹」である。零崎としての名は零崎 舞織(ぜろさき まいおり)。経験値が殆ど無いため戦闘力はまだ低いが、その内に宿るのは正に零崎。 彼女の魅力は《零崎》に変容していく経過にある。《零崎》が進行するに伴い、伊織の性質は変わっていき、行動に迷いを持たない人間へと変化していく。以前の伊織は何か問題に直面しても茶化したり誤魔化したりして逃げるばかりだった。
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4巻目にあたる『零識人識の人間関係』は四冊存在しており、時系列も舞台もバラバラの四作であるがある仕掛けがあり、どれを最後に読むかを決める事で他の三冊を読む際に理解しやすい順番が作者から案内されるようになっている。詳しくは各巻のあとがきにて。
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